DからCへ
「皆さんおはようございます」
水の日の朝、ライル宅前にはミシェル達女性陣がライルを待っていた。
「ライルさんおはようございます」
それぞれ挨拶を交わし冒険者ギルドへと歩き出す、途中アリトも合流し皆一緒にギルドに到着する。時間は朝8時過ぎ、ギルド内は混雑する時間を過ぎ割と空いている。ライル達は上級カウンターに行きマリに声を掛ける。
「マリさんおはようございます、昇格の手続きに来ました」
「はい、皆さんおはようございます、奥の部屋で手続きします。こちらへどうぞ」
マリに案内され奥の部屋に通されるライル達、部屋には簡易的な机と椅子が用意されている。マリが今回Cランク帯に上がるメンバーに席に座る様に促す、机の上には書類が置いてありマリが各メンバーに書類を配布する。
「皆さん、お手元の書類を見てください。冒険者としての常識やルールが書かれてます、冒険者として守らなければいけない事などですね。ですが肝心なのは最後の項目で"有事の際には冒険者ギルド、または領主の指揮下に入り協力しなければならない"これが重要になります。これらを承諾出来るのなら最後に署名をお願いします」
マリの説明にアリトが質問をぶつける。
「これは戦争の際は国に協力しろと言う事でしょうか?」
「いえ、違います。主体は国ではなく冒険者ギルドです、何らかの理由で冒険者ギルドが機能しない場合に領主が指揮すると言う事です」
マリが補足する。
「署名しないと罰則とかあるの?」
ルーシーが質問する。
「昇格出来ないだけです」
マリが簡潔に答える。
「有事とは何に対しての事でしょうか?」
ミシェルの質問。
「色々含まれますが元々は魔物の氾濫に対しての規定です、ですのでCランク帯からの適応になるのです」
一応皆納得した様で書類に署名していく、各自署名し書類がマリによって回収されて行く。書類を確認したマリが皆に告げる。
「これでアリトさん、エンナさん、ハマナさん、ルーシーさんはC−に、ミシェルさんはCに昇格です」
マリの言葉にホッと息を吐く一同、嬉しさより安堵の方が上回ったようだ。
「皆さん昇格おめでとうございます」
ライルが笑顔で祝福する、だがミシェルにはライルの笑顔がニヤついてる様に見える。ミシェルの直感が何かを囁いている。
「昇格祝いに良い依頼があるのですが皆さん受けてみませんか?」
ライルは笑顔のままだ。
「どんな依頼なんですか?」
アリトがライルに質問する。
「簡単な護衛依頼ですよ、少し日数は掛かりますが他の街を見る良い機会ですよ」
「商人の護衛ですか?」
「似た様なものですね」
エンナの質問にライルが答える、ミシェルがマリを見るとくすくす笑ってる。
「ライルさん、何か隠してますね」
ミシェルがライルに指摘する、それに対しライルが笑顔で答える。
「わかります?まぁ冗談ですよ。あっ依頼の話はホントですよ」
「「「「「?」」」」」
皆少し困惑気味だ。
「依頼主は僕、または領主様になります。まだ確定では無いですが多分領主様が依頼主になりますね」
「ライルくん、それじゃわからないわよ」
マリが指摘する。
「説明しますと僕に領主様から指名依頼が来てます、配達の仕事なんですが日数掛かるのでタマを連れて行こうかと。そこでタマの護衛をアリトさん達に頼めないかと思いまして」
ライルの説明にアリト達が相談を始める。暫く話し合うとアリト達はライルに告げる。
「ライルさん、その話お受けします」
アリト達の決断は早かった、ライルへの信頼の証だろうか。
「細かい話はギルマスに調整してもらってます、決まり次第報告しますね」
ライル達が話を纏めていると部屋にギルド職員が入って来る、何か持って来たようだ。マリがそれを受け取りアリト達に配る。
「それが新しいギルドカードになります、無くさない様にお願いします」
それぞれが新しいギルドカードを手に取り見詰める、昇格を実感した様だ。
「僕が言うのもなんですが、皆さんの昇格は異様に早いですよ。皆さんの年齢でCランク帯なんて稀ですからね」
ライルの言に皆の顔が引き締まる。
「ライルさんのお陰です、ありがとうございます」
皆がライルに頭を下げる。
「今日はこれからどうしますか?」
ライルがアリト達に問う。
「危なく無い階でオークを狩ろうかと思います」
「では先に昨日の成果を換金しましょうか、20階のボス回収してありますから」
マリに案内され皆で換金の為倉庫に向かう。
ミシェルは思う、皆驚くんだろうなぁと。
案の定皆はライルの獲物に目が点になってるのであった。




