表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

第8話

「なあ、エキナ。こんなに奥に入っていいものなのか?」


俺はこんな奥に入ってもいいものかと心配しながらエキナの指示に従い、森の中を歩く。


『突っ立っていても無駄でしょう。しかもダンジョンマスターの権限を得るにはあの城に入らないと………』


「城?」


しばらく歩くと、大きな城が見えてきた。

とても大きな城。

さっき戦ったドラゴンより大きな城だった。


「すっげぇー!」


『ほう。すごい魔力じゃのう。よくアユムも耐えられるのお。普通の人間なら近づくことすらままならんじゃろうな』


なんでもアクアオーラの話ではここまでくるとまず人間は気絶し、魔物達は恐怖や畏怖を覚えるらしい。


『すごいなど、浮かれておれるのはアユムぐらいじゃよ。魔王でも鳥肌が立つぐらいじゃよ』


「まあ、俺にはいまいちよく分からんからな〜」


『さて、入って下さい。中にはダンジョンマスターも居ます』


「えっ!?中にあのドラゴン並の魔物っていないの!?しかもダンジョンマスター!?」


あんなにでっかい城なんだから中には強い魔物が居てもおかしくない。

なら別に入る必要は無いのではないか?

そんな考えが浮かんでいた。


『私を信じてアユム。私はここに住んでいるんだから。入っても大丈夫。』


住んでいると聞いた時、俺は驚いた。

こんな森に住んでいるのだ。

エキナも強いのは間違いない。

俺は魔力とか分からないけど、アクアオーラは分かっているのだろうか?


「分かった。入って見よう!」


『アユムは大胆じゃのう。まあ、そんな所も一緒に居て楽しいんじゃが』


俺は大きな扉の前に立つ。


『キィィィ』


俺が触れる前に扉が自動で開いた。


「ヤベェ……俺結構ホラー系嫌いなんだけど………」


『あはははは!あんな膨大な魔力を感じも何も思わない奴が、扉が自動で開いただけでビビるとは!』


「笑うなよ!本当に嫌いなんだよ!」


「ようこそ!私の城へ!」


「『へ??』」


城を入ってすぐの大広間には庭で見た彼女。

エキナが立っていた。


「ええっと…………つまりこの城はエキナの物で…」


『ダンジョンマスターはお主じゃったのか?』


「はい!」


「えええええ!?」


『はぁ、ただならぬ魔力の持ち主じゃと思ったが……このダンジョンを作ったものじゃとは………』


「いいえ、私は仮のダンジョンマスターですよ」


ダンジョンマスターとはダンジョンを作ったものか、それに命じられた人だけがなれる者のことである。


「仮ってことは本命は?何処にいるんだ?」


「あなたですよ。アユム」


「…………………へ?」


「だから!このダンジョンは今日からあなたのものですアユム」


「待て待て待て!」


なぜ俺がダンジョンマスター?

どうして俺?

何で?

全て聞いてみたが……


「私の気まぐれです」


と流された。


「はぁ…」


「ふふっ。あなたの彼女さん。そろそろ不死の森に入って来ますよ」


「な!?」


「でもあなたがダンジョンマスターになればあなたが認めた方なら出入り可能。更にこの城には500人は住めますよ?」


そう言えば城はもう使えない状況かもしれない。

人間にバレてるんだから拠点を変えるのは必然だ。


「どうします?アユム」


ダンジョンマスター……多分とても大変だろう。

とても……とても………だけど……


「分かった。やる!俺、ダンジョンマスターになるよ!」


「はい。承りました。我、不死の森のダンジョンマスター、エキナは彼、アユムにダンジョンマスターの権限を全て託します。」


そう言うと、まわりが光に包まれ、反射的に目を瞑る。


目を開けると右手には悪魔のようなタトゥーが出来ていた。


「契約完了ですね。今日からあなたがダンジョンマスターです。不死の森の王」


こうして、俺はダンジョンマスターになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ