力不足
朝、アリア親子とミシェルを迎え入れるライル。いつもの様にそれぞれが役割に就く、授業の準備をするミシェルにライルが話し掛ける。
「昨日はどうでしたか?」
「遣り易かったですよ、前のパーティより良い感じでした」
「探索後の酒場はどうでした?」
「酒場では…盛り上がりましたよ…主にライルさんの話題でですが」
どうやらライルを肴に親睦を深めたようだ。
「話題を提供出来たのなら良かったです、少し早いですが僕は出掛けますね、後はよろしくお願いします」
皆に出掛ける旨を伝え家を後にする、ギルドに到着し酒場に向かう。酒場の中には既に皆揃っている、皆かなり早く来ているようだ。
「おはようございます、皆さん早いですね」
密かに一番乗りを狙っていたライルである。
「ライルさんおはようございます、皆8時には皆来てますよ、早めに来て打ち合わせや情報を集めてます」
とアリト。
「ライルさんのお陰で精神的に余裕が出来て夜はよく寝れるようになりました、朝早い分には全然大丈夫です」
とハマナ、因みにダンジョン入り口は24時間開放されていて一番混むのが朝7時頃だ。
「私は遅くても全然構わないんだけどねー」
とルーシー。
「私は酒場で朝飯食べてるからそのまま合流してる」
とエンナ、酒場も24時間開いている。
「では本日の予定ですがダンジョン地下5階と6階で戦闘訓練となります、戦闘に関しては先日話したように個人課題をこなしてください。それとアイテムボックスへの収納は本日無しです」
一部から非難の声が上がる、ルーシーとかエンナとか。
「承知しました、安全を優先するのですね」
とアリト、昨日の一件をアリトも危惧してるようだ。その他色々と打ち合わせてダンジョンに向かう。
ダンジョンで順番待ちしてるとライルに多数の声が掛かる、声は掛かるが相変わらず内容は"回収屋"絡みだ。だがライルは「来週か再来週には再開出来るかも知れませんよ」と答える、その答えにアリト達は気を引き締める、ライルは再来週までにボスを突破させる気だと気付いたからだ。
ライル達の順番が回って来た、ライル達は素早く地下5階に進む。地下5階にて新しい陣形を試す、斥候ハマナを先頭にアリト・ルーシー・エンナの順番で陣形を組む、後方からの襲撃にエンナが対応する形だ。本日はライルの存在を無いものとして行動している為人数が少ない。
斥候のハマナが戻って来た、前方に敵を発見したようだ。
アリトとハマナが会話をする、ルーシーとエンナも加わり相談は終わったようだ。
「強襲します」
アリトが短く言う、ハマナが短剣から弓に持ち帰る、ルーシーは呪文の詠唱に入りエンナが盾を構えて突進する準備をしている、後はアリトの号令待ちだ。
「行きます!」アリトが先頭に駆け出すと同時にルーシーが眠りの魔法を発動させる、魔法が効いた敵の先頭集団にアリトが斬り込むと後ろからエンナが追い付く。エンナが盾を構え盾を剣で打ち鳴らす、その音に反応して敵後方のアーチャーやメイジがエンナに攻撃する。再び呪文を唱えるルーシーを護衛しているハンナが弓で敵前衛を狙い矢を放つ、アリトに攻撃しようとする敵を上手くハマナの矢が牽制してる。アリトが前衛を片付けた頃にはルーシーの呪文も完成し敵アーチャーに火の矢が降り注いでいた。メイジを相手していたエンナも上手く距離を詰めメイジを切り裂いている。連携が上手くいきすんなり全滅できたようだ。
「素早く素材回収するぞ」
アリトの指示で素材の剥ぎ取りが始まる、と言っても討伐部位と魔石位しか取る物も無い。
「中々良い出来だったと思いますよ、このまま回数重ねましょう」
ライルから良い反応が返ってきた事に自信を持つ一同、兎に角戦闘を重ね経験を積んでいく。そして頃合いの時間になり地上に戻ることにする、今回は階段を登って普通に地上に出る。
地上に出てライルの有り難みを実感する一同、とりあえず買取りカウンターへ向かう。カウンターでは倉庫に案内される事も無くそのまま査定される、金額もすぐに出て全部で銀貨9枚と大銅貨4枚。
「一人頭銀貨1枚と大銅貨5枚でどうだろう?、のこりはパーティ貯金で」
アリトが仕切る、皆も不満は無いらしい、不満はないが疲労が酷く早く休みたいが本音だろう。
やはりライルとミシェルの存在は大きいようで各自力不足を感じての帰宅になったのだった。
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