最強姉妹の超能力戦記
ある夜、大きなビルのある一室で、窓辺に一人の少女が腰かけていた。髪は銀色で、左が青、右が紫のオッドアイを持つ。月が照らすその顔はハッと息をのむほど美しく、少女が浮かべる愁いを帯びた表情が一層その美しさを引き立てていた。
彼女の名は霧泉玲華。重力操作、テレポーション、予知能力、千里眼の能力を持つ超能力者だ。玲華には霧泉美玲という双子の姉がいる。美玲はテレポーション、幽体離脱、時間操作、空間操作の超能力を持つ。二人は孤児だったが、アラン・フランシスという人物にひきとられ、育てられた。そしてその後は、「デストロイズ」という超能力組織に所属している。
その時、部屋のドアが開けられた。
「玲華。ボスが呼んでる。すぐ来いって。」
「あ、姉さん。分かった、すぐ行く。」
ボスの名はネルターニャ・ラゴス。自称25歳の男だ。彼の超能力は全く知られていない。
「ボス、入るぞ。」
「やあよく来てくれたね。まあ座って。」
「何の用だ?」
「君たち今年で何歳?」
「15歳」
「15かぁ。じゃあ大丈夫だな。アランにね、君たちが15歳になったら伝えてほしいことがあるって言われててね。」
「伝えてほしいこと?」
「うん。少し長くなるよ。」
アランとボスが長年守ってきた二人の秘密。ボスから語られたのは意外な事実だった。