#64 修了式
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#64 修了式
3月下旬、修了式。
ついに1年生最後の日が訪れた。
体育館に集合する1年生と2年生。
「えー、皆さん1年間お疲れ様でした。
あっという間に1年が経ち、皆さんは次の学年へと進むこの時期....」
---そして校長先生の話は過去一の長さだった...。
その長さは教頭先生に止められるほどに...
「こ、校長先生...すみませんが、時間が押しているのでその辺で...」
「おや、もうそんなに話をしましたか。すみませんすみません。
では、最後にひとつだけ...」
...ここからさらに15分かかった。
---
予定時間を大幅に過ぎた昼。
今年度最後のLHRが行われる。
「お疲れ様だ、みんな!!えー、今日の校長の話の内容の長さの確認の...」
「先生すごいっす、初の100分越えっすよ!」
何をしているんだ、この2人は。
「おう!みんな大変だったな!」
途中から半分寝てたけどな。
...そして福岡先生もやってくる。
「皆さん、1年間お疲れ様でした。
私は皆さんの副担として一年間担当させていただきましたが...」
おいおい、まさかまた長い話が始まるのでは...?!
すると厚木が対応してくれた。
「福岡先生、すみませんが校長先生の話で皆疲れているので...」
「おっと失礼...」
福岡先生の照れる姿にみんな笑っていた。
「こ、これ!先生の照れ姿を笑うなんてなんと失礼な...!」
怒っているというよりも照れ隠しな口調だった。
「よしよし、みんな、まずは通知表返すぞー!」
---
LHRが終わった放課後。
今日は正午で帰れるはずだったのに、気がつけば14時を回っていた。
山村と幸佳は校門で待たせ、
他のみんなが帰ったあと水野さんに話しかける。
「あ、あの...これ...」
この間、噂事件のせいで渡せずにいたチョコレート。
「これからもよろしくな、水野さん...」
すると水野さんはとても照れていて、
「あ、ありがとう、ござい、ますぅ...」
チョコを受け取ると同時に僕の手まで握っていた。
これにはさすがにドキッとした。
「あれー、いいんっすかー?美里愛にバレたりしたら...」
先に帰ったはずの美歩が話しかけてきた。
「み、美歩っ!!先に帰ってるって約束したのに...!!」
僕の渡したチョコをバッグに隠し、慌てている。
「大丈夫大丈夫。近くには自分しかいないっすから。」
「そういう問題じゃないーっ!」
また美歩のことをポコポコと叩いている水野さん。
...そうだ、美歩にもあるんだった。
「あ、あの...美歩、にもある、から...」
そう言ってバッグからチョコを取り出す。
「いいんっすかー?ありがとうっす!」
2人にチョコを渡すことができてよかった。
---「お疲れ、友。」
水野さんと美歩も一緒に校門のところに行くと、山村と幸佳の他に、このはや
池戸、誠に岩田くんまでいた。
「み、みんな揃ってるな...」
「岩田くんが翔くんと一緒に帰りたいっていうから僕も一緒に待ってたですー」
待っててくれてありがとう、岩田くん、このは。
「...僕は...今一度君に謝罪をしようと思って...」
今度は誠が話しかけてくる。
「わかっているとは思うが、本当は僕も、君のような友達が欲しかった...!
勉強マウントを取ることでその衝動を抑え、
本当の目的を見失っていただけだった...
今までの無礼、どうか許してほしい!」
そう言って頭を下げる誠。
「いいよ、もう...友達なんだから...」
そう言った僕に、誠は笑顔で手を取ってくれた。
「友...達...!君はこの僕を許してさらに友達にまでしてくれるの、か...!」
誠の顔は笑顔と汗と涙でぐちゃぐちゃだった。
...すると山村がハンカチを渡す。
「いいもんだろ、友達って...☆」
それを見てみんな笑顔になる。
ぐぅぅ...
すると僕と美歩のお腹からお腹の音が鳴る。
「へへへ...お腹すいたっすね、翔...」
「そ、それなら皆さんでどこか食べに行きませんか?」
水野さんが提案する。
「いいっすねー、藍のおごりっすか?」
「それはちょっと多すぎよ...」
あはは、と笑うみんな。
確かにこれだけの人数をひとりでおごるには多すぎる。
「あ、僕たちは途中まででいいですよ...一緒に帰ることが目的だったので...」
うん、うんと頷く岩田くん。
「俺も今日は用事がある。だから帰るぞ。」
ならばなぜ残っている、池戸?!
「...誠も一緒に...行く、か...?」
どうしようか悩んでいそうだった誠を誘ってみる。すると...
「な...」
驚いた顔でこちらを見ている。
「...すまない。誰かに誘われたことなんてほとんどなかったからな...。」
「よし、決定だね。それじゃあ何を食べに行こうか、な?」
山村と幸佳も行く気満々だった。
------このあと僕たち6人は近くのファミレスへ行った。
誠ともすっかり馴染んでいて、夕方までみんなと楽しむ僕。
心もお腹もすっかり満たされたみんなには笑顔が溢れていた。
...その帰り道。
「みんな...あ、ありがとう。」
誠はすっかり謙虚な人物になっていた。
「それじゃ、自分たちはこっちなんで帰るっすね。お疲れっしたー。」
最後まで美歩は軽い。
「また...新学期にお会いしましょうね、皆さん...それでは...!」
水野さんは僕たちに挨拶をする。
「あ、美歩待ってー!」
美歩を追う水野さん。僕と山村は夕陽の中へと去っていく2人に手を振っていた。
「...さて、それじゃあ僕もこの辺で...」
誠も帰ろうとする。
すると山村が誠の手を握ってこう伝える。
「ありがとな、誠。友達になってくれて...君も楽しかっただろ...?」
すると誠はこう返す。
「まったく...君たちにはつくづくお世話になったよ、ありがとう...」
そうしてこれが、僕たちに見せるはじめての笑顔だった。
そのまま手を振って夕暮れの街へと去っていく誠。
そして3人になった。
---山村の家の前に来る頃にはもう日が暮れていた。
「...友。ちょっと待っていてくれないか?」
ガラガラガラ...
山村と幸佳は一緒に家に入っていった。
...しばらくして、幸佳が何か持って戻ってきた。
「...幸佳。渡せるか?」
笑顔で幸佳のほうを見ている山村。
うん、と頷く幸佳。
「こ、これ...!1年間...ありがとう...って...」
それはなんと、僕と山村、幸佳に姉の写った写真が入った写真立てだった。
こ、これは...!
「お、ちょうどいいところだったみたいだな。」
すると仕事帰りの琉夷さんと姉に出会った。
「お疲れお疲れ!...あ、そういえば今日で学校終わりだったね!」
姉も僕たちに声をかける。
すると持っていた写真立てが気になっている様子の姉。
「ああ、それはこの間、山形に行ったときの写真でな。
1年間仲良くしてくれたお礼ということで...私たち3人からのプレゼントだ!」
すかさず琉夷さんが説明してくれた。
「ちなみに写真を選んだのは優雅、写真立てを選んだのは幸佳だぞ!」
山村と幸佳も笑顔で頷いている。
「へえ、ありがとうございます、みんな!」
僕よりも先に姉がお礼を言う。
「あ、ありがとう、山村、幸佳、琉夷さん...!」
こうして1年生の学園生活は幕を閉じた。
空を見上げると、輝く星たちが僕たちの友情を優しく照らしていたのであった。
[1学年編 完]
2学年へ続く...?!
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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