散髪とお風呂
ライル達は自宅に到着した。ライルの自宅は中央区と東区の境目にあり比較的治安が良い場所になる。所謂住宅街であり住んでいる冒険者の数は少ない。ライルが此処に居を移したのはほんの2週間前であり、金貨300枚で購入した平屋建てである、ライルとタマが住むには十分な広さがあり風呂とトイレも魔道具が付いていて快適な環境になっている。
ライルが鍵を開けタマと一緒に家の中に入る。
「タマ、疲れてない?」
「うん、だいじょうぶ」
「まだ晩御飯には早いし先に風呂入っちゃおっか」
「にいちゃといっしょ?」
「うん、一緒に入ろっか!」
「はいるー」
風呂にお湯を張る間にタマの着替えを用意する、カーラの店で買った下着とワンピースの部屋着だ。ついでにハサミを用意する、タマの髪を切り揃える為だ。
「タマ、お風呂入る前に髪の毛切るよー、切り揃えるだけだから怖くないからね」
「にいちゃのいうとおりにするー」
「じゃあ服脱いでね、服だけで下着はそのままね」
タマの服を脱がせて庭に出る、囲いがあるのでタマの姿は隠れてる。椅子を用意しタマを座らせると髪に櫛を入れ髪を切り始める。ハサミを入れる度にくすぐったそうにしてるタマ。
「くすぐったいかい?、直ぐに終わるから我慢してね」
「にいちゃ、だいじょうぶだよ」
猫耳に気を付けて髪を切っていく。
「こんな感じでどうかな?、我ながら上手く出来たと思う」
タマに鏡を見せながら聞いてみる。
「にいちゃがやってくれたのがうれしい!」
どうやら髪型はどうでも良いらしい。ライルが髪を切ってくれたのが嬉しいようだ。タマの髪型は肩で切り揃えられ前髪は眉毛(タマに眉毛は無い)より上で切り揃えられている。
「タマ、このままお風呂行こうか、家入ったら直ぐに下着脱いでね」
「うん」
タマの脱いだ下着を籠に入れてくライル、そのまま自分も服を脱ぎ籠に入れていく。タマと一緒にお風呂場に入る、魔道具から出ていたお湯は勝手に止まっている。タマを洗い場に座らせてまずは髪を洗う。
「タマ、目を開けたらだめだよ」
「うん」
「少し息を止めててね」
タマの頭にお湯を掛ける、それを数度繰り返す。
「次は顔洗うね」
石鹸を泡立て顔の毛に馴染ませる、顔全体を揉む様に洗っていく。
「苦しくない?」
「んーんー!」
喋れないようだ。
「顔にお湯掛けるから息止めてね」
顔の泡を流す、すると息を止めてたタマが「ぷはー」と一息吐く。そのまま身体を洗っていく、前はタマ自身に洗わせてライルも自分の身体を洗っていく、そして2人の身体をお湯で流し湯船に入る。
「どう?、気持ち良い?」
「うん、きもちいー!」
風呂に浸かったタマの頬を撫でながらライルが言う。
「これからも一緒にお風呂入ろうね」
その言葉を聞いたタマがライルに抱き付いてくる、。
「にいちゃすき…だいすき」
タマが絞り出す様な声で言う、感極まったのかそのまま泣き出すタマ。ライルはタマの頭を撫でながらタマを安心させるように言う。
「俺もタマが好きだよ…大好きさ」
タマが中々泣き止まないので抱き抱えて風呂から出る、風呂を出てタマの身体を拭き服を着せる、タマの手を引き寝室へ、ベッドの上にタマを座らせ宥める様に背中をさする。
「タマ…大丈夫だから、俺はずっとタマと一緒に居るからさ」
「…いなくなったりしない?」
「しないよ、ずっと一緒だよ」
タマがライルに笑顔を見せる、どうやら落ち着いたようだ。ライルはタマをベッドに寝かせてタマの手を握る。
「少し疲れただろ?、晩御飯に起こすから少し寝ようか」
「にいちゃもいっしょに…ねる?」
「タマが寝るまで見てるから…ね」
安心したのかタマはすぐに眠りにつく、タマの手を握ったままのライルは手を離す機会を逃していた。
評価や感想など頂けると嬉しいです




