#49 お土産(山形編)
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#49 お土産(山形編)
12月27日。
クリスマスの日に東京を出てからおよそ2日。
昨日の夜、無事に東京にある我が家まで戻ってきた。
さすがに疲れていたので、僕も姉も昼過ぎまで眠っていた。
そしてこの日の夕方。
大量の荷物と一緒にお土産を眺めていた僕だった。
「...あ、昨日のお土産?見る見る?いいよ、開けてごらん!」
うん、と頷きさっそく袋を開けてみる僕。
すると中に入っていたのは、本当にいろいろな種類のお菓子だった。
「玉こんにゃくにミルクケーキ、オランダせんべいに蔵王ウエハース!」
本当に全部買ったのか...
「どれを食べてみる?...あ、こっちは藍と美歩の分だからね!」
自分の職場よりもそっち優先か...嬉しいような、恥ずかしいような。
「...あれ。この前の3人の分は...?」
「へ?」
「確かもえちゃん、りんちゃん、まいちゃんだったっけ...」
するとグサリ、と刺してしまったみたいで本気で落ち込んでいた。
水野さんと美歩は親友よりも親友だったのか......
「ま、まだ山村たちが山形にいるじゃないか...」
それを聞いてすっかり元気になった姉。
「そ、そうだそう!もえちゃんたちの分は
山形に置いてきちゃった、ってことよ、こと!!」
無理やりそういうことにする姉。なんかもう見てられない。
「いや...だったら今ある分をもえちゃんたちに渡せばいいじゃないか...」
「ダメよ、ダメ!だってこれは藍ちゃんたちのために私が買ったんだから!」
「人の金なのに...?」
すると再びグサリ、と刺してしまったみたいで本気で落ち込んでいた。
「わ、悪かった悪かった...」
まったく困った姉だ。
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翌日。
お土産を渡すため、水野さんと美歩を家に呼ぶことになった僕と姉。
さっそく2人がやってきた。
ピンポーン...
「お、お邪魔します...」
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「本日は呼んでいただきありがとうございます...!」
姉もいるせいかいつもより嬉しそうな水野さん。
「へー、ガチで山形行ってきたんっすねー。」
玉こんにゃくの箱を眺め、開けようとしている美歩。
「ちょっと、美歩。勝手に開けたらダメじゃないの...」
「いいよ、いいよ。もうそれは美歩たちの分だからね。」
やったー、と喜んで箱を開ける美歩。
そしてさっそく食べている。
「んんっ...もちもちっすね。なんすかこれ。」
知らんで食べたんかい!!
「玉こんにゃくですかね。えーっと、どこの名物なのかな...」
水野さん、僕たち山形から帰ってきたんだよ?
「ほら、これもあげる!」
そう言って姉が美歩に渡したのは、洋ナシ、ラ・フランスのキーホルダー。
「おお、うまそう!!」
キーホルダーは食べれないっつーの。
...そして水野さんにも同じキーホルダーをプレゼントする。
「ありがとうございます、お姉さん!!」
「...あれ。なんで翔じゃなくて姉ちゃんからもらってるんっすかね。」
「え...?」
美歩の言う通りである。
「ま、まあ...いいじゃん!!いつも翔と仲良くしてくれているお礼!」
そういうことにしておいてくれ。
「そ、そうだ、これ...」
今度は僕の持っていたスマホを美歩と水野さんに見せる。
「おおお...」「すごいです...!」
2人が驚いて見ているのは、青空と共に写る真っ白な樹氷...
そう、蔵王の樹氷である。
「めっちゃ、すごい!!」
語彙力のない褒め方だな、美歩。
「快晴じゃないですか...白と青のコントラストが最高ですね!」
水野さんが僕の写真を褒めてくれたので嬉しかった。
「あ、山村とこのはも行ったんっすね。」
何枚かあるのは琉夷さんが撮ってくれた写真。
綺麗に撮れていた。
「雪だるまも作ったんですかー!」
続けて、昨日の写真も見せていた。
「すごいよね、東京ではこんなに雪が積もったりしないよねー!」
雪だるまと一緒に幸佳や山村、琉夷さんも写っていた。
「...ああ。山村の父さんが連れて行ってくれたんっすね。」
美歩もすぐに分かったみたいだった。
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夕方。
水野さんと美歩が帰ったあと、残ったお土産を眺めている僕。
「...どうしたの?」
「いや、未だに山形まで行ったことが信じられなくて...」
「ふーん、そう。」
パリパリ、とお土産のオランダせんべいを食べながら適当に答える姉。
「...って、おい。自分たち用のお土産だったんかい!」
...ならば、食べ、る!
「あ、大丈夫大丈夫。はい、これ翔の分ね!」
そう言って2袋目のオランダせんべいを渡してきた。
本当どんだけ使わせたんだよ...
パリパリ...
普通のせんべいよりも軽く、ほんのりとお米の味を感じられる。
そんなオランダせんべいを食べていると、姉が再び話しかけてきた。
「ねえねえ!このせんべい、なんでオランダせんべいって言うか知ってる?」
...確かに。山形でなぜオランダせんべいなのだろう。
「庄内地方の方言、おらだ(私たち)から、私たちの米で作ったせんべい...
オランダ(おらんだ)せんべいになったんだって!!」
本当だ。調べたらすぐに出てくる。
「ちょっとー、そんなに私の話が信用できない?!」
そう言って調べていたスマホを取り上げてしまった。
「調べたっていいじゃんかよ。それに姉ちゃんも調べたんだろ...?」
「ち、違うよ!!山形のお土産屋さんでそう書いてあったんだもん!!」
「じゃあこれはなんでケーキじゃないのにミルクケーキなんだよ?」
段々面白くなってきてしまった僕は姉に聞いてみた。
「えっ、えっと...それは...」
思いっきり検索している姉。
「...やっぱ検索してるじゃん...!」
あっ、と持っていたスマホを隠す姉。手遅れである。
「い、いやだなぁ...駅で見たんだけど忘れただけだよ、おほほほほ...」
そんな姉を見て少し笑ってしまった僕。
「んんっ!!笑うな笑うな!!
だったら翔だって調べないで説明できるの?!!」
今度は玉こんにゃくの箱を差し出してきた。
「た、玉こんにゃくはだな...!えっと...」
そこまで言って言葉が出てこない僕。
「あはははは!やっぱり調べないと説明できないじゃん!」
そんなこんなで姉と僕の姉弟喧嘩は夜になるまで続いた。
...ちなみにミルクケーキは
日本初の粉ミルク製造に成功した山形県の会社、日本製乳が
粉ミルク製造の際に出る牛乳を煮詰めて固めたもので
ここでいうケーキとは固めたもの、という意味らしい。
...ついでに玉こんにゃくについても。
玉こんにゃくとは、
山形で宝珠山立石寺を開いた大師が
山形にこんにゃくを伝えた際、それを食べやすいように
団子のように丸めて串に刺したもの、らしい。
検索って偉大だな...
改めてそれを実感する僕たちなのであった。
続く...?
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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