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日常



 翌朝、本日は家庭教師の日、何時もより早い時間にミシェルがやって来る。


「本日から御相伴に与ります」

 と頭を下げるミシェル。


「同席ありがとうございます」

 とライル、挨拶さえ済ませば後は和気藹々と朝食は進む。食べ終わった後の食器は皆で流しに運びライルが洗う、ミシェルとタマは授業の準備をしつつ会話を楽しむ。ライルはそんな2人の様子を見ながらミシェルを食事に誘って良かったと思う。ライルが洗い物を終えた頃ミシェルとタマの授業が始まる、まずは前回までの復習をするようだ。


「タマちゃんはこの前習った文字を覚えてるかな?」

「だいじょうぶ、たまおぼえてるよ」

 とスラスラと文字を書いていくタマ。

「おー、凄いねタマちゃん!」

 ミシェルの教育は褒めて伸ばす方針のようだ、ライルはそんな2人の様子をソファに座り眺めてる。タマの文字を書く音とミシェルの優しく教える声が心地良い。2人を眺めていたら直ぐに時間は過ぎてお茶休憩の時間だ、ライルはお茶の準備をし2人をお茶に誘う。


「タマの調子はどうですか?」

「タマちゃん覚えが良いですよ、記憶力が良いですし良い生徒です」

 タマが褒められてニヤけるライルである、13歳にして親馬鹿全開だ。お茶を飲み終わったタマがライルの隣に座る、体を擦り寄せて甘えてくる。そんなタマの頭を撫でるライルにミシェルが聞いてくる。


「ライルさんは若いのに知識もあれば言葉使いも丁寧ですよね、何処で習ったのでしょうか?」

「僕の場合家庭教師ですね、8歳で働き始めてからの収入で家庭教師を雇いました、マジックボックスのお陰で収入は良かったので複数人雇い教えを受けました、その内の1人は僕の"師"と言って良い方で大変親身に僕の世話を焼いてくれました」

「今もその方から教えを?」

「いえ、その方はお亡くなりになったので…」

 少し気まずい空気になる、ミシェルが「すみません」と頭を下げるとライルは「構いません」と笑顔で返す。


「だからタマにも家庭教師を付けてやりたかったんです、家庭教師の人格が生徒に影響すると身を持って知ってますから」

「私で良かったのでしょうか?」

「選んだのがミシェルさんで正解だったと思ってますよ、タマも懐いてますし、タマ、ミシェルさんの事好きかい?」

「おねえちゃんのことすきだよ」

 ミシェルの顔が赤くなる、それを見たタマがミシェルの前に歩いて行きミシェルの手を握る。


「おねえちゃんだいじょうぶ?」

 ミシェルはタマの頭を撫でながら「タマちゃんは優しいね」と涙目で言う、人の優しさに弱いミシェルである。


 休憩も終わり授業を再開するミシェルとタマ、タマは色々教わるのが余程楽しいのか授業に集中している。そんな2人を眺めながらライルはミシェルとのパーティについて考える、別にミシェルと2人でのパーティでも構わないのだがミシェルの回復スキルを鍛えるなら他にもパーティメンバーを入れるのが正解なんだろうな、と思うライルだがミシェルと同ランクの知り合いが居ない、最低でも戦士系・斥候・魔法職の3人は欲しい所だ。それにミシェルの男性不信の事もある、慎重に行かねば。とか考えてたらお昼になる。


 お昼を食べて休憩に入る、お昼休憩の後は算数の授業だ。タマは数字の書取りと数字の数え方などを教わる、だがタマの瞼が段々と下がってくる、そこで授業を中止してお昼寝休憩に入る。お昼寝休憩は大体1時間程取るのでその間にパーティの話をミシェルにする。


「ミシェルさん、僕とパーティ組む話なんですが」

「はい、どうしましたか?」

「2人でパーティ組んでも良いのですがミシェルさんの能力を伸ばす為にも他の人をパーティに加えようかと考えてます、ミシェルさんとしては如何ですか?」

 ミシェルは少し考えて言葉を使う


「ライルさんが良いと考える方でお願いします」

「では人を加える方向で行きたいと思います、出来るだけ女性を選ぶようにしますね」

「そんなに気にしないでも大丈夫ですよ」

 とミシェル、ライルが思う程には気にしてないようだ。


「では明日ギルドで募集掛けますね」

「はい、お願いします」

 

 タマが目覚め授業を再開、寝起きにもかかわらずタマは集中して勉強していく。そして授業が終わりの時間になる。


「オークでシチュー作ったので食べてくださいね」

 とライルが夕食の準備を始める、ミシェルも「手伝います」と、ライルに聞きながら食器の準備をする。シチューを食べながらミシェルはタマにスプーンの使い方を優しく教える、タマもそれに倣ってスプーンを使っていく。


 食事を終え休憩してからミシェルを送って行く、ミシェルは恐縮していたがライルは散歩のついでと言い張りミシェルを送る。タマはライルとミシェルの2人と手を繋ぎご機嫌な様子、人の多い時間だが視線は前程感じない。周囲もタマに慣れて来たのかもしれない。


 ミシェルの宿はライルの自宅から10分程度の場所にあった、中央区寄りなだけあり治安は良さそうだ。


「ライルさんのお陰でこの宿に引っ越せました」

 とのこと。家庭教師の賃金が役に立ってるようだ、ライルとしても嬉しいのでミシェルが更にお金の余裕が出来るように餌付け?して行こうと思った。


ミシェルを送り届けタマと2人での帰り道、ライルはタマをおぶっている。タマがライルの首に手を回しながら耳元で「にいちゃすきー」と囁く様な声で喋り掛けてくる、ライルも「にいちゃんもタマが好きだよー」と囁く様にタマへと語りかける。


 タマとライルは互いに笑い合い自宅に帰るのであった。





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