(ⅰ)
「見えてるか?」
「はい……トラックが2台。……大きさは、両方とも、このトラックと同じ位です」
メガネっ娘は、「使い魔」を猫に憑依させて、「九段」の港の周囲を探っていた。
「あれっ?」
「どうした?」
「じ……地震?」
「待て……この『島』が地震って……ここって、要は……」
「ええ、ここは人工の浮島で……そして、こっちでは何も感じない以上……局地的に重いモノが通ったか……」
嫌な予感がする……。あの晩も同じ事が起きた……。
「うそ……そんな……」
「まさか……」
「おい、何が見えてる?」
そう声をかけたのは「ニワトリ」男。
「パワーローダー……」
「えっ?」
「やっぱりか……」
「多分……4m級のパワーローダー。それが……2台、トラックの護衛に……」
「武器は判るか?」
「銃である事以外は……」
「どうする? 中止するか?」
「待て……人が乗ってるか……無線操縦かは判るか?」
俺は、そうメガネっ娘に聞いた。
「どうやって?」
「例えば……人間の生命力を感知する魔法とか無いか?」
「え……えっと、やってみます」
「お前、案外、頭が回るな」
「ニワトリ」男が感心したように言う。
「あと、そのパワーローダーに防御魔法がかけられてないか調べてくれ。もし……有人で、防御魔法がかけられてないなら……操縦者を魔法で殺すか気絶させるか出来る筈だ」




