表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/36

白の世界

少し書き溜めてますが、最初なんで数話くらい更新します

なにもない、果てのない白の世界。


俺はその空間で、誰かと向かい合っていた。




靄に覆われたその人物は輪郭こそ見えるが、顔も声も、どこか現実感を欠いている。


夢の中のような存在感だ。だが確かに「次元が違う」と感じさせる圧があった。




「俺は――――だ!」


迷いなくそう答えた俺に、相手は鼻で笑った。




「ははっ……言うじゃないか」




靄の向こうの声は冷ややかで、どこか愉快そうだった。




「だがそれは、現実を知らぬ子供の戯言だ。お前がその言葉を“本当に”貫けるかどうか……見ものだな」




挑発するように、わざとゆっくりと言葉を突きつける。




「そんな理想、すぐに折れる。恐怖や絶望を前にしてなお、お前はその言葉を守れるのか?」




胸の奥がざらつき、反論しかけたその時――相手は大仰に両腕を広げ、声を張った。




「いいだろう。じゃあ――賭けをしよう」


「賭け……?」


「ああ。面白いだろ? こういうのはどうだ」




淡々と語られる条件。理解しきれぬまま相槌を打ち続ける。




最後に、そいつはふっと笑った。




「ただし、このやり取りはお前の記憶から消える。覚えていたら賭けにならないからな」


「……それもそうですね。いいですよ」




自分でも驚くほど、俺は即答していた。




「お前がもし――――になれたとき、もう一度会おう。そのとき、すべて返してやる」




声は愉快そうに響き、やがて白に溶けていった。


次の瞬間、俺は現実へと叩き落とされた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ