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15 お兄様が怖いです

 「お前たち、ミアから離れろ」

お兄様は怒りのあまり敬語が抜けている。わたしは慌てて間に入った。

「お、お兄様、これは少し事情がありまして」

「ほう?ミア、下がってろ。今こそ王国一の剣術の腕を披露してやる」

お兄様が腰から剣を抜くのを見て、わたしはまあいっか、と勝手に結論付ける。マーリクト殿下には冷たくされたし、アレックス殿下は訳分かんないし。マーリクト殿下が父である国王に何か告げ口しても、きっとお兄様が怖すぎて何も言わないだろうし。文鳥もらえるって期待したのに裏切られたし。

「お兄様は本当にお強いですから。お兄様に敵う方は大陸中を探してもいらっしゃらないでしょう」

わたしはふふっと笑って王国コメンテーター科の宿題に戻る。ちなみに内容は毎回変わるのだが、王国コメンテーターになったときの演習を紙に書く、というものだ。宿題に取り組むわたしの後ろでは男3人組が言い合いを繰り返している。と言っても、お兄様の圧がすごくて殿下2人ともへっぴり腰だ。お兄様の噂は近隣諸国にも広まってるだろうから、アレックス殿下も知っているんだろう。

「アウローラ公爵!私たちは、妹御と話がしたかったのだが、城に呼び出してもきっと来てくれないと思ったから、鳥になって訪れたんだ!」

なるほどね。城に呼び出してもお兄様に行くのを止められるし、屋敷に正式に来ればお兄様に追い返される。っていうかどっちもお兄様関連。

「ほう。だが、未婚の令嬢の部屋に無断で入って良いのか?」

そうだよね。わたしこれでも未婚の令嬢。しかも公爵家の。わたしが密かに頷いていると、お兄様がもう一度言葉を発した。

「では、二対一で剣の試合をするのはどうだ?もしも俺が勝ったら国王陛下に直訴するが、ないとは思うが俺が負けたら何も言わないでやる」

すごい展開。剣の試合するなら見学しようかな。

「分かった、アウローラ公爵。受けて立とう」

マーリクト殿下がそう言い、アレックス殿下が頷く気配がする。どうやら、剣の試合をすることに決まったらしい。でも、殿下たちよく考えた方が良いと思う。もし、仮に殿下たちが勝ったとしよう。お兄様は何も言わないと言ったけど、あのお兄様が何もしないなんて有り得ない。もっと他の方法があったかもしれないのに、確実に国王陛下にチクられる選択肢を取ってしまった殿下たちの哀れなことだ。

 諸事情により、この作品は一時休止とさせていただきます。申し訳ありません。

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