表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Neo Tokyo Site 01:第一部「Road to Perdition/非法正義」  作者: HasumiChouji
第三章:絕地7騎士 ― The Magnificent Seven ―
39/59

(ⅵ)

「よう、小僧」

「あんたは……」

 ともかく長ったらしい名前の眼鏡っ娘に案内された場所に有ったのは……見覚えの有るトラック。ただし、コンテナ部分には、あの時とは変っていて、製麺所のロゴと、ラーメンやうどんの絵が描かれている。

 その運転席に居たのは、あの夜に「九段」で出会い、俺達を「神保町」の奴らの本拠地まで案内した「魔導師」。

「名乗って無かったな……俺は……」

「クソ長い覚えにくくて訳の判んない名前は、もういい。あんた達の間で、普段使ってる名前を教えてくれ」

「あっ?」

「いちいち『階位ナニ=カニ・ナンタカラカンタラ・何色のHogeHogePiyoPiyoさん、下請業者の課長さんが仕事の打ち合わせの為にお越しです。何番会議室に御案内しています。すぐ行って下さい』なんてやってる訳じゃないだろ」

「あ〜、あたしは……その『ドジっ()』か『紫の女司祭(プリーティス)』……もしくは『女司祭(プリーティス)』です」

「俺は……『緋色の皇帝(エンペラー)』か『皇帝(エンペラー)』あと……ニワトリ」

「偉いのか、下っ端なのか判んない呼び名だな」

「俺達の組織では、組織内での呼び名は、タロットカードから付けられてる。ニワトリは……これだ」

 その「ニワトリ」男が呪文を唱えると……。

「なるほどね……」

 ヤツの右肩に半透明の赤い鳥が現れた。つまり、使い魔にちなんだ渾名か。

「正式な魔導師や候補生はオーラの『色』と大アルカナ、魔導師じゃないメンバーは小アルカナの『(ソード)』『棍棒(ワンド)』『聖杯(カップ)』『硬貨(コイン)』『騎士』『女王』『王子』『王女』にちなんだ名前で呼ばれる」

 なるほど、さっぱり判らん。でも、説明してる時の楽しそうな感じからして、こいつが魔術オタクの成れの果てな事だけは想像が付いた。学校(高専)にも、こんなのがたまに居る。

「で、あんた達は、そうだな……普通の会社で云うなら、平社員なのか管理職なのか? それとも、まさか重役とか役員?」

「あ……俺は魔導師としては下から2番目……。まぁ、係長になったばかり、ってとこかな?」

「えっと……あたしは……その……会社の喩えだと……まだ正式な社員じゃない……研修員みたいなものです」

「『九段』には、強力な『魔導師』や『呪物』が出入りするのを検知する結界が、あっちこっちに張られていてな……。ウチの中でも上位のヤツが『九段』に入る事が有るとすれば……『靖国神社』側から招かれた時か、逆に全面戦争を覚悟した時だけだ。だから、お前に力を貸せるのは、俺達、下っ端だけだ」

「どう云う事だ? あんた達、神保町の自警団が……俺に協力してくれるのか?」

「礼なら、死んだお前の親父に言え。お前の親父とは、あんな事になったが……お前の親父を尊敬してる奴は、神保町にもかなり居る」

「そうか……」

 そうか……少なくとも今は……俺は……「石川智志(さとし)の息子」であって、1人の男「石川勇気」じゃない訳か……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ