#54 出張?
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#54 出張?
2月になったある日。姉の働く職場にて。
「え...大阪に出張ですか?」
「そうだ。覚えているだろう?以前君が受け持った取引先のオーナー様が
是非とも君に頼みたい仕事があるそうだ。」
「それで、期間は...」
「1か月だ。少しばかり長い出張になるのだが、大丈夫かな。」
「は、はい!分かりました...!」
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その日の夜。
「...ということで私、大阪に出張へ行くことになりましたー!パチパチパチ!」
自分でテンション上げないでくれ。
「えーっと期間は来週の金曜日から来月のはじめ頃まで...」
カレンダーに予定を書いていた姉は、突然ペンを落としてしまった。
「翔...1か月もひとりで大丈夫...かな...」
僕のことを心配していたのであった。
大阪か...
旅行好きの僕。なんだか僕も行きたくなってしまった。
「ちょっと先生に相談してみる。」
「...えっ、何を?」
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翌日。職員室で厚木先生に相談してみた。
「なにー?姉の出張についていきたい、だとー?!
何を言っているのだお前は!!学校の授業はどうする!!
単位が取れなくなるぞ!!」
意外と真面目な返答が返ってきた。
「もうすぐ春休みなのだから、その時まで我慢するんだな!!」
そりゃあ自分の将来を考えたならそれが正しいのだろう。
「すみません、話は聞かせていただきましたよ、春野さん...」
そう言ってやってきたのは副担任の福岡先生。
「確かに厚木先生の言う通り、1か月間旅行で欠席するということは
単位の心配があります。」
福岡先生まで...
「しかしですね、旅行に行き自分の世界や価値観を広めるのも立派なお勉強!!
ということで私は是非お姉さんの出張について行っていただきたいのです!!」
お、おや...?
「そ、それはそうかもしれないが...学校はどうするんだよ!!」
厚木が福岡先生に言い返した。
「フフフ...まあ落ち着いてください、厚木先生。今の時代、これがあれば
単位の心配は必要ないのです!!」
そう言って取り出したのは、学校用のノートパソコン。
こ、これは...!
「春野さんにはこちらのノートパソコンを貸与します!」
福岡先生の手配により、あっという間に使用許可が下りた。
「なるほど!その手があったのか!!」
そう、リモート授業である。
ノートパソコンの電源をつけ、さっそく使い方をレクチャーしてもらった。
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夜。家に帰ってきた。
「...ということで俺も、一緒に行けることになったぞ。パチパチパチ。」
「やったー!ありがとう、翔ー!!」
なんで喜んでいるのだ。
「ひとりでビジネスホテルに泊まるとか、本当心細かったんだよー、だから
一緒に来てくれてありがとう!!」
「ま、まあ俺も姉ちゃんと離れずにすんでよかった、かもな...。」
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翌日。
学校に行くと、まだ大阪に行くことは誰にも言っていないはずなのに
なぜか噂は広まっていた...
「おはよう、友。来週から大阪に行くんだって本当かな...。」
山村とはつい先週また一緒に過ごすようになったばかりなのに、
また離れてしまうことになるな。
「幸佳も...大阪...行く...」
隣にいた幸佳もそう言って引っ張っている。
「ごめんな、山村、幸佳。どうしても行きたかったんだ...」
すると山村はこんな提案をする。
「だったら僕たちもパソコンを借りてこよう!それなら行けるだろう?」
そうして職員室に向かう山村。
...しかし残念ながら、ノートパソコンは1台しかなかった。
「...ちょっと。春野さん。なぜ出張のことをクラスで話したのですか...!」
福岡先生に注意された。いや僕じゃないし...!!
「あ、あの...その話は春野くんから聞いたわけではありません。
隣のクラスの噂で...」
隣のクラス、ってことはもしかして....
「...なんで隣のクラスで噂になるんですか?」
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昼休み。
山村と一緒にいると、美歩と水野さんがやってきた。
「あの、すみません。噂で聞いたのですが、翔くん、また旅行に
行くんですって...?」
まったく、話を広めるのが早い。このはってやつは...
「大阪行くならたこ焼き買ってきてほしいっすねー...ふふふふふ」
お土産のことしか考えていない美歩であった。
「お、大阪....?!」
すると話を聞いていた美里愛まで食いついてきた。
「なぜ私を置いて行ってしまうのですか、翔!!」
いや、美里愛を連れて行こうなんて気は最初からなかったんだが。
「あれ。委員長。あなたは今知ったんですか?」
山村に声をかけられる美里愛。
「いや、もちろん知っていましたよ。旦...段々知っていたんです!!」
...は?と変な空気になってしまった教室。
「と、とにかく...委員長さんも翔くんが大阪に行くことを羨ましいと
思っているんですよね...?」
水野さんがなんとかしようとする。
「そうなんっすねー。ならお土産を頼んでおいたらいいっすよー。」
って、おい。人のことだからってそんな催促させるな...!
「たこ焼き。それも大阪限定のたこ焼きを2箱、よろしくお願いします。」
美里愛にたこ焼きを注文された僕なのであった。
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1週間後、木曜日の夜。
いよいよ明日から大阪へ出発である。
荷物をまとめ、明日に備えていた。
「うーん、明日から大阪!楽しみだねー!」
「出張で行くんだろ...」
「いいじゃなーい、仕事が終わったら自由なんだから!」
それもそうかもだが...。
「荷物はまとめた?明日朝から出発だからねー?」
はいはい、と用意していたバッグのチャックを閉める僕。
「それじゃあおやすみ...!」
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翌日。
「大阪ー着いたー!!」
新幹線を降りるとそこは新大阪駅。
まだまだ厳しい寒さの中、僕と姉の大阪出張が
はじまるのであった...!
続く...
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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