冒険者ギルドで
ガルタのダンジョン都市、そう呼ばれる街の東地区に冒険者ギルドはある。その東地区の中で北エリアと呼ばれる場所にある冒険者ギルドは周囲の建物と比較してかなり大きく敷地も広い。その冒険者ギルドの前にタマを背に乗せたライルが立つ。
「タマ、ここがにいちゃんの仕事場の冒険者ギルドだよ」
「おおきいねー」
タマを背負ったまま入り口から中へ入る、ギルド内は昼食時とあって閑散としている。ライルはホールを抜け受付カウンターに向かう、途中何人かの冒険者とすれ違うがやはりタマは視線を集める。だが珍しい獣人の子供を背負ってるのがライルと判ると皆目を背けるか愛想笑いに変わる。
受付に到着してライルはカウンターの奥に居る人物に声を掛ける。
「マリさん、ギルマスは居ますか?」
「ライルくん、こんにちは、ギルマスなら食事に出てるわよ」
「まぁそうだよね、帰るまで待たせてもらいますね」
ライルがホールの座席に向かおうとするとカウンターからマリの声が掛かる。
「いやいやちょっと待とうかライルくん!」
「どうしましたマリさん」
首を傾げるライルにマリが突っ込む。
「いや、その背中の子はどうしたの?、つか獣人だよね?迷子?人身売買?ライルくんが悪い道に進んでく!?」
一息に捲し立てるマリをライルがジト目で見つめる。
「昨日から一緒に住んでるタマだよ、保護したの」
今朝から何回目になるのか、マリに経緯を説明する。
「タマちゃんのことは判ったわ、でも未成年が子供を保護するってのは難しいんじゃない?」
「わかってるよ、だからギルマスに会いに来たんだ」
「ギルマス?」
「そう、役所に行く時にギルマスに一筆書いて貰おうと思ってさ」
ライルはギルマスから一筆を貰い自身のBランク帯のギルドカードを合わせて自己の証明としタマの保護を認めさせようとしてるのだ。
「あっ、忘れた、ギルドに依頼出したいんだった、マリさん依頼の申請書貰えるかな」
「あら、依頼出すの?」
「タマに先生つけたいんだ、読み書きに一般常識なんかをね。それと冒険者なら何かあった時の守りにもなるし」
「あら、意外と過保護ね、でも獣人だと色々心配にもなるわね。はい、依頼の申請書」
ライルは申請書を受け取り記入する為タマを降ろそうとしたが…
「寝てる…」
「話が長かったかなぁ、代筆しようか?」
「うん、お願い、依頼内容は5歳の女の子への読み書き及び常識を教える家庭教師、条件は子供に優しく出来る女性、報酬は1日銀貨2枚、要面接、ってな感じかなー」
マリが依頼内容を書き込んで行く、書き終わりライルに確認してもらいながらライルに質問する。
「獣人ってのは書かないんだ?」
「面接で人柄確認してから告げようかと思って」
「まぁ、銀貨2枚なら間違いなく人は集まるでしょう、宿のランク問わなければ1週間は泊まれる金額だし」
良い人が見つかれば良いなーとライルが考えていると「ギルマスが戻って来たみたい」とマリが伝えて来る、奥を見ると確かにギルマスが見える。マリがギルマスを呼び止める。
「ライルくんがギルドマスターに話しがあるみたいですよ」
ギルマスが近寄って来る。
「どうしたライル?」
「ちょっと個人的な話があるんだけど良いかな」
「じゃあちょっと奥行こうか」
ギルマスに促され1階奥に向かうライルとタマ、これからギルマスとの話し合いが始まる。
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