第3話 告白
清海に告白されたのは、僕の正体が晴海にバレた1ヵ月後だった。
僕はいつもどおり帰るために玄関の前で靴に履き替えていたときのことだった。
「瞬先輩~~、一緒に帰りませんか?」
「それはいいけど健之助さんは?」
「今日はお姉ちゃんを連れて帰っちゃいました。妹を置いていくなんてひどいと思いませんか?」
「そうだね。」
それから校門までは無言だった。
今考えてみたら、覚悟を決めていたのかと思う。
「あの、せ、先輩。お話してもいいですか?」
「うん、どうかしたの?」
「先輩って、お姉ちゃんと付き合ってるんですか?」どこから仕入れた?
「え、えっ?どこからの情報?」
「うちの学年はみんな知っていましたよ。で、どうなんですか?」
「……」
「やっぱり、本当だったのですね……」
それから一時、下を向きながら歩いていた。
僕は清海のことが気になってたまに様子をうかがっていた。
なんかあまりにも落ち込んでそうだったので、何か悪いことを言ったか空を見ながら考えていた。
気がつくと、何かにぶつかった。
なんだろうと思い視線を下げてみたら……
「き、清海?どうしたの?」道を塞ぐかのように清海が立っていた。
「先輩、好きです。もちろん結果はわかっていますが、これだけは言っておきたかったんです。お姉ちゃんにはかないませんけど……。」
いきなりだった。
普通に困惑してしまった。
「あ、ありがとう。でも、わかってると思うけど俺は晴海のことが好きなんだ。もちろん、清海のことも嫌いじゃないよ。でも、やっぱり、後輩としか思えないかも……ごめんね。」
「は、はい。わかりました。」
ここでこの話は終わった。
なぜなら城ヶ崎家の黒プリウスが清海様のお迎えにきたからだ。
ナイスなタイミングでお迎えに来てくれたことがありがたかった。
それから2ヵ月後、僕たちは先輩たちの卒業式に参加した。
とても悲しかった。仲良くしていた先輩とも会えなくなるなんて…。
でも、そのあと城ヶ崎姉妹と遊びに行くことになった。
何もなければいいのだが……