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よしよし



 査定も終えこの場は解散となる、アリト達はミシェルとの親睦を兼ねて今後の打ち合わせをするようだ。ギルドの併設酒場に行くとの事なので「何かあれば僕の名前出して良いですよ」、とライルが付け加える。

 ライルは帰り道お菓子屋に寄りパウンドケーキとクッキーを買う、家に居る皆へのお土産だ。少し多めに購入し店を出る、お土産を買える事に喜びを感じてるライル、家に待ってる人が居るのが嬉しくて仕方ないのだ。

 自宅に到着し扉を開けて中に入るライル。


「ただいま」

「にいちゃおかえりー!」

「おかえりなさいライルさん」

 タマとアリッサが迎えてくれる、奥からアリアも顔を出し「おかえりなさいませ」と迎えてくれる。


「これ買って来ました、持って帰って皆さんで召し上がってください」

「あらあら、アリトもお世話になってるのに何時もすみません」

 アリアはライルの気持ちを察してるのか素直に受け取る。


「ライルさん、タマちゃん凄いんですよ、私達の名前完璧に書けるようになりました!」

「おぉ、凄いなタマは」

 ライルはタマの頭を撫でながら褒める。タマははにかみながら紙に名前を書いていく。


「これがにいちゃでこれがアリッサおねえちゃん、んでこれがアリアさん、ミシェルせんせーどうかな?」

 ぎこちなくライルに紙を見せるタマ、紙を見たライルはタマを抱き上げ目一杯タマを褒める。


「凄いよタマ!俺が5歳の時はまだ文字なんて書けなかったんだからタマはすごい!」

 タマははにかんでライルにしがみ付いている。


「そう、タマちゃんは凄いんだよ、これからも勉強頑張ろうね」

 アリッサがタマを褒める。


「アリッサちゃんもタマの勉強見てくれてありがとうね、今度何かお礼するから期待しててね」

「そんな、気にしないでください、好きでやってますから、それに私タマちゃんのお姉さんですから!」

 そう言って胸を張るアリッサ、アリッサを招いて良かったとしみじみ思うライルであった。

 因みにこの世界で紙は流通している、高値ではあるが色々な種類が出回ってる、印刷技術もガリ版印刷程度のものはある為本もそれなりに流通している、高値ではあるが。

 アリア達親子がお土産を持って帰宅する、ライルとタマは食事を済ましお風呂に入ってる。何時もの様にタマの身体を洗ってやるライル、何やらライルの顔をチラチラと覗くタマ。


「タマ、どうかしたの?」

「んーん、なんでもない」

 タマの態度を怪訝に思うライル、何かタマにしたんだろうか?何か嫌われる様な事をしでかしたのだろうか?とライルの頭の中に不安が募る、だがタマから悪感情の類いは感じない。気のせいかとライルは自分を納得させる。


「タマ、湯船に浸かろうか」

 「はい」とタマが両手を上げる、ライルはタマの脇に手を入れてタマを持ち上げる。持ち上げたままタマを湯船に浸からせる、ライルも湯船に入り肩まで浸かる。タマはライルの首にしがみ付いて肩まで浸かる、そして2人でゆっくりと20まで数える。


「もうでていい?」

「そうだね、出ようか」

 タマを湯船から出してやるライル、脱衣場でタマの体を拭いてやる、ライルも体を拭き2人で寝巻きに着替える。リビングに行きお茶を淹れて水分補給する2人、飲み終わるとタマがソファに登りライルの正面を見て座る。


「にいちゃ、ここ、ここ」

 タマが自分の太股をぺしぺし叩いてる。


「ん?、どうしたの?」

 ライルの質問にタマは太股をぺしぺし叩きながら言う。


「にいちゃ、かおをここにおいて」

 どうやら太股に顔を置けと言うことらしい。疑問に思いながらもライルはタマの太股に顔を下にして頭を置く。するとタマが「よしよし」と言いながらライルの頭を撫でてくる。

ライルは硬直する、どうして良いか分からなくなる、その間もタマは「よしよし」とライルの頭を撫で続けてる。

 ライルは気恥ずかしい気持ちを抱くが心地良さの方が勝る、このままこうしていたい気持ちも強いがなんだかタマに申し訳ない気持ちもある、ライルは顔を上げタマに声を掛ける。


「タマ、ありがとうね」

「にいちゃ、もうだいじょうぶ?」

 何かタマに心配されてたようだ。


「何かタマに心配掛けたのかな?」

タマは少し考え言葉にする。


「なにかにいちゃこまったかおしてた」

 ライルは考える、困った事?何かあったか?んー?と考えダンジョンでの事を思い出す。

 自分の油断でパーティを危険にさらした、確かに瞬間的には自己嫌悪したがその事をタマは察したのか?。


「タマは凄いね、俺自身が気付かない事に気付くなんて」

 ライルはタマの頭を抱く、そのままタマの頭を撫でながら「凄い」「凄い」とタマを褒める。そのままタマを抱き上げて寝室へと向かう、タマを優しくベッドに寝かせ自分もタマの横に寝る。お互いに「おやすみ」と言い明りを消して目を閉じる。


 今夜はよく寝られそうだと思いながらライルは眠りに落ちるのだった。





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