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アリッサ



 朝早くからタマは起き出してソワソワしている、今日アリアの娘が来る為だ。顔を洗い朝食を食べた後もどこか落ち着きないタマ、実はタマは不安で仕方ないのだ。ライルの居る手前不安の言葉は出さない、ライルを信じるタマである。


「タマ、怖いかい?」

 優しくタマの頬に触れながらライルが言う。


「にいちゃといっしょだからだいじょうぶ」

 気丈に答えるタマ、そんなタマを思わず抱きしめるライル。そんな時にチャイムが鳴る、玄関の扉を開けるとアリアと女の子が立っている。アリアの娘だろう女の子は髪色と目の色がアリアによく似ている、目はアリアよりも更に穏やかな雰囲気を醸し出していて髪型は肩口で切り揃えてある。


「アリアさん、早いですね」

 まだ時間までは15分は早い。


「娘と一緒なので少し早めに来ました、こちらが家主のライルさんです」

 女の子は姿勢を正しライルに挨拶する。


「アリアの娘のアリッサです、よろしくお願いします!」

「ライルです、こちらこそよろしくね」

 和かにアリッサに挨拶を返す、挨拶を済ますとライルは2人を中に通す、アリアに聞いてたのか土足厳禁にも驚かないアリッサ。リビングではタマが座って待っている、ローテーブルの対面にアリアとアリッサを座らせライルもタマの隣りに座る。するとタマがライルの服を握ってくる、大分緊張してるようだ。緊張したタマを見てアリッサが先に挨拶してくれる。


「タマちゃんだよね、私はアリッサ、アリアの娘です、仲良くしてくださいね」

 笑顔でタマに挨拶するアリッサ、ライルに促されタマも緊張しながら挨拶する。


「たまです、よろしくおねがいします!」

 元気良く挨拶出来たタマはライルの顔を見上げる、ライルはタマの目を見て頷く、瞬間タマが笑顔になる。そんなタマを見ていたアリッサがそわそわした様子でタマに聞く。


「タマちゃん、隣り行っても良いかな?」

 タマが一瞬強張りながらも「うん」と答える。アリッサはタマの隣りに座りタマの顔を覗き込むと笑顔でタマに頼み事をする。


「タマちゃんのお顔触っても良いかな?」

 その場に居るライルとアリアは頼み事の内容にギョッとなる、タマはその内容にも拘わらず「いいよ」と返す。


 アリッサは少し緊張した様子でタマの頬に手を伸ばす、指先がタマの頬に触れるとそのまま優しく頬を撫でる。


「やっぱりタマちゃんの毛って柔らかくて気持ち良いね、もう少し撫でてても良いかな?」

 タマが「ん」と返事するとアリッサは手のひら全体でタマの頬を撫でる、アリッサの左手はタマの右手を軽く握ってる。その様子を見たライルとアリアはホッと息を吐く、その瞬間家の呼び鈴がなった。


 今度はライルとアリアがビクッとなる番だった。


アリアが玄関を開けると予想通りミシェルが立っていた、アリアはミシェルを中へ招く。


「皆さんおはようございます」

 ミシェルが挨拶すると1人知らない返事の声がする、ミシェルが知らない声に視線を移すと知らない女の子が座ってる。即座に知らない女の子に声を掛けるミシェル。


「君がアリアさんの娘さんだね、私はミシェル、君の家庭教師にもなるよ、仲良くしてね」

 ミシェルがアリッサに目線を合わせて挨拶する、アリッサもミシェルの目を見て挨拶する。


「私はアリアの娘でアリッサと言います、10歳です、ミシェル先生これからよろしくお願いします!」

 アリッサの言葉にミシェルが蹌踉めく、何か衝撃を受けたようだ。


「私、初めて"先生"って呼ばれましたー!」

 そういえばタマにはお姉ちゃん、って呼ばれてたなーとライルが思っているとタマが「せんせーってよんだほうがいいの?」と聞いてくる。


「タマがこう聞いてますがミシェル"先生"どうしますか?」

「お姉ちゃん呼びも捨て難いのですが先生呼びの方が嬉しいかも?」

 と身体をくねらせながら答えるミシェル。


「タマ、ミシェルさんは先生って呼ばれたいらしいよ」

「じゃあみしぇるせんせーってよぶねー」

 

 とミシェルの呼び名が決まった瞬間だった。






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