#55 ようこそ大阪へ
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#55 ようこそ大阪へ
2月の中旬。
出張で大阪に行くことになった姉と、それについていくことにした僕。
出発当日の朝。
「忘れものはない?ちょっと待って、確認してみよ...」
自分で言って自分で確認している姉。
さすが優柔不断である。
「仕事...何時からなんだ...?」
ふと時間が気になる僕。
...もうすぐ10時。いつもなら学校の時間なのに。
(ちなみに今日だけは午後から授業を受けることになっている。)
「えっとー...今日はオーナー様にお会いして、
来週からのことについての簡単な打ち合わせだけだから...」
ゴソゴソとバッグをあさりながらそう答える。
「...つまり、昼の間なら何時でもいいってこと!!」
そ、そう、なのか...?
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家を出てしばらく。
東京駅に着いた。
ここから新幹線で大阪へ向かう。
今日は2月の平日、金曜日。
当日券でも十分に乗れるほど空席があった。
山形に行ったときとは大違いだ。
次の新幹線を待っている間、姉が正面を向いたまま呟いている。
「新幹線かー。なんか山形行ったときを思い出すねー。」
姉も同じことを考えていたみたいだ。
「あのときはクリスマスだったからねー、帰省客でものすごい人だったけど。」
...そんなひとりごとを聞いていると、すぐに次の新幹線がやってきた。
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...そして2時間後。
「大阪ー着いたー!!」
新幹線を降りるとそこは新大阪駅。
東京の駅とさほど変わらないようにも見えるが、空気感は全然違っていた。
この日の気温は9℃と、東京は8℃なのでそこまで変わらない。
...まずは宿泊先であるホテルへ向かった。
---昼、1時過ぎ。
ホテルに着いた。
すぐにチェックインを済ませ、部屋に入った。
姉の分は会社側から経費として出ているが、
僕の分は姉が追加で支払ってくれた。
部屋に入ると小さな廊下の奥にベッドがふたつあるという感じだった。
そしてベッドの奥に広がる景色を眺めてみる。
「うわ...」
思わず声が出てしまうほどの大都会。
大阪の街が一望できる、とんでもなく良いホテルだった。
「すごいよね、ここ!45階だけあって景色がとてもいい...!」
出張でこのクラスのホテルに泊まれるとか...
どれだけ経費が出たのだろう。
「夜景とか...絶対綺麗じゃん...」
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昼間。
姉は少し休んだらすぐに取引先のオーナーのところへ出かけて行った。
そして僕もホテルでインターネット環境を整え、リモート授業を受ける。
カチ、カチ、カチッ。
...すると既に先生のほうは準備ができていたようで、
[おお、春野!!元気だったか!!]
画面の向こう側から親戚みたいに話しかけてくる厚木。
「よ、よろしくお願い、します...」
[おう!]
---授業は学園側のノートパソコンが僕の席に置かれていて、
そこから映した映像で黒板を確認しながら授業を受ける、という感じだ。
午後の授業は数学、副担の福岡先生が担当だ。
お昼を食べた後の授業は眠くなってしまうのだが、逆に僕はお腹が空いていた。
ぐぅぅぅ...
[誰ですか?もうお昼は終わったというのにお腹が空いている人は?]
なぜか僕のお腹の音は向こう側にも聞こえてしまったようだ。
めっちゃ恥ずかしかった。
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お腹は空いていたがなんとか午後の授業を受けることができた。
...放課後。
僕の画面に映っていたのは山村と幸佳だった。
[おお、友!!ちゃんと出席していたんだね!]
なんの心配をしていたんだ。
[ところで今君は大阪のホテルにいるのかい?]
山村が興味津々で話しを続ける。
「ま、まあな...」
[あ、翔くん、ですか?]
水野さんの声もした。
[こんにちは、翔くん。そちらの様子はいかがですか?]
水野さんもこちらに興味津々だ。すると...
[なっ...翔、くん、ですって?!聞き捨てならないですね...!]
美里愛も食いついてきた。
「あはは...賑やか、だな...」
みんな揃って見ているようなので、僕はホテルから見える
外の景色を画面に映した。
[す、すごいよ友...!これが大阪かー!!]
山村から思った以上にいい反応が出た。
[なんですかこの街並み。東京と変わらないじゃないですか。]
...逆に美里愛からは辛辣なひと言が。
[みんなして何見ているんっすかー?]
今度はさらに美歩までやってきた。
[あ、美歩。ほら、翔くんが大阪の景色を見せてくれているの。]
水野さんが画面を見せる様子が映る。
[ちょっと水野さん?!その翔くん、って呼び方やめなさい!!]
[え...そう、言われましても...]
画面の向こう側は相変わらず賑やかだった。
---無事にリモート授業が終わり、晴れて自由の身になった。
ガチャ...
そしてちょうど姉も返ってきた。
「お疲れ様、翔、私!!さあ、なんか食べに行こう!?」
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大阪の街へ出た。
ホテルの近くには駅があって移動にも便利だ。
「何食べる?!」
先ほどから姉は今日の疲れと大阪に来たというワクワクで
テンションがいつもより高い。
「せっかく大阪に来たんだから...大阪らしいもの、とか...」
わかった、と言って姉が向かったのは、大阪市内にあるお好み焼き屋だった。
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ガラガラ...
「いらっしゃい!店内で食べていかれる?」
するとなぜかいいえ、と首を横に振った姉。
「なんでやねん!うちは持ち帰りとかしてへんで!!」
本場のなんでやねん、いただきました。
「ハハハ、さては嬢ちゃん、関西慣れしとるな?
サービスやサービス。ドリンクタダにしてやるでー!」
さっそく大阪人の心を鷲掴みにする姉。
大阪感満載だった。
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席につき、先ほどのことについて姉に聞いてみた。
「いやー、大阪久しぶりやからなー...」
グビグビ、と先ほどもらったウーロン茶を飲みながら呟いている。
...実は姉、大阪に友人がいる関係で大阪は何度か遊びに来たことがある。
また、おじさんが大阪にいた頃は
夏休みの間、僕と姉で泊めてもらったこともあった。
つまり2人ともはじめてではなかったのだ。
だとしても姉の関西での適応能力はずば抜けて高かった。
「今日、仕事で関西弁聞いてたらなんかうちの関西弁魂に火がついてもうて...」
「...いや、誰?!」
関西モードになった姉はもはや誰にも止められないのであった...
続く...
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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