第10話
お久しぶりです。まずはすみません。
投稿が遅れたことをお詫び申し上げます。
これから更新ペースは戻していこうと思っておりますのでどうぞよろしくお願いします((。´・ω・)。´_ _))ペコリ
押し潰されそうなほどの威圧に顔を少し顰めるも、なんとか耐えて部屋に入る。
入ったそこには黒い水晶と半人半龍の……
「…………女の子?」
ただあの黒い水晶から流れ出す威圧のような邪気に邪神であるエキナでさえ少し顔を顰めている。
そして水晶の近くにいる女の子………彼女を見ると何か懐かしいような気がする。
「あの水晶は私の元友人…邪神ロキアスの力の全てです。」
「どうしてそれを俺に?それにあの女の子は?」
エキナがここに俺を連れてきた。
それは何か意図があるからだろう。
「彼女はミスト。邪竜の一種です。今はアユムの従魔」
「………………え?」
今……なんって言った?俺の従魔?
「ここに来た理由はアユム。あなたに彼…ロキアスの全てを引き継いで欲しいんです。彼女はその一つロキアスの従魔。」
「えぇ!?」
行き当たりばったりのエキナだが、今回は事が事だった。
「で、どうやってロキアス?の力を引き継ぐんだ?そもそも、俺なんかがそんな力もらってもいいのか?仮にも邪神様だろ?」
もし邪神の力を貰えたらエナや、魔物のみんなを救えるだろう。
しかしだ、彼…ロキアスはエキナの友人だ。
それを勝手にもらってもいいのか?
そんな思いが頭の中をめぐる。
「アユム。あなたは何も心配しなくていいんです。私はふさわしいと思った人物にこの力を託して欲しいと頼まれました。」
「そうなのか?」
「はい。だからアユムが考えることは、力を受け取るか、受け取らないかです。」
彼女が嘘をついてるようには見えない。
少なくとも俺はついてるようには見えなかった。
彼…ロキアスは彼女…エキナに自分の全てを託した。
そして彼女は俺に力を託そうとしている。
「そんなの断れる訳ないよ。エキナの期待を裏切らないよう頑張ってみる。」
「ふふっ。その言葉を待ってました。でも、期待以上のことをしてくれる事を願います」
その時の彼女の笑顔はエナ、邪神とは思えないほど明るい笑顔だった。
「で、どうするんだ?」
「その水晶に手を触れてください。」
俺はエキナの指示通り、水晶に手を触れた。
ただ邪気が強すぎて集中しないと気絶しそうだった。
「じゃあ始めますね。汝、アユムは今ここに邪神ロキアスの力、記憶、所有物、全てを引き継ぐ。返答は?」
「分かった。」
その時、水晶から出てくる、黒い球体にその場にいたみんなが覆われた。
「……ここは?確か……黒い球体に覆われて………」
「やあ、初めましてアユム君。僕の名前はロキアス。邪神ロキアスだ。エキナも久しぶり」
「お久しぶりです。ロキアス」
エキナは久しぶりの友人に喜ぶように返答した。
「エキナは知っていたのか?」
「いいえ。これでも驚いています。」
「ああ、僕も驚いているんだよ。まさかこっちからそっちに干渉できるとは思ってもみなかった。」
なるほど。嬉しい誤算ってことか…
「まずはアユム君。僕の全部を引き継いでくれてありがとう。僕の力は好きなように使ってもらって構わないよ」
「いや、こっちこそ。エキナもそうだけど、この世界では完全に無力な俺にチャンスを与えてくれてありがとう。」
「ははっ。そう言ってもらえると嬉しいよ。エキナ、サポートしてあげてね。ミストも」
「えっ!?」
そうこの場には俺とエキナ、ロキアスの他に、ミストも居た。
「あなたが新しいマスターですか……………うーん………」
まるで見定めるように俺の隅々まで見るミスト。
あの時感じた懐かしみはなんだったのだろうか。
そう思いながらも俺はまだミストに見定められていた。
「うん。いいですよ。」
「ふぅ」
安心したようにため息をつくとすぐにミストは爆弾を投下してきた。
「その代わり、私のマスターとして色々可愛がってくださいね?」
上目遣いで言うその言葉は卑怯だと思った。
「程々にな。彼女も居るし」
「むむむ、そうですか。………どうやって奪い取ろうかな〜」
最後らへんは全く聞こえなかったがわかってくれたかな?
「はぁ〜ミスト、野心も程々にしなよ?」
「はーい」
イマイチ話の内容が分からないけど、とりあえずまとまったようだ。
「さあ、そろそろお別れの様だね」
「そうか……」
「君とは初めてあった気がしないよ」
「ああ、同感だ」
俺とロキアスは握手をして別れを告げる。
「じゃあね。エキナも惚れてるようだけど頑張ってね」
「な、な、な!何を言ってるんですか!?」
珍しくエキナが慌てたがやはり内容は聞こえない。
「早くしないと取られちゃうよ〜」
ロキアスはそう言い残し、俺たちとロキアスは別れた。




