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#4 パン屋

土豆(どず)まる~

20代くらいの青年。

イラスト、小説、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね...?

#4 パン屋


とある休日。

今日は、近くにできたおしゃれなパン屋に姉と出かけることになった。


「この辺にパン屋ができるなんて珍しいわねぇ。」

姉はこの街に住んで2年ほどだ。当然僕よりこの辺りについては詳しい。


「新しいパン屋って、この辺ではそんなに珍しいのか?」

僕はこの辺りのことはあまり詳しくないので姉に聞いてみる。


「んー、どちらかというとここって郊外じゃん?

なんでまあ都心のほうよりも頻?にはない、よねー?」

それって答えになっているのだろうか...。


...と、歩いていると、目的地であるパン屋にたどり着いた。ところが...


「あれーっ?なんで...?閉まってる....」

本日OPENで間違いないはずだ。

すると入口に張り紙が張ってあった。


「本日、店長の体調不良によりオープン延期...」

「ええー、そういうことならSNSにもちゃんと書いてよね...!まったく...」

「仕方ないんじゃないの?ここのパン屋は夫婦営業らしいから...」


残念。また今度ね、と引き返そうとしたちょうどそのとき。


こちらのほうに見覚えのある人がやってきて、

パン屋の張り紙を確認するより前に僕に話しかけてきた。


「あ、あれ...パン屋さん、お休み...ですか...?」

話しかけてきたのは、綺麗に整った長い髪の女の子。

この子は...


「えっと...もしかして君は同じクラスの...」

名前を思い出すよりも先に、姉が話しかけた。


「翔の彼女?!」


ふえっ?!と驚き顔を赤くする彼女。

...違う、クラスメイトの水野藍(あい)だ。


「ち、違うっ!水野さんはクラスメイトなだけで...」

「そ、そうですよぉ!私は彼とはお知り合いなだけで...」


すると先ほど藍が来た方向から再び見覚えのある人が。


「おー、いたいた...って何?この状況...」

確か藍と同じ中学出身の新井美歩(みほ)だ。

やってきた2人を見た姉がこんなことを口にする。


「か、カップル?!」


は.....?と姉を変な目で見ている美歩。

へ.....?と目をパチパチさせている姉。

その場の空気が凍てつくように痛く感じた僕は、

とても気まずくなった。


「ち....ちが...もう帰ろう、なあ...?はは、ははは...」

そう言って姉を連れて帰ろうとした僕だったが、


「待って。詳しく聞かせてもらおうか...?」

ひきつる笑顔で僕を呼び止める新井の目は、笑っていなかった...。


-------------------------------------


家についてきた2人。


「なんで家なんだよ...」

「アンタの家ほうが話しやすいと思って。」

「お、お邪魔、しますぅ...」


まったく...姉のせいで少々厄介なことに...

そう思いつつも、正直水野さんを家に招きいれてくれたことだけは嬉しかった。


「で.....そこの姉さん?」

「ひゃ、ひゃい...」

まるで捕食寸前の草食動物のように怯える姉。


「さっき自分らのこと、カップルって...あれは一体どういうことですかぁ?」

机を挟んで向かい側にいる姉に、のしかかるように問い詰めた。

ものすごい圧と緊張感が漂う。


僕の隣にいる水野さんが小声で話しかける。

「ふ、普段はとてもいいひとなんですけどね...その...

男の人と間違えられるのは、すごく、、許せないみたいで...」


「そ、そうなんだ...」


僕は(別の意味で)ドキドキしつつも、姉と美歩の様子をうかがう。


「自分ー、藍とは幼馴染なんですけどぉー、こう見えて女の子なんですーぅ」

「ご、ごめんって...も、もうカップルなんて言わないからさー...」

笑顔で乗り切ろうとする姉。

しかし美歩の威圧は収まらない。


「そ、そうだ、さっきパンでも買おうとしていたんだよねー?

だったらそのー...お詫びにパンでもおごるからー、、許して....?」


するとさっきまでの圧は嘘のように

シャキッと正座した美歩。


「わかった、許す。自分、パン大好きなんっすよねーえへへへへ...」

まったく、現金な人だ。


「ご、ごめんなさいね...あの...私はこれで....」

パンをおごると聞いて気を使った水野さん。

先に帰ろうと振り向こうとすると、


「ま、待ってよー!ほら、これは私の落ち度なんだからさあー、、

君にもパンをおごってあげるからー、ね?みんなで行こ?」

姉がそれを止める。


「そんな、悪いですよ、、私は何も...」


謙虚な彼女に対し、僕はこう言った。


「友達をひとりにするほうが悪いと思うよ...」


「えっ....」


「よし、決まり!!えーっと、2人はパンでよかった?

お寿司とかー、ファミレスとか...」

「パン屋以外ダメ。」

「はい...」


くす、っと笑う水野さんに、思わず僕も笑っていた...。


---


先ほどのパン屋は開いていなかったので、

いつも水野さんと美歩が行くというパン屋へ向かう。

その道中、僕の前で姉と一緒に歩く水野さんが口を開く。


「そ、そういえばまだちゃんと自己紹介していませんでしたね。

私、水野藍と申します。翔くんのクラスメイトです。」

さすが水野さん。とても丁寧な挨拶だ。


「あ、じゃあ自分も。自分の名前は新井美歩っす。

翔や藍と同期でー、

...決して彼氏じゃないっすから!!」


最後の部分のときだけ姉をにらみつける美歩。

まあまあと、それをなだめる水野さん。


「えっと...わたしはー、、翔の姉の美月...かなぁ...?」


「かな?ってなんだよ!?」「かな?なんですか?!」


自己紹介なのにしっかり疑問形で終わる姉に対し、

2人同時にツッコむ。さすが幼馴染。

そうこうしているうちに、目的地であるパン屋に着いた。


-------------------------------------


「ありがとうございましたー。」


パンを買い終え、店を出る僕ら。

その頃にはすっかり夕方になっていた。


「なるほどな、ここがいつも2人が来るというパン屋か...」

僕と姉ははじめて入る店だった。


「んんっ、姉さんありがとう。もうカップルなんて言うんじゃないよ。」

フランスパンを手に、すっかり落ち着いた美歩。

さっさと夕陽のほうへ歩いていってしまった。


「私にまでおごっていただき...ありがとうございますぅ。」

姉にお礼を言う水野さん。


「じゃあ私たちはあちらなので...これで...」

そう言って帰ろうとする水野さんを止め、


「またね!美歩ちゃんにもよろしく。」

と声をかける姉。


はい!と笑顔で頷いた彼女。

そのまま小走りで美歩を追いかけた。


「さてと、私たちも帰ろうか。

夕飯何にするー?豚汁?カレー?オムライスー?」


「それ今食べたいだけだろ...」


なんだかんだで姉といる毎日は楽しい。

そう思って姉と一緒に歩きはじめるのであった...。


続く...?


はじめまして、土豆まるです。


クスッと笑える日常系作品を作りたくて、楽しみながら文章を書いています。


作品を投稿することは初めてなので気軽に見てもらえると嬉しいです(^^♪


少しでも楽しんでいただける作品を目指して作品を書いていきます、

どうかよろしくお願いいたします!


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