ミシェル合流
ライルは帰り道屋台に寄る、皆へのお土産を買う為だ。屋台の中でも高額な甘いクレープを買う、前にタマに買ったヤツだ。包んで貰いアイテムボックスに仕舞い帰りを急ぐ、自宅に戻り扉を開け中に入る。リビングに入ると皆が出迎えてくれる。
「「おかえりなさい」」
とミシェルとアリッサ。
「おかえりなさいませ」
とアリア。
「にいちゃおかえりー!」
とタマ、ライルは着替えて手と顔を洗いリビングに戻る。
「皆さんにお土産です」
とライルはクレープの包みを取り出す、それを見てアリアがお茶を淹れに行く。包みをを開けたタマが「ほわー」と声を出す、ミシェルとアリッサも喜んでるようだ。
「これ、このあいだにいちゃがかってくれたんだよ」
とニコニコしているタマ、そんなタマの頭をライルが撫でてるとアリアがお茶を運んで来る。
「それじゃ皆で食べようか」
アリアも席に着き皆でクレープを食べ始める、タマはライルの顔を見上げながら「おいしいねー」ととても嬉しそうだ。ミシェルとアリッサもニコニコと食べている、そんなアリッサとタマを眺めながらアリアも微笑んで食べている。そんな中ミシェルが今日の事を聞いてくる、ライルは今日の事を説明しながらアリアとアリッサに言う
「アリトさんはかなり有望な方ですね、初日なのに現場でリーダーとして動いてましたよ」
「それはライルさんを差し置いてですか?」
少しアリアが怖い。
「いえ、僕が指示しない場面での話です、それ以外の場では僕を立ててくれてました」
とライルがアリトをフォローする、「そうですか」とアリトが押し黙る。
「お兄ちゃんはライルさんの役に立ったんですね」
とアリッサが嬉しそうだ。
「皆さん有望な方なんですね…」
とミシェルが少し遠い目になる、しかしこれにライルは口を挟めない、何故ならライルはミシェル実力を"知らない"のだ、マリなどから話は聞いているが実際には目にしてない。
だから実はライルも不安なのだ、実力の確認をしないでパーティメンバーを集めたライルも大概であるが。
「ミシェルさんも明日には合流するんですから仲良くやっていきましょう」
「頑張ります!」
とそのまま今日の勉強は終了しダンジョンでの話になる、タマはライルの膝の上に乗って終始ご機嫌だ。アリアとアリッサが帰り3人で晩御飯を食べてるとミシェルがライルに質問してくる。
「私、パーティでやって行けるのでしょうか?」
不安気な様子で聞いてくるミシェル、以前のパーティの事もあり不安が募ってるようだ。
「大丈夫ですよ、僕が何とでもしますから」
ライルとしてはかなりミシェルを気に入っている、雇い主として友人としてタマの教師としてもだ。だからライルはミシェルの為なら多少の無理はするつもりだった、そんなライルの言葉にミシェルは少し安心したのか食事を続ける。そしてミシェルも帰って行く、タマと2人っきりになったライルは何気なくタマに呟く。
「人間関係って難しいね、ミシェルさんもまだ一度しか会った事のない人達を気にしすぎなんだよね」
「ミシェルせんせーはいいひとだからだいじょうぶだよ」
タマの言葉にライルは「そうだね」と返しタマを抱きしめる、するとタマが「にいちゃはもっといいひと!」と言う、この可愛い生き物をどうすれば良いのかと悶えるライルであった。
次の日何時もの時間に家に来たミシェルを連れてギルドに向かうライル、ミシェルはいつもの私服と違い冒険者装束だ。初めて会った時に着ていた服に杖を装備したミシェルは緊張しているようでガチガチだ、そんなミシェルを連れてギルドの併設酒場に到着する。既に他メンバーは揃っている。
「皆さん、今日からパーティに合流するミシェルさんです、参加は隔日になりますがよろしくお願いします」
ライルからの紹介、ミシェルも自分からも話したいと一歩前に出る。
「先日も自己紹介しましたミシェルです、歳は16、ランクはDで皆さんより少し先を歩んでいます、ですが一言皆さんに申し上げたい事があります」
そう言うと深呼吸を始めるミシェル、そして息を大きく吸い込むと言葉を放つ。
「私とライルさんを比べるのだけはやめてください!、私は普通の冒険者です、普通のD級です、普通の娘です、期待されても応えられませんしライルさんみたいな無茶は出来ません、皆さん、私の事は普通の冒険者として扱ってください、お願いします!」
と、頭を下げるミシェル、頭を上げるとさっきまでの緊張は何処に行ったのかスッキリした顔をしている。
やはりミシェルはミシェルであった。
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