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不動産



 日の日の午後、元々予定の無い行動ではあったが急遽不動産屋に行く事になった一同である。


「アリッサちゃんごめんね、不動産屋なんて詰まらないでしょ」

 ライルはアリッサに謝るがアリッサは「いえ、色々勉強になって面白いです」と笑顔で返す。


「アリッサちゃんも良い子だねー」

 と後ろでルーシーが呟いてる。そうアリッサは良い子なのだ、性格は素直で人を立てる事も出来て器量も良い。そのためアリッサはモテるのだが本人は色恋に疎いので自分がモテてる事に気付いてない、アリトも同じで兄妹で勿体無い事である。


「着きましたよ、此処です」

 不動産屋に着いたようだ、ライルが先頭で不動産屋に入る。


「すみません、相談があるのですが」

「いらっしゃいませ、おや、ライルさんじゃありませんか」

 中に居た店員がライルに気付き声を掛ける。


「ガレドさんお久しぶりです」

 ライルが店員に声を返す、どうやら顔見知りのようだ。ライルは女性メンバーをガレドに紹介し経緯を話す。


「そんな訳で僕の家の近くで良い物件ないですか?」

「ありますが全て一月金貨3枚以上になりますよ」

 ガレドが心配そうに答える、若い女性達に金貨3枚は大金だ。


「支払いなら大丈夫です、冒険者としてしっかり稼げてますので」

 ミシェルが自信あり気に答えると他メンバーも頷く、ガレドはライルに視線を移す。ライルも自信あり気にガレドに頷く、それを見たガレドは安堵した笑顔でミシェル達に告げる。


「何件か条件に合う物件があるので見学してみますか?、気に入った物件あれば直ぐに契約も出来ますよ」

 ガレドの申し出に女性陣は乗り気だ、アリッサまで興味深気に話を聞いている。


「ライルさんのお宅から近い物件順に案内してもらって良いですか?、近ければ近い程良いのですが」

 どうやらミシェルが仕切るようだ。


「では歩きでよろしいですか?、ご案内致します」

 ガレドは店員に後を任せライル達と店を出る、店を出るとガレドの案内で貸し物件へと歩き出す。少し歩くとタマの様子が気になるライル、今タマはルーシーとエンナに手を繋がれている。ライルはタマに近寄り声を掛ける。


「タマ、眠いたい?」

 ライルに聞かれタマは首を左右に振る。


「んーん、だいじょうぶだよ」

 とタマは答えるが瞼が重そうだ。


「私がおぶってあげようか?」

 エンナが申し出る、だがライルがそれを制しタマに優しく声を掛ける。


「にいちゃんがおぶってやろうか?」

 タマはライルとエンナの顔を交互に見て「にいちゃがいい」とエンナに申し訳なさそうに答える、エンナは「振られちゃった」と笑いながらタマの頭を撫でる。ライルは「さあおいで」とタマに背中を向けてしゃがむ、タマはライルの背に張り付きライルにおぶってもらう。少し歩くとライルの首の後ろからタマの寝息が聞こえて来た、それを見てルーシーがまた羨ましそうな視線をライルに向けている。


「こちらの物件になります」

 どうやら到着したようだ。ガレドが案内した物件はライルの家の北側、南側が入り口のライル宅に対して直ぐ後ろだった。近所付き合いの薄いライルは後ろが空き家だったのも知らなかったようで驚いてる。


「南側がライルさん家なんだ」

 なんだかルーシーが嬉しそうだ、タマとアリッサとの距離が物理的に近くなったからだろう。


「こちらの物件は数年前まで割と裕福な商人が暮らしてました、お年を召して生まれ故郷に帰られる事になり空き家となりましたが定期的に掃除などしておりますので即日入居可能です」

 屋敷と言う程では無いが中々広い家だ、個室が2階に4部屋と1階に2部屋。他に広い寝室や台所、広々としたリビングにお風呂も付いている。女性陣は目を輝かせて色々と見学している、皆気に入った様だが問題は金額だ。


「月に金貨5枚となります」

 思った程高くはないが安い金額でもないと皆が真剣に悩む中ガレドが付け加える。


「正直言って借りるよりも購入された方が良いと思いますよ、土地家屋込みで金貨880枚。ライルさんが保証人になって頂けるなら10年の分割払いでも構いません、どうでしょうか?」

 皆が一斉にタマを背負ったライルを見る、ライルは苦笑しながら皆に聞く。


「どうしましょうか?」

 女性陣がサッと部屋の隅で円陣を組む、何故かアリッサも加わっている。待つ事5分、話し合いが終わった様だ。


「「「「ライルさん!」」」」

 女性陣からの一斉の呼び掛けにビクッとなるライル。


「一生懸命働きます!」

とエンナ。


「恋愛や結婚の予定ありません!」

 とルーシー。


「目指せAランク!」

 とハマナ。


「との事です」

とミシェル。


「「「「保証人になって下さい」」」」

 パーティ組んでるだけあり息が合っている女性陣、そして空気なアリト。


「構いませんよ」

 あっさり言うライルに女性陣も少し戸惑うが徐々に喜びを大きくしていく。


 一人頭金貨220枚の借金を背負った瞬間である。





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