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#7 GW(ゴールデンウイーク)-戯れ編

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、小説、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね...?

#7 GW(ゴールデンウイーク)-戯れ編


ゴールデンウィーク初日。お台場にやってきた6人。


食事が終わり、ようやく園内で遊ぶことになった僕ら。

ここ、東京エンジョイパークはお台場一の室内型アトラクション施設である。


「どれに乗る?!そうだ、ジェットコースターに乗る人ー!!」

混み合う園内で、とても大きなリアクションで僕らを呼ぶおばさん。

今度はおばさんがいちばん騒いでいる...。


「や、やっぱり元気ですね...」

若干疲れ気味の水野さん。それに対し、美歩は、


「ちょっと悪ぃ。自分、おばさんとジェットコースター乗ってくるんで

藍のことよろしくっす。」


人混みを抜け、おばさんのほうへ行ってしまった。


「どうするんだい?僕らは...☆」

やれやれと言わんばかりこちらを見る山村。


「どうする、と言われても...なあ、姉ちゃん?」

と、姉のほうを振り返ってみると、姉は...


「ふわああーっ!!こ、これは...!!

エーテルちゃんの期間限定グッズだぁー!!

え?!す、すごい!!ポップアップストアまでやってるー!!

わああ、どうしようどうしようどうしよう!!」


「え、えー...てる???」

さっぱり分からん、という顔の山村のために軽く説明してあげた。


「あー、姉が今ハマってるゲームの人気キャラクターだよ...」

そしてついでに姉の離脱も確認できた。


「いいよあのままで...せっかくだし3人で何か...乗ってみよう、か...?」

...と、姉のことは置いていこうとしたが、


「ダメです!お姉さんをひとりで置いていくなんて...!

私、お姉さんのところに行ってきますっ...!」


水野さんが姉のところへ走っていった。

ちょっ、、と呼び止めようと思ったが、山村に止められた。


「まあまあ、これでちょうど2人ずつになったことだし。

僕らは僕らで遊ぼうよ、友☆」


------------------


そんなわけで、2人一組で園内を楽しむことになった。

絶叫系が苦手な山村のために、僕はメリーゴーランドを選択した。


「おお、これなら怖くないねぇ。さすが友だ☆」

そういえばいつから僕のことを友と呼ぶようになったのだろう...

馴染みすぎて今まで気にならなかったのにな。


続いてシューティング系の協力型アトラクションに乗った。


「すごい、まるで弾を撃っているようだよ、友!!」

そりゃあシューティングゲームだからな...

でもこんなに楽しそうな山村の顔ははじめて見たかもしれない。


最後に操縦系のアトラクションにも乗った。


「うわあああ、本当に運転している気分だなあ、友!!!」

操縦系のアトラクションなんだからそりゃそうでしょうよ...

しかし感想の最後には必ず友、と叫ぶ山村に、僕は少し嬉しくなっていた。


------------------


あっという間に時間が経った。

気がつけば外は日が暮れ、閉園時間が迫っている。

僕らは入口で他の4人と集合し、ゆっくりとそれぞれ語り合う。


「いやー、楽しかったねー!」

嬉しそうに話すのは、大量の袋を持った姉と水野さん。

あれから結局ずっとあのストアをうろうろしていたらしい。


「まさかこんなところでエーテルちゃんに会えるなんて嬉しい!!

うふ、うふふふふ...」

しかし結局、園内のアトラクションには一度も乗っていないのだから驚きだ。

姉はともかく、水野さんはそれで楽しかったのだろうか...


「翔くんのお姉さんとお揃い...私、幸せ...!ふふ、ふふふふふ」

全然楽しんでそうだった。


「いやージェットコースター楽しすぎだろ。もう喉がカラカラ...」

今度は美歩が口を開く。


「本当よー、もう何十回乗ったのか分からないわー...」

おばさんも感想を述べる。...ん?何、十回...??

それはそうと、僕も負けじとみんなの会話に混じる。


「こっちはこっちで楽しかったよな、山村。」

「そうなんだよ、友!!まず、馬に乗っていたり

シューティングゲームをしたり、運転までしたり!!」


こっちじゃなくて4人のほうを見て言え。


「あはあはあは、みんなそれぞれ楽しかったみたいでよかった!」

さて、と園内から出て車に向かおうとするみんな。すると...


「わあああ!!きれい!!」

そう言って飛び出していった姉のほうを向くと、そこに現れたのは

大きく広がる大都会、東京の夜景だった。


「本当ね。すっごく輝いているわぁ...。」

あまりの美しさにうっとりするおばさん。


パシャ、パシャ。

「全然うまく撮れねえや。なあ藍、自分の代わりに撮ってくれない?」

なんだか楽しそうな美歩。


「ええ、写真に撮ることは悪くないけれど、

こうしてしっかり目に焼き付けたほうがいいと思うよ...美歩?」


そういえば珍しい。

水野さんが美歩に話しかける姿を、僕は今まで見て来なかったかもしれない。

などと、それぞれ楽しむみんなの様子を見ていると、


「ねえ。僕と一緒に撮らないかい、友?」

山村が話しかけてきた。


「うん、わかった。」


パシャ。


こうしてみんなとの思い出が増えたゴールデンウィークの初日。

姉の提案のおかげでみんなと(主に山村と)仲良くなれたんだな。

そんなことを思ってもう一度姉のほうを見てみると...


「うわあ!!しまったー!!夜景を撮るのに夢中で、

エンジョイパークの入り口を撮るの忘れてたー!!

まだ明かりはついてるよね?!でも今更間に合うかなーー!!」


無慈悲にも、ちょうどそのタイミングでガシャン、と音を立てて消える

エンジョイパークの明かり。


「しまったぁぁぁ...」

本気で落ち込む姉。

僕はちょうど、夜のエンジョイパーク入り口を

撮っていたことを思い出した。


「ほ、ほら。これ。ちゃんと撮ったから安心しろ。」

姉にその写真を見せて慰める僕。


「翔ぅっー!!大好きっ!!」

いきなり半泣きで僕に抱きつく姉。

動物園に行ったときを思い出す。


「だからやめろって!!もう!!」

姉を追い払う僕に対し、あはあはあはと笑いだすみんな。

とても恥ずかしくなった。


「く、クラスでは絶対内緒にするんだぞ!!」

思わず口調が強くなってしまった僕。


「大丈夫さ、ベイベー。僕は君の友なんだからね☆」

お前がいちばん心配だよ、山村。


「こ、こんなに癒される瞬間...私、立ち会ってよかったのでしょうか...」

恥ずかしそうに、さらに申し訳なさそうに話す水野さん。


「よくあることっすよ、翔。自分もよく姉に抱きつかれてたし。」

さらっとしているが、少し照れくさそうな感じも見受けられる美歩。


「ほらほら。イチャイチャしないの。もうそろそろ帰るよ。

忘れものはないね?」


おばさんが声をかけると、はあい、と歩き出すみんな。

まったく、なんてところで抱きついてくれたんだ、姉の美月よ...!!

こんなことなら写真を見せるんじゃなかった、と、ひとり後悔していると...


「羨ましいな、君とお姉さんのことが。」

「は、はあ?!」

まだ恥ずかしさが残る頃、山村が話しかけてきたので

若干キレ気味になってしまう僕。


「だって、、兄妹でああやって抱きついたり言い争ったりできるん

だからな...☆」


なるほど、やはり山村はただの寂しがり屋なのかもしれない...。

そう考えているうちに、さっきまでの恥ずかしさは

心の中で愛へと変わっていく僕だった...。


続く...?


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える日常系作品を作りたくて、楽しみながら文章を書いています。

気軽に見てもらえると嬉しいです(^^♪



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