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第6話 サプライズのそのあと

「瞬、今からファイトねぇ~☆」

晴海からメールが届いた。

本日は月曜日。

この日は「こんにちは、みなさん」略して「こんみん」の収録日だった。

この番組は最近話題のことについてのトーク番組だ。

僕は赤西海斗(あかにしかいと)として番組に参加している。


「ありがとう☆」短く返信をした。


「赤西さん。そろそろお願いします。」携帯をかばんにしまったらスタッフが僕のことを呼びに来た。

「はいっ」短く答えてから楽屋を出た。



「本日もお疲れ様でしたぁーーーー!!」

スタッフの一人が番組の収録を終わったことを告げた。

僕は毎日出演者の中では最後にスタジオを出ることにしている。

出入り口の前で一人一人に挨拶をしてからスタジオをでる。


ガチャッ!


楽屋のドアを開けた。

靴を脱いで上がり、机の上の上にあるミネラルウォーターを一気飲みした。


「はぁ…」ため息を一つつく。

「あっ、海斗君。今ため息をついたね。幸せが逃げちゃうよぉ~」

26歳で、マネージャーの井上まなみさんが言ってきた。

「そんなことないでしょう…あっ!!」

「あらら。携帯の電源が切れたんだね。ため息をついたからよ。」

「いいえ、昨日の夜充電してなかったんです。彼女とディズニーランドに行って帰ってきたの12時ですよ?」

「あれ?海斗君って彼女がいたんだ。意外に優しいのね。」

「あはっ、そうですかね?」

「そうよぉ。私の彼氏なんてちっともかまってくれなくて…」

「それはなんともいえないですね。あっ、充電していいですか?」

「ええ、どうぞ。その間に軽い打ち合わせをしましょう。」

「はい。」


それから2時間。

まなみさんと仕事のことやまなみさんの恋愛相談も受け、自分のことも話した。

結構悩んでいるようですなぁ。


「じゃ、お疲れ様でした。」

「お疲れ様。気をつけてね。」

まなみさんに頭を下げてから楽屋を出た。


局を出て電車に乗っているときに携帯を確認した。

時刻は10時になったばっかり。

まだかけても大丈夫かな…、と思いながらもかけてみることにした。


「プルルルルーーープルルルループル…ガチャ…はい?」

「あっ、瞬だけど電話した?」

「うん。あっ…そ、その…だ、大好き。」

「へ?」

「だから…ってもう言わないよ!!」

「それを言うために電話をしたのか?」

「だって8時には収録終わってるでしょ?」

「そのあとマネージャーと打ち合わせをしてたんだよ。」

「そうなんだ…じゃ、また明日ね。」

「うん。俺も大好きだからね。」

「もうっ!バカッ!」

「じゃね。」

電話を切った。

意味がわからないがでもなんだかうれしい。

多分、今日何かあったんだな。

明日にでも聞いてみようかな。


次の日…


「おはよぉ…」

僕はいつも通り学校では大人しい感じを出していた。

それとは対照的なのは…

「おっっはよぉ~~~!」そう、城ヶ崎晴海。

「あっ、晴海。おはよ~~。ねぇ聞いてよ。昨日『こんみん』のスタジオ観覧に行ったよ!」

「えっ、本当に?どんな感じだった?」

「あの赤西海斗さぁ、結構性格悪いとか言われてるじゃん?でも、絶対そうじゃないことが分かった。」

瞬は一瞬背筋が凍るような感じがしたが、すぐにそれはなくなった。

「なんで?」

「それがさぁ、私、観覧者席に忘れ物してさぁ、取りに行ったわけ。もちろんスタッフと一緒にね。そしたらちょーど出演者がスタジオから出て行くところだったの。そしたら出入り口のところで一人一人に挨拶してて、誰もいなくってからスタジオを出てたのよ。あれは本当の優しさね。」

こう語っているのは自称赤西海斗ファンの黒澤あかりだった。

こういうファンがいるのは正直うれしい。

「えっ?そういうことするんだぁ。じゃ、やっぱりいいやつなんだね」

晴海の言葉に周りにいた女子が同意を示した。


なぜか、晴海の視線を感じたので晴海のほうを見てみるとアイコンタクト会話をした。

「(よかったわね。結構人気で)」

「(あぁ。おかげさまで)」

アイコンタクト会話終了!!


HRの開始を告げるチャイムが鳴ったので会話はそれで途絶えた。



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