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CHAOS Break   作者: Dragoon
3/4

第二章

今さっき某レンタルビデオショップから電話が来て『返却日が一日過ぎていたので延滞料金として1300円を一週間以内にお支払い下さい。』と告げられてテンションがガタ落ちのDragoonです。

「CHAOS Break」第二章、お楽しみ頂けると幸いです。

俺は呆然と立ち尽くしていた。

目の前で幼馴染みが誘拐された。

しかも相手は連続猟奇殺人事件の犯人であり、自分が悪魔だと名乗っている。

今すぐ探しに行きたいが奴は得たいの知れない術を使って消えてしまった。

これじゃあ何も手がかりがない。宛てもなく探し回るしかないのか……?

もしかしたら県を出たかも知れない、いや、国を出た可能性もある、そうなると完全にお手上げだ。

「どうしろって言うんだ……。くそっ!」

俺は悔しくてコンクリートの壁を殴り付けた。

拳に血が滲む、だが今は頭に血が昇って痛みを感じない。

俺が困惑していると、

「おい、そこの白いの」

男が恐らく俺であろう名前を呼ぶ。

「あの娘、お前の彼女さんか?」

「なっ! 違う! あいつとはそんなんじゃない……! あいつは……大切な人だ……」

何を言わせるんだこいつは! って言うか何でこんな状況でそんな質問出来るんだよ!

「そうか、まぁそんなことはどうでもいいんだが」

どうでもいいのかよっ!

「で、お前はどうしたいんだ?」

「え?」

いきなり聞かれて言葉に詰まってしまう。

「どうしたいって……」

そんなの決まってる、俺は真琴を、大切な人を、

「……助けたい」

当たり前だ。

「だよな。だけどよ、お前極普通の一般人だろ? そんなやつが悪魔に挑もうなんて結構な勇気が要るもんだぜ?」

「…………」

それもそうだ、俺は剣道を少しやっていたとはいえ、俺の腕じゃあの悪魔に勝てる自信は全くない。

まず、何処にいるのかもわからない、闘う以前の問題だ。

「まだ近くにいるぞ」

男がまるで俺の思考を読んだかのように言った。

「ほ、本当か?!」

「ああ、まだ近くに魔力を感じる。そう遠くへは行っていないはずだ」

でも、もし見つけたとして、俺は奴に勝てるのか?

でも行かなければ真琴が殺される。そうなれば俺は一生この事を悔やむだろう。

「どうするんだ? 行くのか、行かないのか?」

真琴を見殺しにして良いはずがない。

少しでも助けられる可能性があるのならやらないわけにはいかない。

だから俺は、真琴を守るために、

「行く……。行って真琴を助けて見せる……!」

そう答えた。

「良い気迫だ。まぁどっちにしろお前はいろんなことを知ってしまったからな、これから悪魔共に狙われるだろう。だから」

そう言って男は懐からさっき使っていた大型拳銃と、腕の長さくらいの短い刀を取り出し、俺に差し出した。

「そいつ等を貸してやる。そのショートブレード『黒鴉』の強度と斬れ味は普通の短刀とは比べ物にならない。使い方によっては鋼をも軽々と切断する。銃については普通の銃じゃ効き目は薄い、だからその銃は対悪魔用に改造してある。M.R.I.リミテッド社が発案した『Desert Eagle』をベースに『12.7×99mm NATO弾』を無理矢理撃てるようにした『Deadly Mephistoデッドリィ・メフィスト』。もはやハンドカンとは呼べないハンドカンだ。だからマガジンもグリップも銃口も馬鹿みてぇにデカイからもうD.Eの原型を留めていない。勿論かなり重いし、なにより撃ったときの反動がハンパじゃない。」「ちょっと待て! こんなの俺なんかに使えるわけがねぇよ!」

「そうだな、だから護身用だ。いつか使うときが絶対に来る」

なんだよそれ……。

そう思いながらも武器がなくては闘えないのも事実。

「……わかった使わせてもらう」

「それじゃあ手分けして探すぞ、お前は駅周辺を、俺はすこし外れた場所を探す」

「わかった」

そう言って頷くと男は俺に背を向けて歩き出した、と思ったら背を向けたまま、

「お前、名前は?」

そういえば名前、聞いてなかったな。

「……織坂白焔」

「……白焔……。俺は『如月きさらぎ 涼夜りょうや』だ、覚えとけ」

と言って走り出した。

「俺も早く行かなきゃな」

待っててくれ、真琴。


(一区切り)


それは意外すぐ見つかった。

二人は駅から少し離れた人通りの少なく短いトンネルの中にいた。

「真琴!」

俺は大声でその名を呼んだ。

半分は衝動的に、もう半分はシェオルに俺の存在を気づかせるため。

案の定シェオルは俺に気がつき俺を見た。

「あら、また来たの? しつこい男は嫌いよ」

フフッと妖艶に笑い、あの大鎌を取り出した。

「やっぱりあなたから殺してあげようかしら!」

離れた位置から鎌を一振りすると、衝撃波のようなものが俺めがけて飛んできた!

「――ッ!」

当たらないと思った俺は不意を突かれるがギリギリのタイミングで横に転がって回避する。

俺はシェオルに勝てるとは思っていない、相手を牽制しつつ真琴を回収して逃げる、という作戦だ。

シェオルが鎌を構えて突っ込んで来る、そのまま鎌を振りかぶる。

俺はショートブレード『黒鴉』を抜きシェオルの斬撃を受け止める。

刃がぶつかり合い火花が散る。

「――くっ!」

ぶつかり合った衝撃は剣を通して手に伝わる。

想像以上の衝撃で思わず黒鴉を放しそうになるが痛みを堪えて強く握る。

「っこの!」

俺は力ずくで鎌を弾き、そのまま片手で大型拳銃『Deadly Mephisto』を構えてトリガーを引いた。

轟音と共に銃弾が発射される。

しかし銃の反動に腕が負けてしまい弾は在らぬ方向へ飛んでいってしまった。

この至近距離で外すなんて……。この銃、かなり扱いが難しいんじゃないのか?

「フフッ、どこを狙っているのかしら?」

くそっ、ムカツクな。

「――――」

シェオルが早口で何かを呟いた瞬間、シェオルの目の前に魔方陣が出現し、俺はそれを避けようとするが、

「――うっ! ぐあぁぁぁぁっ!!」数本は避けることが出来たものの全ては避けることができず、肩、胸、腕、腹に杭が何本も深々と突き刺さる。

身体中がに鋭い痛みが走り、黒鴉が手から離れてしまう。

「ぐっ、がはっ!」

盛大に咳き込み吐血する。

「ハァ……良い鳴き声ね。もっと鳴きなさい」

シェオルがドSの笑みを浮かべてウットリしている。

激痛のせいでうまく頭が回らないが、倒れるわけにはいかない。

「……はぁ……はぁ……」

俺は朦朧とする意識の中、銃を取り出してマガジン交換するをする。

これが最後の切り札、超大口径拳銃だからこそ出来る芸当。

一発、銃弾を地面に向かって放った。

その瞬間辺りに煙が立ち込める。

煙幕弾スモーク』。

煙を充満させて相手の視界を奪う特殊弾。

「なに? これで逃げようってつもり? 馬鹿みたい、この程度じゃ私の目は――」

これで終わりじゃない、俺は片手で両目を塞ぎ、続けざまにもう一発、

その瞬間、眩い閃光と爆音が放たれる。

これで奴は恐らく視界と聴覚を失った。俺も目しか塞いでいなかったため聴覚を失い何も聞こえない。キーンという耳鳴りだけが続いている。

閃光発音弾フラッシュカノン

スタングレネードと呼ばれる閃光発音筒を改良して銃弾にした。

約100万カンデラ以上の閃光と、1.5m以内に160~180デシベルの爆音を発する特殊弾。

これで奴の動きを封じた、今のうちに真琴を連れ出す!

シェオルに背を向けて真琴に駆け寄った時だった、

「――――」

右肩に何か冷たいものが走った。

そう感じたのも一瞬で、段々肩が焼けるように熱くなって来た。

なんだろう、と思い地面を見てみると綺麗な赤い大きな血だまりが出来ていた。

段々聴覚が回復してきて耳を澄ますと、右耳からシャーッというシャワーのような音が鳴っている。

もう一度目を凝らして地面をよく見ると、



俺の腕が落ちていた。



そこまで来てようやく何が起こったのか理解できた。



俺の腕が斬られた。



途端に激痛が襲ってきた!

「――――――――――――――――――――――――――――――」

俺は声にならない叫びを上げる。

げきつうで何も考えられない。

あたまのなかがまっしろになっていく。

「――――」

うしろでおんなのひとがなにかいっているのはきこえるがそれがどういうげんごかわからない。

おわった。

このまましぬのか。

このまましぬのか?

このまましんだらまことがころされる。それでいいのか?

もっとちからがあればまもれたのに。

ちからだ。

ちからがほしい。

すべてをまもれるちからがほしい。

そうすればこまらなくてすむから。

まもるべきものをまもるためにちからを――――!

「――――――――――」

その瞬間。



視界が真っ白に染まった。



視界が戻ったときには、トンネルが崩落し、辺りに瓦礫の山が出来ている。なのに俺は、無傷。

右腕もちゃんと付いている。

「…………」

辺りは瓦礫と炎に包まれていた。

炎。

それは見慣れた紅蓮の色ではなく、普通ではあり得ない純白の炎。

それは風になびくウェディングドレスの様に美しくも、揺るぎなき灼熱の炎は瓦礫の山を溶岩のようにドロドロに溶かしていく。

俺は刀を握っていた、真っ白な日本刀。

刀身は緩やかな反りを持ち、『鋒両刃造(きっさきもろはづくり、ほうりょうじんづくり)』になっている。

俺の右手の甲から肘辺りにかけて青い亀裂のような模様が何本も刻まれている。

シェオルは瓦礫の下敷きになっていた。

まだ生きているみたいだ。

シェオルが顔を上げて俺を見た。

「き、貴様……。そんな、まさか……」

「…………」

こいつは連続殺人事件を起こし、そしてなにより真琴をさらって殺そうとした。

許してはいけない罪。

シェオルとの距離は10m近くある。

俺は刀を構えた、使い方なんて分からない。

ただ念じるだけ。

すると、刀を純白の炎が包み込む。

「物語の終わりは、新しい物語の始まりでもあるんだ。俺はその新しい物語一ページを今、めくってやる!」

そう言い放って、俺は刀を振り下ろした。

純白の刧火が刀から切り離され、巨大な炎の渦となって地面を溶かしながらシェオルめがけて突き進む。


視界が真っ白に染まった。


To be a continue

「CHAOS Break」第二章、いかがでしたでしょうか。

うーむ、なにを書けばいいのかわからないのでちょっと注意事項。

白焔が肩を斬られてから全て平仮名になっていますがあれは仕様です!

「プププ…、うp主変換忘れワロスwww」とか思った人、残念だったな!(笑)

すみません、今回もこの小説を読んで頂いた方、本当にありがとうございました。

次章も読んでいただけると幸いです。


それではまた第三章でお会いしましょう。

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