第4話
なんだろう…異世界ものの方が筆が進むね(´・ω・`)
(ど、ドラゴン!?)
あの人間に背中を押され、俺は『不死の森』と言うダンジョンに入った。
そしてすぐにドラゴンにあった。
(もう……俺は……ここで……死ぬのか………)
「グァァァア!!」
俺は目を瞑る。
ああ、俺はここで死ぬんだな………
(…………いや……だ………いや…だ!)
「俺は生きる!何としても!」
俺は全力疾走で、駆け出す。
助かる可能性は極めて低い……
そう……このまま何も考えなければ………
(ああ!もう!テンプレならここで邪神とか現れて力くれるとかしてくれないのかよ!加護だってあるんだしよ!!)
「グァァァア!!」
「っ!」
ドラゴンは俺にブレスを吐いてくる。
それを紙一重で躱すが、流石に怪我が深過ぎて、意識を保つのも大変だ。
そんな状態でドラゴンに逃げ切れるはずも無く………
「あれ?ドラゴンは?それにここは………」
さっきまで俺は森にいた。
無我夢中で走っていた………
そして俺は……この謎の神殿のような場所に着いたのか?
「ここは……安全地帯なの……か?」
俺はとりあえず一息ついた。
傷口が……開き過ぎている。
呼吸も荒くなっていた。
もう……この状態ならいずれにしても長くは持たない。
「はぁはぁ、エナ………俺はまだエナに伝えたいことを伝えていない。」
もはやこの体力では……俺の力ではこのダンジョンはクリア出来ない………
「はぁはぁ……誰か……助けて……なんて言っても誰も居ないのか……」
俺は意識を消えかけている。
ここで意識を失えば……死ぬのは……わかっている。
でも……もう持ちそうにない……
「おや…すみ……エナ……」
エキドナ視点
「アユム……」
「エキドナ様……もうこの城は使えません。運べる資源だけ運びましょう………」
アユムを連れてきたのは私………
そしてアユムが連れていかれたのも私のせい……
みんなみんな!私のせいで……アユムは………
「エキドナ様、報告致します。」
「何?メギ……」
「アユム様が……アユム様は、不死の森に強制的に入れられた様です。彼の存命は………」
「不死の森に行くわ!」
「無茶です!」
そう……私だって無茶はわかっている。
私じゃあ……私達じゃああのダンジョンのクリアは不可能……
いえ……神でなければあんなダンジョンクリアなんて出来ない………
(……アユムの邪神の加護が、アユムを守ってくれることを祈るしかないの?)
「アユム…生きているよね?アユム…」
私はアユムの無事を祈り続ける。
アユム視点
「……う…ううん……あれ?ここは?」
また神殿とは違う場所にいた。
俺は1歩も歩いてないはずなのに……景色が……綺麗な庭にいた。
「こんにちはアユム」
「誰……だ?」
「私は邪神……邪神エキナ……あなたに加護を与えた者よ」
庭のベンチに座り、俺に問いかけてきたのは邪神と名乗る、エキナと言う女性だった。
黒髪に、ロングヘアー、そして赤の瞳。
「まあまあ、そんな警戒せずに、座りなよ」
そしてエキラノは座っているベンチの隣を叩いて俺を座れと諭す。
俺はそんな好意に甘え、隣に座る。
「花は良いものだよね…心が落ち着く……」
「あんたは…何の為に俺をここに呼んだ?」
「ふふ。いきなり本題に入るのね……まあいいわ……あなた力が欲しいんじゃない?」
力は確かに欲しい…ここから出られるような……でも…
「俺はエナに会いたいだけだ。力が欲しいとは言っていない。しかも俺が最後に願ったことはエナに気持ちを伝えることだぞ?」
「………ふふ……あはははは!君の中にはそれしかないのかい?力があれば彼女を守れる力が手に入るんだよ?メイドを守る力があったんだよ?何もまだ力を欲しいとは願わないのかい?本当に君はつくづく面白い人間だ。」
「力が欲しいとは願っちゃいるさ……だが他人からもらった力で強くなりたいとは思わないっていいたんだよ」
「途中で異界のテンプレ展開とかないの!?とか言ってた人にそれを言われても説得力ないよ」
そう言いながら彼女は笑う。
まるで面白いおもちゃを手に入れた子供のように……
「さて、君も自分のステータスを見たからわかっていると思うけど、君のスキルの中に『???』ってあるよね?それ、私のせいでロックしてるんだけど……面白いから解放してあげる。」
そう言うと俺の額に手を当て……
「アンロック」
瞬間……体に激痛が走る。
「ぐぁぁぁぁああ!ああ!ぐぁあ!何を……」
「だから言ったじゃないか…君に付けていたロックを外してあげたんだよ……それはもともと君の力だった。けど、それは余りに強大で君の手に負えるものじゃなかった。だから私がロックした。君の願いもあるしね…いや…元と付くかな」
「何を………」
「とにかく、君の力をフルバースト……全力解放したから、君は君の好きなようにしなよ。ここは……この不死の森は私と君のダンジョンなんだから……」
俺は意識を失った。
何故か……彼女の最後の顔は……どこか切なそうだった。