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買い物


 胸の上の重みで目が覚める、自分の身体の上に子供が乗ってる。昨夜のことを思い返し(あぁ、タマ拾ったんだった)と思い出す、タマはライルの胸の上で寝息を立てている。このまま寝かせておいてやりたい気もあるが起こすことにする。


「タマ、起きようか」

「・・・」

 反応が無い、揺り起こそうと背中に手を置くとビクッとタマの身体が跳ねる。


「なに?」

 タマが頭を上げ周囲を警戒する素振りを見せる。


「タマ、俺がわかるかい?」

 タマがライルの顔をじっと見る。


「にいちゃだ!」

「そう、にいちゃんだよ」

 ライルはタマに優しく微笑む。


「タマ起きれるかい?」

「おきる」

 タマはベッドからゆっくりと降りるとライルを見上げる、ライルの目をじっと見つめ何か言いたそうにしてる。


「タマ、どうしたの?」

「あの、あのね・・」

 何か言い掛けるが言葉にならないようで伏目がちになるタマ。何となくタマの気持ちを察したライルがタマに語りかける。


「大丈夫だよ、タマは明日も明後日も、その後もずっと此処に居てよいんだよ」

 タマはライルを見上げて不安そうに聞く。


「いいの?」

「良いよ、さぁ、顔洗おっか」

 魔道具を使い洗面器に水を入れる、タマが使い易いように椅子の上に洗面器を置き顔を洗わせる。


「朝飯食べたら買い物行くからね、タマの服とか買いに行こう」

「たまおかねないよ?」

「大丈夫、全部にいちゃんが買ってやるから」

「にいちゃ、ありがと!」



 ライルが作ったスープと昨夜買った屋台の串肉で朝食を済ませ出掛ける準備をする、準備と言ってもライルのシャツを着て靴の無いタマを抱き上げるだけだが。防犯用の魔道具を起動して鍵を閉めて家を出る、出掛ける店はライルが出入りする服屋。ライル自身が成長途中でありつい最近まで子供服を着てたのでその服屋なら顔見知りなのだ。


「この店でタマの服を買うよ、隣に靴屋もあるから丁度良いしね」

 タマを抱きながら店に入る。

「カーラさん、おはようございます」

「あら、ライル、おはよう」

「この子の服を見繕って欲しいんだ」

「どうしたのこの子?」

「タマ、あいさつしような」

「たまだよ、おはよう」

 カーラがライルの抱いてるタマの顔を覗き込む、顔を見た瞬間ピクリと表情が変化する。


「ライル…この子…」

「うん、獣人だよ、珍しい先祖返りのね」

 カーラが困惑した顔でライルを見る。


「カーラさんの言いたいことは分かるよ、このアルトメルク国での獣人差別、奴隷解放から20年経っても差別が残ってるのはね」

「ライル、この子の面倒見るんだね?、でも色々大変だよ、差別もだけどこの街には獣人が居ないから聞いて育てることも出来ないし」

「大丈夫だよ、俺が守るし獣人については本読んで勉強するから」

「まぁ、あんたなら大丈夫かぁ、んで服はどんなのが良いんだい?」

「お任せするよ、下着に靴下、服は5セット程あれば良いかな」

「古着?新品?

「新品で」

 カーラがタマに服を見繕うため場を離れる、するとタマが、ライルに聞いてくる。


「じゅうじんってたまのことだよね、たまきらわれてるの?」

「大丈夫だよタマ、にいちゃんが居るからな!」

 カーラが大量の服を持って戻ってきた。


「成長しても良いように少し大きめの選んできたわ!」

 ワンピースから短ズボンまで色々ある。


「おばちゃんが服選んで着せてあげるから奥行きましょうね〜」

 とタマが手を引かれて奥に連れてかれる。


「タマも俺と同じようにおもちゃにされるのかな〜」


 と買い物は進んで行く…




 

 

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