#43 外国人
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#43 外国人
12月に入った。
今年も残すところわずか。
街はクリスマの飾りで賑わいつつある。
そんなある日の夕方。
学校を終え、いつものように山村と一緒に家まで歩いていると
茶色い髪とひげを生やした外国人男性とすれ違った。
そしてその外国人は僕たちに話しかけてくる。
「Excuse me.Is the saitamahole suitable near here?」
(すみません。さいたまホールはこの近くで合ってますか?)
「さ、さいたま...ホール...?ノットサイタマ...」
oh...と困った様子の外国人(と僕)に、今度は山村が話しかける。
「Umm...saitamahole is not here.」
(あの...さいたまホールはここではありません。)
「Oh, is that so...」
(そうですか...)
そしてこのあと小声で僕に話しかける山村。
「この人をこのまま放っておくのは可哀そうだから
駅まで行こうと思うんだけど...一緒に行くかい?」
最初は戸惑う僕だったが、英語を勉強できるチャンスかもしれない。
そう思ってうん、と頷き山村について行くことにした。
その返事に嬉しそうな山村。
...?とこちらを見ている外国人に話を続ける。
「Well, I'll take you to the station.」
(では、駅まで連れて行ってあげます。)
「oh,really? Thank you.」
(本当かい?ありがとう。)
...そんなわけで、駅まで外国人と僕と山村は駅に向かった。
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駅に着いた。
改札の前、案内板を見て「大宮行き」の路線図を指す山村。
「Please get on this train. and Please get off at Omiya station.」
(この電車に乗ってください。そして大宮駅で降りてくださいね。)
「thank you so much!」
(本当にありがとう!)
そう言って外国人は山村のほうに手を振りながら改札を通って行った。
山村も笑顔で外国人に手を振っている。
「さ、さすがだな、山村...」
「何を言うんだい友。こんなの中学生レベルではないかー☆」
中学生レベルでも分からんものは分からん。
それに僕、英語は特に苦手である。
「すごいじゃないっすか。」
突然、後ろから拍手と共に美歩の声がする。
振り向くと美歩と水野さん、そして幸佳が顔を覗かせていた。
「ごめんなさい、帰る途中で外国人の方と話をする2人が気になって
ついてきてしまいました...」
外国人に夢中でまったく気がつかなかった。
水野さんが羨ましそうに僕と山村を眺め、話を続ける。
「お、お2人とも英語得意なんですね。いいなぁ...」
待て待て。山村はともかく、僕は全然...
「アーーユーーライクイングリッッシュ?」
突然美歩からめちゃくちゃな英語が飛んできた。
「それを言うならこう...
Do you like english?(ドゥユゥライクイングリッシュ)だろ...?」
さすがにこれくらいは分かる。
「ド...ユー...ライ、ク...イグリシュ...??」
水野さんも分かっていなかった。
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翌日。
朝から僕と山村に水野さんが話しかけてきた。
「お、おはようございます、翔くん、山村さん...!」
「おはよう水野さん☆ どうしたんだい?」
「いや...その...昨日のことで...」
「藍は素直じゃないっすね。一緒に勉強したいならそう言えばいいのに。」
水野さんと山村の会話に突然割り込んできた美歩。
「み...美歩ーっ!」
照れて美歩をポコポコと叩く水野さん。
何度見てもかわい...
「何にやけてるのかな...?友...?」
鋭い笑顔でこちらを見ている山村。
珍しく怒られてしまった。
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放課後。
既に夕陽でいっぱいの教室。
朝の約束通りみんなで英語の勉強をしようということだったが
今日は教室に残って作業などをしている人がいたので
図書室の方で勉強することになった。
...それに図書室なら英語関連の本もあるかもしれない。
幸佳も含めた5人は図書室でノートを開く。
「...って、別に予習復習がしたかったわけじゃないんっすけど...」
「自分で一緒に勉強しよう、って言ったじゃないの。ふふ、ふふふ...」
水野さんも案外悪いな。
一方、幸佳は英語で書かれた小説を持ってきて小声で山村に問う。
「これ...なんて書いてあるの...?」
「う、うーんと...」
するとそこに、池戸と誠がやってきた。
「か、勘違いしないでくれるかな。
こいつ(池戸)には君の居場所を教えてもらっただけですからね...!」
山村を見るやいなや、まだ誰も何も言っていないのに
勝手に見栄を張る誠。
「何の用だい、誠。」
山村は分厚い英語小説を見たまま誠に問う。
「聞きましたよ、あなた外国人に優しくしたんだとか。」
噂の広まるのは早いな。
ってかどこから仕入れたんだ、その情報...
「本当にその英語力で伝わっていたのか...私と勝負です、優雅!!」
そう叫んだかと思うと、突然後ろの池戸に引っ張られる誠。
「おい、ここは図書室だ...!」
引っ張られて後ろを向くと、そこには池戸と一緒に図書室の先生が立っていた。
「お勉強の邪魔をするのなら帰ってもらいますよ...?」
「しっ...い、いいだろう。英語力勝負は次回に持ち越しだ!ハハハハハ...」
そう言って図書室をあとにした誠。何がしたかったのか...
「皆さん。図書室は6時になったら閉めますからね。」
はあい、と図書室の先生に返事をする僕たち。
一方、池戸はしれっと幸佳の隣に座った。
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「だぁー、全然読めねぇ...こんなん翻訳機かざせばすぐなんじゃないんっすか」
一応英語の本を頑張って読んでいた美歩。まだ1ページも進んでいない様子。
「英語って難しいですね...。山村さんはどうやって覚えたんですか?」
水野さんも本を読みながら山村に問う。
「どうやって、か。
うーん...僕も翻訳機で入力したものを丸暗記していっただけだから
特に覚え方とかはない、かな☆」
翻訳機の英文を丸暗記しただけであんなスラスラと英文が言えるかっ!!
ってか全然正当法じゃなかったな...
「I could see the stars shining one by one...」
(ひとつ、またひとつと輝く星が見えた...)
...突然、綺麗な英語が池戸のほうから聞こえた。
思わずみんな池戸のほうを見る。
「...な、なんだよ...俺はただ本を読んでいるだけだ...」
そう言って読んでいるのは英語で書かれた本。
この様子に幸佳も目を輝かせていた。
「なんだ、幸佳まで...。
えぇ?何?ここの文章がなんて書いてあるかって?ここはだな...」
すっかり山村の役割を取られてしまった。
「ちょっと。幸佳。こっちのほうが面白いよ...」
幸佳は池戸の読む本に夢中だ。
すると突然山村のほうを向いて、
「That's surprising!」
(驚きだね!)
いきなり英語でそう言った。
「This is what surprised me!」
(驚いたのはこっちだよ!)
山村も英語で返す。
英語って難しいな...。
そう思った僕たちなのであった。
続く...?
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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