SSSランクで全パラメータ9999だけど女運だけマイナス9999の俺がヤンデレの女の子ハーレムを形成したが、ステータスが高いおかげで刺されても大丈夫な件
「ロディ君が悪いんだよ? わたしっていう女がいながら、いつまでも他の子連れて冒険をするのが悪いの。だからわたしがあなたを刺したって仕方ないよね?」
「それは俺を刺して良い理由にはならないね。まあ、お前に刺されたくらいで死ぬ俺ではないが」
おはよう、諸君。
俺の名はロディ・クラウス。俺の名前くらいは聞いたことがあるだろう?
何せ、俺はこの大陸で唯一、《SSS》ランクに相当する冒険者なのだから。
ふっ、Sが多いと強いのかだって? もちろん、Sが多い方が強いに決まっているさ。
何せ、Sが多いのだからね。
そんな俺の朝は早い。まだ朝の四時だ。「こんな時間に何やってるんだい?」って聞かれてもおかしくはない時間だな。
そして俺がやっている――というか、やられていることは同じパーティメンバーの魔導師にお腹を刺されている……そんな奇妙な状態だ。
如何に俺が優れた『シックスパッド』を持っているとはいえ、刃物を防ぐほど硬いわけじゃない。要するに刺さっているわけだが、まあそこは気にする必要はない。
何せ、俺のステータスは全て『9999』。刃物で腹部を刺されたくらいでは、精々HPが1減って『出血の状態異常』にかかるくらいだ。
おっと、出血の状態異常についての説明が必要かな?
早い話、お腹から血が止まらない状態だと思ってほしい。早いところ絆創膏を貼らないと大変なことになってしまうね。さてと――
「リラ、俺にとってはお前も彼女も必要な存在なんだ。分かるだろ?」
「分からないんだけど」
分からなかったので再び腹部を刺された。ふっ、相変わらず狂気に満ちた女だ。
俺でなきゃ死んでるね。
「いいか、リラ。お前は後衛で、魔導師としていつも俺を援護してくれているだろう?」
ザクッ。
「だから俺は安心してお前に後衛を任せて戦えるわけだ」
ザクザクッ。
「……しかし、お前は回復魔法が使えないだろう?」
ザクザクザクッ。
「まずお腹を刺すことで会話するのをやめようか?」
「だって、ロディ君がわたしの話を聞いてくれないから」
おっと、これは特大ブーメランが彼女に突き刺さる前に庇う必要があるかな?
人のお腹を刺しながら会話する女にだけは言われたくはないね。
「分かった。まずはお前の話を聞こう」
「死んで」
ザクッ。
血出ますよ、これ。
しかし、俺もすでに八回は腹を刺されている。俺のHPで9999だが、すでに9971。
彼女のナイフのダメージは1ダメージだが、出血で微妙に継続ダメージが――ピロン。
あ、レベル上がったね、これ!
またHPが9999になったからしばらくは刺されても平気だ。まさにパワーレベリングと言ってもいいだろう。
さて、冗談はさておき……。
「リラ、お前は他の子と一緒にパーティにいるのが嫌なのか?」
「うん。わたしだけと一緒にいてほしいし、別に冒険もしたくないし、何だったらあなたとずっと、ずっと、ずぅーっと一緒にいられたらいい。それ以外には何もいらない」
「なるほど」
メンタルのステータスが9999じゃなかったら精神的にも死んでるかもね。
だが、俺のステータスは全て9999……こんなヤンデレとも言えるリラと一緒に行動しても全く問題ないのさ。
しかし、問題はもう一つある。
「何をしているのですか?」
「出た、泥棒猫」
リラが、部屋の外から声をかけてきた女性に対して睨みを利かせ、そんなことを言う。
白衣に身を包んだ彼女こそ、回復役を務める少女なのだが。
「その人を殺すのは私の役目です。貴女ごとき魔導師が、何をしているのですか?」
戦闘民族かな?
好意的に解釈すると、「そのナイフで刺すのとやめなさい。私が治す手間が増えるでしょう」なのだが……いや、どう解釈してもそうはならないね。
さて、もう一人でてきた治癒術師の彼女――レイだが、彼女はリラと違って腹を刺してくるようなタイプではない。
鋸で手足を切断するようなタイプだ。幸い、俺の防御力のステータスは9999なので、斬られても骨で止まるのだが。
「じゃあ、どっちが先にロディ君を殺せるか勝負する?」
「望むところです。私が先にロディさんを殺します?」
「おかしくない?」
何もかも可笑しいが仕方ない。
何せ、俺のステータスは全て9999――だが、女運だけは、『マイナス9999』なのだから。
続きはあなたの心の中にあります!