#50 年末年始
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#50 年末年始
12月31日。大晦日。
いよいよ今年も終わりだ。
...にしても本当にいろいろあったな。
春、学園にやってきて山村や水野さん、美歩に幸佳...
...このはとも仲良くなったな。
夏は奄美大島に帰って遊び、
秋は紅葉を見に行ったりした。
そして冬は山形まで行って...
とても充実した半年間だった。
部屋でこのような思い出日記を書いていると、
また姉に話しかけられた。
「何書いてるの?」
「...て、おい!!勝手に部屋に入って来るなよ...」
慌てて書いていた日記を隠した。
「ごめんごめん!だって開いてたんだもの...ドア...」
それはただの閉め忘れだった。
「それじゃあ年越しの準備してくるね。」
そうしてすぐに部屋を出ていった姉。
そうだ、もうすぐ年越しだ...
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日が暮れて、年末番組が始まった。
毎年恒例のバラエティ番組や歌番組である。
ピッ。
年越しそばを食べ、テレビのチャンネルを選んでいる。
「あれ。去年まではどの番組見てたっけ...」
...そういえば去年は僕と姉は別々だったな。
いや、そういう意味ではなさそうだ。
「もしかしてあの番組のことか...?」
スマホを取り出して姉に画像を見せる。
それは10年以上に渡り大晦日の風物詩となっていた某有名バラエティである。
「そう、それ!...なんだ、去年も今年もやってないのねー。」
仕方ないので他の番組を見ていた。
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23時の30分を回った。
今年もあと30分切ったのか。そう考えると突然緊張感が増した。
除夜の鐘の映像に変え、年越しを待っていた。
---[5、4、3、2、1...あけましておめでとうございます!!]
年が明けた。
「あけましておめでとうーーーっ!!」
年明けからテンションが高い。
「あ、あけおめ。」
「ちょっとー、何それ!最初くらい略さないでちゃんと言ってよね!?」
「あけましておめでとう...っ!」
「はい、あけおめっ。」
「姉ちゃんも略してるじゃんかよー!!」
「2回目だからいいもーんだ!」
「なんだよそれー!」
...年が明けても相変わらずの僕たち姉弟だった。
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1月1日。元旦。
初日の出を見に行くとかいうあれはなく、普通に寝て起きた。
時刻は午前11時...まだ元旦である。
「おはよう...」
すると僕が起きる頃には既に姉が起きていた。
「おはよう!!翔!!さあ、今日から新しい年が始まるよーっ!!」
いつの日か聞いたことのあるようなテンション。
「1年の計は元旦にあり!さっそく今年の目標や計画を考えているよ!」
すごい...何かやりたいことでもあるのだろうか。
そう思って姉の書いた目標を覗こうとした。
「...ちょっと?!人の目標を勝手に見てどうするのよ!
ほら、翔も書いてみたらどうなの、よっ!!」
やっぱり見る前に隠されてしまい、メモ用紙と一緒に押し返された。
---部屋に戻ってきた。
姉に渡されたメモ用紙を見て考える。
目標、か。
そういったものがあれば充実した毎日を送ることができるのだろう。
...けれど高すぎる目標は逆に自分を苦しめ、自己肯定感を下げてしまう。
なぜそう思うのかって?それは...
ふと机の上の、さらに上にある5年日記なるものに目がいった。
ここに来たら続きを書こうと思ってわざわざ持ってきたものだ。
手に取り、パラパラと眺めてみると、日付は去年の4月で止まっていた。
「これが高すぎる目標ってやつだ...」
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気分転換に飲み物でも飲もうと台所に行くと、頑張って作った感満載の
おせち料理が並んでいた。
「あ、翔!ちょうどいいところに!ちょっと手伝ってくれなーい?」
レンコンを切りながらヘルプを求める姉。
「すごいな...これ全部作ったのか?」
「さすがに全部ではないけど...
今年の目標は、料理を上達させることだから、ね!!」
そういうことか。
「...って、ひとりで頷いてないで重箱に入れるの手伝ってよー!」
結局手伝わされた。
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夜になる頃にはなんとか作ることができた。
3段重に入れれば、それなりにそれっぽく見えた。
「食べてみるよ、いただきます!」
「うん...」
試しに伊達巻を食べてみると、なかなかちゃんとした伊達巻で美味しかった。
「あ、それは買ってきたやつね。」
前言撤回。なんでわざわざ手作りじゃない方を先に食べてしまったのか...
続いて黒豆。これはさすがにちゃんと煮込んだやつだろう。
パク...
「あ、それも買ってきたやつ。」
ぽん、と見事に僕の口から黒豆が飛んでいった。
「ああ、もったいない。食べるならちゃんと食べてよね?」
気を取り直してレンコンをお皿に入れる。
これなら切っているところも見たし、大丈夫だろう..
パク...
食べてみると想像以上に激甘だった。こ、これは...?!
「美味しい?」
レンコンは確かに姉が切って味付けしたみたい。
ということで姉もそのレンコンを食べてみるが...
「わっ...甘....っ!!」
「だろ...」
想像以上に激甘だったみたい。
「なんでかなぁ...」
姉は劇甘になったレンコンを見てさらに呟く。
「ま、まさか私に限って砂糖と塩を間違えたりするわけないよねー...!
うん、絶対にない!あは、あはは、、、」
絶対それじゃん。
嫌な予感がした僕は、台所にある塩入れに入った塩を舐めてみると
砂糖の味がした。
念のため砂糖入れのほうも調べてみると、こっちも砂糖の味がした。
「そもそも...間違ってる...」
姉の料理上達に関してはまだまだ先が思いやられる...
だがなぜ突然料理をすることを今年の目標にしたのだろう。
取材している風に聞いてみた。
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「えっと...やっぱり趣味を持ちたいと思ったからかな。」
「それは一体どういうことでしょうか。」
「ほら、私ってさー、優柔不断でなんでもすぐに飽きちゃって...
ひとつのことを頑張って続けてみたいなーって思ったわけ。」
「ではなぜ料理という道を選んだのでしょうか。」
「道、って...大げさだなあ。やっぱり毎日食べていくにはある程度
料理ができないと食費が高くつくからね。それに...」
「それに?」
「翔もせっかく来てくれたんだし...私が美味しい料理を作ってあげないと...」
「か、感動しました!!これからもお料理作り、頑張ってください!!
本日はありがとうございました!!」
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なんだこれ。
自分で言うのもなんだが、慣れない役は違和感が生じるな。
まあ何はともあれ姉から目標に向けて頑張る意味を教わった気がする。
...もう一度目標を考えてみようかな。
夜になった元日、急いで目標を記入している僕なのであった。
続く...?
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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