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普通じゃなくても幸せに  作者: おとめtheルル
season3-2学期/冬休み
49/65

#48 雪遊び

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#48 雪遊び


12月26日、山形に来て2日目。

クリスマスが終わり世間ではすっかり正月ムードに変わる。

実際、泊まらせてもらった幸佳の家でも鏡餅の用意がされてあった。

まだちょっと気が早いような...


日が昇る前の早朝、頭がぼんやりとしている僕に聞こえたのは

おじいちゃんの出かける声だった。


「行ってくるだ。」


うう...トイレトイレ...

部屋を出てみると、そこにはおばあちゃんの姿が。


「あれ。もう起きたのね?」


かなり驚いていた。

それもそのはず、まだ5時30分だった。


---------


当然のように2度寝した。


次に目を覚ますと、既に姉も幸佳もいなかった。


「あ、おはよう!!」

すぐに姉が挨拶してきた。幸佳と琉夷さんもこくり、と頭を下げる。


「朝ごはんできてるでな。いっぱいけぇ。」

台の上には雑炊が用意されていた。

タダで泊めてもらった上に朝ごはんまで...

昨日の分も含めれば、約1日お世話になっているということに。


「...そういえば今日は何をするか決めてあるのか?」

雑炊を食べながら、琉夷さんが僕たちに問う。


「いえ、私はー特に...」


すると玄関の扉が開く音がして、山村がやってきた。


---


「あ、お帰りー!どこ行ってたの?!」

姉が心配そうに駆け寄る。


「どうもお姉さん...」


琉夷さんと僕も山村のほうへ向かう。


「おお。ホテルは無事泊まれたか。」


「ホテル?なんで?一緒に泊まればよかったのに。」

琉夷さんの一言に食いつく姉。

そうか、姉はここが山村の実家(ふるさと)ではないことを知らないんだっけ。


「い、いや...ホテル、のほうが過ごしやすいだろ?うん...」

自分の失言をなんとかごまかそうとする琉夷さん。


「そ、それより、外を見てごらんよ。」


そう言って指した玄関の外を見てみると、

昨日よりも降り積もった銀世界が広がっていた...!


------


「えいっ!!」


ずさぁっ...


降り積もった雪でしかできない遊び...そう、雪合戦である。

ちょうど家の隣が空き地だったのでそこを利用している。

雪なんて降ったことのない地域で育った僕にとってはとても感動的だった。


「友。こうだよ。えいっ!」


バサッ...


上手に雪を丸めて幸佳のほうに(優しく)投げる。


「んー!!」


ドカドカドカ!!


すると幸佳は大量の雪玉を山村に投げ返してきた。

巻き沿いを食らう僕。


「あはははは!幸佳、雪合戦上手だねー!よーし、私も...!」


姉も一緒になって僕と山村のほうに雪を投げてくる。


「大丈夫か!2人とも!うぉぉぉぉ!」

今度は琉夷さんが僕と山村チームに入って本格的な雪合戦になった。


------


それからどのくらい経っただろう。

すっかり雪の寒さも忘れ、汗が出てくるほど体が温まっていた。

ひと段落すると、幸佳たちは雪だるまを作っていた。


「すごいねみんな。なんていうか...雪慣れしてない?」

幸佳も山村も、出身こそ山形(ここ)ではないみたいだが

雪遊びは子どもの頃からしていたらしい。


「雪なんて...見るのすら初めてレベルだったのに...」


「本当そう!けれどすっかり馴染んじゃった!!」

姉は嘘だろ。鹿児島本土では東京などと同じように雪が降ることはあるので。

...雪に身を任せゆったりしていると、雪だるまが完成していた。


「...できた...」


幸佳が作ったのは小さくて可愛らしい雪だるま。

家から持ってきたのか、バケツや木の枝なども飾ってある。


「こっちもできたよ、友。」


一方山村が作っていたのは、3段型になっている外国風雪だるま。

さらに...


「おーい、こっちも見てくれ!」


琉夷さんが作っていたのは巨大雪だるま。

幸佳の雪だるまの倍以上の大きさだ。

同じ雪でもこれだけ個性が出るのか...


------


帰ってお昼をいただいたりしてゆっくりしていると、

あっという間に時間が過ぎた。


「...あれっ。もう夕方じゃん。」

そういえば帰りのことを何も考えていなかった。


「帰りの新幹線そろそろ取っとかないと...」

そう言ってスマホで検索する姉は、肩をトントン、と叩かれる。


振り向くと明るい笑顔でスマホを見せつけ、

グッドポーズをしている琉夷さんの姿があった。

僕と山村も一緒になってスマホの画面を確認する。


「12月26日...帰りの分じゃないですか!!」

最初から最後まで、琉夷さんたちにはお世話になりっぱなしだった。


------


予約してくれたのは19時30分の便。このはの便から丸一日。

そして18時を前に山村がホテルに帰ると言い出した。

それなら、と僕と姉も早めに駅へ向かうことにした。

お土産とかも見に行きたいしな。


日が暮れた頃。

帰りの支度を済ませて玄関へ向かう。


「ありがとうございました、おばあちゃん!!」

本当のおばあちゃんでもないのに

とっても優しくしてくれたおばあちゃんに感謝!あと...


「お、おじいさんにもよろしく、お願いしま、す...」

少し照れていたがちゃんと伝えることができた。


それを聞いていたおばあちゃんは笑顔で頷いてくれた。


「それじゃあ山形駅までよろしく頼む。」

駅には幸佳と琉夷さんもついてきてくれるみたいだ。

来たときと同じような中型タクシーに乗って、おばあちゃんの家を

後にした僕たちであった。


------


山形駅に着いた。

駅近のホテルに泊まるということで、僕と姉を見送ってから帰るそうだ。

駅構内のお土産屋さんで買い物をする。


「玉こんにゃくにミルクケーキ、オランダせんべいに蔵王ウエハース?」

いろいろあるなあ...


「見て!さくらんぼ柄のポーチや和食器もあるよ!!」

お土産は見ているだけでも楽しい。


...すると幸佳は将棋の王将をモチーフにした未開封のストラップを持っていた。

確か将棋の町、天童市も山形県にあるんだったっけ。

幸佳はなぜそれを選んだ??


「ああ、それかい?それはおととし僕が幸佳にプレゼントしたストラップさ。

勿体ないらしくて、未だに開けてくれていないんだけどね、ハハハハ」

幸佳が買ったわけではなかった。しかもおととしのかい。


「って、姉ちゃんは...?」

少し目を離した隙にどこかへ行っていた。


「あれ。お父さんもいないね、幸佳?」


するとちょうど目の前から、大量の荷物を持った琉夷さんと姉がやってきた。


「すごいな...どれを買えばいいかわからないっていうから

おすすめを選んでいたら、結局全部買うことになったよ、ハハハハ...」

持ってきた旅行カバンよりも多い荷物。


「あ、これは私たちの分でー、これはみんなの分、それでこれはー...」

近くのベンチでお土産を仕分ける姉。

こんなにたくさん...どうやって持って帰るんだよ!!


「...心配しなくても大丈夫!この分以外はお父さんたちがあとで

持って帰ってきてくれるって!」

荷物も心配だがお金も心配もだ...

そう思って姉と琉夷さんのほうを見ていると、


「ん?支払いはどうしたって?大丈夫大丈夫。みんな父さんが払ったから!」

僕は何も言っていないのになぜか伝わった。

...ってどんだけ人に金使わせるんだよ!!


「いやー、本当ありがとうございます!」

お土産を見て満足そうにしている姉。

喜んでいるからまあ...よかった、のか?


そうこうしているうちに、新幹線の時間になった。


----


「本当に本当にありがとうございました!」

何度もお礼を言う姉。


「幸佳と山村も、ありがとな...」

一緒に遊んでくれたり、誘ってくれたり。


「うん、こちらこそ。また東京で会おう、友☆」


プシュー、と扉は閉まり、列車は動き出す。

席につき、窓の外を見ると山村と幸佳、それに琉夷さんが

手を振ってくれていた。


「ありがとう、山形...また東京で...」


「それを言うなら山村、でしょ?!」


僕の呟く声はばっちり姉に聞こえていた。


明かりの灯る街並みを通り過ぎ、気がつけば眠っていた僕なのであった。


続く...?


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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