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地下9階へ



「皆さんは成人してから冒険者になったのですか?」

 とライルが質問すると皆が頷く、アリトは働くアリアの代わりに妹のアリッサの面倒を見ながら自己鍛錬と勉学に励んでいたらしい、他の3人は地方から出て来た為に冒険者になるのが成人後になったようだ。成人前からスキルが発現してたのはルーシーだけで、他の皆はガルタのダンジョンに入りスキルが発現したらしい。ガルタや近くの生まれなら12歳から冒険者になる者が多いが地方出身だとガルタに来るのが成人後になる場合が多い、これもあって彼ら彼女らが他パーティに馴染めなかったのかも知れない。


 今は地下6階、既に結構な回数戦闘を行なっている。今はゴブリンの上位種に各自慣らしている状態、ライルの指示もありまだ皆に大きな怪我は無い。


「そろそろ下に降りましょうか」

 とのライルの言葉にハマナが「宝箱も探したいです」と答える、宝箱の開錠をしたいのだろう。


「下の階に宝箱のよく出る小部屋があります、階段からは離れますが行ってみますか?」

 ハマナが頷く、皆も賛成なようだ。戦闘を繰り返しながら地下8階を目指す。


 地下8階、この辺りになると人が減る、通り過ぎる冒険者は多いがE級の冒険者はかなり減る。歳若いE級冒険者は地下1階から4階までで経験を積み、良い装備を買う為にお金を貯める。その下積みを終えた者が地下5階から下に降りるのだ。


 ライルの指示に従いハマナが先行して行く、慎重に偵察し魔物の気配を探るハマナ。そして偵察結果を持ち帰りアリトと相談して魔物を急襲するか誘き寄せるか決める、ここまで来るに自然とアリトがリーダー的な立ち位置に収まっている。ライルの指示に従い道を進むと突き当たりに扉が現れた、ハマナが早速扉に近寄る。中の気配を伺い扉に耳を当て音を聞く、扉を少し開け中を伺う。手で大丈夫と合図を送るハマナ、皆が追い付くのを確認してゆっくりと扉を開ける。


 中は小部屋で中心に宝箱が置いてある、ハマナはライルを見る、ライルはハマナに頷く。ハマナは慎重に宝箱に近付き宝箱を確認する、宝箱を見回したハマナは懐から開錠道具を取り出し鍵穴を覗く。慎重に道具を選び鍵穴に差し込んでいくハマナ、少しづつ道具を動かしていると"カチリ"と音がした、開錠されたのだ。


「開きました、ライルさん、確認お願いします」

「僕の確認はいらないでしょ、皆さんで確認してください」

 ライルの言葉を受けてアリト・エンナ・ルーシーがハマナを見る、ハマナが頷き宝箱を開ける。宝箱の中には3本の瓶が入っていた、覗き込んだライルが言う。


「低級の回復薬ですね、買取は1本大銅貨5枚でしょうか」

「販売してるのは銀貨1枚ですよね、売値は大体半分なんですね」

 とアリト。


「初めて宝箱開錠出来ました!、上の階だと争奪戦激しくて…」

 とハマナ。


「このままこの部屋で食事休憩しますか、丁度良い時間ですよ」

 とライルが言えば皆が自分の荷物から食料を取り出す、皆干し肉や黒パンだ。それを横目に見ながらライルがアイテムボックスから鍋に入った湯気の立つ温かいスープとパンを取り出す、呆然とそれを眺める4人。ライルは器とスプーンも取り出し皆に配る、4人は相変わらず呆然としたまま容器を受け取る。


「各自でよそってくださいね、パンもご自由にどうぞ」

 最初に正気に戻ったエンナが「良いんですか!」と容器に大量にスープをよそう、パンも片手に2個掴んでいる。他の皆も正気に戻り器にスープをよそっていく、食べながら口々に「これがアイテムボックスか….」とか「便利ねー」とか言っている。皆満足するまで食べられたようでライルに「ご馳走様でした」と言っている、


「この食事だけでもライルさんとパーティ組んだ甲斐がありましたわね」

 とルーシーが言えば皆も頷く。


「さて、次は地下9階ですね、戦闘しながら階段目指しますか」

 とライルが言えばハマナが早速先行する。


 戦闘をこなしながら地下9階への階段のある場所に辿り着く。


「さて、次は地下9階になりますが9階から敵が一段強くなります、一際気を付けてくださいね」

 誰かが息を呑む音が聞こえる。


「では行きましょう」


 皆で階段を降りる。


 いざ、地下9階へ。




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