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#14 もうひとつのラウンジ会

夕食会が終わり、ナーグドラ王国の一行はゲストハウスに戻った。


造船村の領主本邸ラウンジ。

父上、兄上、ぼくの3人でお茶を楽しんでいる。

タツミ家では、夕食後にラウンジでくつろぐ時間は家族だけで過ごすが、よその貴族は違うらしい。執事が控え、メイドが軽飲食を準備し、場合によってはその家に従う貴族と協議する場だったりするとか。


「ベルンハルト、お茶のいれ方が上手くなったな。飲めるぞ」


「なかなか酷いことを言いますね、兄上。ぼくが手伝いはじめてから、まだ1カ月経ってないんだから。」


茶葉とお湯の量やお湯の温度、葉によっての蒸らし時間が違ったり、それがまた季節でも変わるとか言われるとひとつの技術だと気づいた。

今までは、ラウンジでは家族が、普段はメイドがいれてくれていたのを「ありがとう」と飲んでいたけど、その「ありがとう」が1ランク上がった。


昨日まで3人の時間が合わなかったけど、やっとラウンジで、3人だけで話せる時間ができた。

母上と妹のマリサが居ないけど、「だから今日、大事な話をする」と父上が言っていた。



「ナーグドラ王国のみなさんは、どんな感じなのですか?言葉も通じているし、肌の色と顔つきが少し違うとは思いますが他に違うところはありますか?」


兄上は小学校に通っているし、学校が終わってからは造船所や技術街、近隣の村などで勉強したり剣や魔法の練習に忙しくしていて食事の時間以外はあまり会えない。


「ナーバダ公爵家、ヴィーバラ公爵家のニール様、共に考え方はうちに近いな。

 フィリップは俺と何度か王都に行ったが、王都に居た貴族をどう思った?」


父上が問うと、兄上は少し考えてから答えた。


「えらそうでしたね。従者や自分より位の低い貴族に怒っている貴族を良く見ました。

 父上やお爺様から聞いていた通り、考え方が違う貴族が多いと思いました。」


「領主は領民や配下の貴族を守るから生活できる。領主以外の貴族は、領主や王を助けることで生活できる。それを考えないからあんな態度が取れるんだ。他にもいろいろあるが、それは次にしよう。


 意識するほどの違いは無いな。

 今回のゲストたちは、タツミ家に考え方が近い。

 貿易でナーバダ領に行っている担当者たちから報告を受けていて、そう思った。タツミ領よりもあちらの方が領土が広くて領民も多いから、ウチほどは管理しきれないのはしょうがない。アレックス・ナーバダ公爵は共に発展したい相手だと思った。ちょうど船を欲していたから「買わないか」と持ち掛けた。

 実際に会ってみて、予想にかなり近かったな。

 まだお互いに様子をうかがってはいるが、今回の交渉は成功すると思う。


 だからと言って、向こうの他の貴族が同じとは限らない。

 それはこのエイバラーン王国と同じだ。


 見た目は我々と少し違うが、肌の色は南のモナエージュ公国の者たちも黒いぞ。

 何より、人見知りのベルンハルトがあれだけ仲良くなったんだ。」


「ぼくが可愛い女の子と仲良くなったからって、からかわなくてもいいじゃない」


「ディーシャさんに限って言ってないぞ、従者も含めた一行のことだ」


父上はそう言うと、2人でぼくをニヤニヤ見てきた。

父上までぼくをからかってきた。似た者親子め。

しかも、父上の少し散らかった説明を兄上は理解しているようだ。話題を変えてやる。


「では、なぜナーグドラ王国のナーバダ公爵にだけ船を売るのですか?

 トラキラギア連合国とかモナエージュ公国の方が貿易している年数は長いですよね?」


「どっちも信用できないからだな。

 連合国は、お前たちの母ステファニアの実家であるカデーロ公爵領に近いし、公国は、公国よりその南に接する国々が不安定であやしいらしいから。公国自体は、今のところ良好な関係だけどな。

 で、ナーバダ公爵家は間に連合国があって、更にそこからエイバラーン王国の領海に入っても一番遠いいんだ。こちらを攻める意味が無い。タツミ領以外のエイバラーン王国の街を攻めるとしても、中型船が3隻なら迎撃できる。こちらの船を買って真似しようとしても、すぐに同じ船は造れないだろうな。そのころにはウチの船も武器ももっと性能が上がっているぞ。それに万が一不安なら、シャムーコリ州から飛竜部隊を派遣してもらう。

 今のは王に説明したのと同じ話だよ。」


なるほどなー。きっとそれだけじゃなくもっと細かく調べたりしてるんだろうけど、兄上とぼくがわかりそうな説明にしてくれたんだろうな。


「話は変わるけど、いいんですか?スーパーリヤカーを見せてしまいましたけど」


あんな最新技術のかたまりを見せてホントに良かったのかな?と思っていたので聞くと、

父上は「俺がシェイラに使うよう言ったんだ」と言う。わざと見せたってこと?


「あれは研究中だからまだ売れないし、もし売ってくれと言われても値段をきいたら買わないと思うぞ。まあ売らないけどな。「すごいだろ?」って見せただけだ。

 馬車は貴族のステータスだから、あの最新式を少し劣化版にして渡しても充分向こうでは力を誇示できるだろうから必要だ。けどスーパーリヤカーは、あれば便利だし応用も利くけど、マネは技術的に難しいし、こちらから大量に買っても値段に見合うほどの運用は出来ないだろうな。

 タツミはまだまだ発展する。取引を増やしたい、続けたいと思ってもらえればいいんだ。」


父上とお爺さまは考えることも行動も面白い。

2人と似た兄上もそうなるんだろうな。


「ところでフィリップ、今日は大事な話がある」

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