第1話 自己紹介
僕は伊崎瞬。
中学2年生だ。
しかし、僕は芸能人。
っていうかちょこちょこテレビに出ているだけ。
毎週水曜日7時の「こんにちは、みなさん」というトーク番組にレギュラー出演してるぐらいだ。
同級生も結構見ているらしい。
芸名は赤西海斗。
ある木曜日。
教室に入ったらいつも女子が話していることがある。
「昨日の、こんみん、見た?超おもしろかったねぇ~。しかもさぁ海斗ってやっぱトーク上手いよね。」
「本当だよねぇ~。あの勉強の話はびっくりした!」
「確かに~~!あれはびっくりだよね。しかも、結構笑いも取れてたし…」
いつも女子はこんな感じなのだ。
僕はいつも聞き流すようにしているが、なぜか真剣に耳を傾けてしまっている。
反省点とかも見つかるし…
僕は普段、おとなしいイメージで通っている。
だから、まさか僕なんかがあの赤西海斗とは思われないだろう。
しかし、そうとも限らない。
僕は普段黒ぶちのめがねをかけているのだが、はずしたら赤西海斗になってしまうのだ。
だから極力眼鏡ははずさないようにしている。
ガラガラガラ…
「おはっよ~~~~!」お調子者の城ヶ崎晴海(じょうがさきはるみ)
がやってきた。一応幼馴染。
晴海は結構なお金持ちで登下校は運転手付きの車で、家には執事が3人も…
でも、お金持ちだけど晴海は嫌われていない。
お金持ちという感じを全く出さないからだ。
執事の人にもちゃんと「さん」付けで呼んでいるし、威張ってないし。
晴海には妹の清海もいる。1つ下の学年だ。
そんな晴海の挨拶に周りの女子も普通に反応する。
「あっ、晴海ぃ~~おはよ~~~^^」
「おはよ~~^^」明るくていいのがうちのクラスの女子だ。
「よっ、瞬。おはよ」
「あっ、おはよう。今日も朝から元気だね」
「うん、まぁね。」
僕らは付き合っている。もう1年は軽く過ぎている。
その日は普通に終わった。いつも通りだった。
そして週明けの月曜日のこと。
ある女子が騒ぎ始めた。
「ねぇ、私さぁちょっと気づいたんだけどさぁ、瞬って海斗に似てない?」と言った。
本を読んでいたのだが思わずページをめくっていた手が止まった。すると晴海が
「そりゃないっしょ。あんなに大人しい瞬が?あんなにトークできると思う?」ナイスフォロー!
「そう言われればね。でも、似てるんだよなぁ」その女子はあきらめたようだった。
すごくホッとした。一回は教室から出ようかと思ったのだ。
その日から僕は、いつ赤西海斗というのがバレるのか心配になった。
だからなるべく女子と顔をあわせないようにした。
男子とは思いっきり喋ったりした。
僕の一番の仲良しは隣の2組の猛
である。小学校のときから幼馴染。
猛とは昼休みはほとんど喋ってばっかだった。
猛の恋について聞いてみたり、将来について聞いてみたり。
猛は本当の親友だった。
恐れていた時がきた。ついにばれた…