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普通じゃなくても幸せに  作者: おとめtheルル
season3-2学期/冬休み
33/65

#32 副担

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#32 副担


9月に入って1週間。

学校のリズムにも慣れ、すっかり元の生活に戻ってきた。

そんなある朝のHRの時間。


キーンコーンカーンコーン...


「えー、皆のもの!!今日から私は学校の職員の...」

すると突然、ガラガラと扉が開く。


「厚木先生!お話は済みましたか?」


いつものように話す厚木(先生)を(さえぎ)ったのは

美歩ではなく副担の先生だった。


普段は滅多に顔を出さない副担の登場にざわつく教室。


「これ!何をそんなにざわつくことがありますか!

いいですか?厚木先生は職員研修により

今日からしばらく席を外されるのです!」


「お、おう...そういうことだ...」


あの学校一熱血の教師と自負する厚木が押されている...?!

めったに見ない光景に驚きを隠せないみんなであった。


----


...厚木が研修でいなくなったということは、彼の担当教科である体育の授業も

別の先生が担当することになるのである。


そして何故か例の副担がそれを担当することになった。


「皆さん。本日の体育は体育祭の練習だと聞きましが

自主練習とのことでしたので、念のため私が見に来ることになりました。」


おいおいマジかよ。

せっかく体育館を使えるし、

山村とドッジボールでもしようと思ったのに...


「これこれ。誰ですか?!ドッジボールをしようと企んだ人は...!」


ギクッ...

思考を読まれた...?!

と思ったら...


「いけませんねえ、新井さん...誰も見ていないからって

練習をサボってはいけません!!

昼休みにでもしてください、ドッジボールなんて...!」


副担に怒られたのは美歩だった。

それもそのはず、美歩の手にはドッジボールのボールが握られていた...


---


昼休みになった。

いつものように山村と一緒に昼休憩をしていると...


ガラガラガラ...


教室の扉が開く。

そこに立っていたのは夏休みの登校日、幸佳を襲おうとした彼だった。


「お、お前は...」


「くく...見たぞ。厚木のやつが学校を出ていくところを...!

いい加減俺のところに来い!!幸佳!!」


そう言って幸佳を連れ出そうとする彼。すると次の瞬間...


パシッ!!


後ろから何者かに叩きつけられ、そのまま倒れてしまった。


「...なんだてめえ...!!」


「池戸さん!!!いじめは許しませんよ!!!」

池戸...というその少年を叩きつけ、幸佳を守ったのはあの副担の先生だった。


「職員室に来てもらいます、みっちり指導致しますからね!!」

そう言って、抵抗する池戸を強制的に教室の外に連れ出していった。


副担...やるじゃないか。


...と、それよりも幸佳は大丈夫だっただろうか。

そう思った頃には既に山村と幸佳の姿はなかった...


---


保健室に来た。

案の定、山村も幸佳もそこにいた。


「ごめん...守ってあげれなくて...」

幸佳の様子を見にきたはずなのに、山村に謝っていた僕。


「大丈夫さ、友。それより心配してくれてありがと、ね...☆」

そうだ...僕はこの2人を守ると決めたんだった...


「突然のことだったもの...無理もないわ。」

話を聞いていた保健室の先生が僕を慰める。


「まったく...池戸くんってば、厚木先生がいないと勝てると

思っていたのでしょうかねえ...」

ため息交じりに呟く保健室の先生。


「な、なあ...その池戸、って奴...なんとかならないの、か...?」

僕は山村に問う。


「僕たちに学校を辞めさせる権利はないよ。それに彼は中学時代、

空手の選手だったんだ...」


どうりで強いわけだ。


「彼は中学時代、全国規模の空手大会で優勝候補と言われていた...」


そんなに強いなら敵うはずがない...。

でもどうしてそんな彼が...


「...その大会直前、たまたま学校に来ていた幸佳を見つけて恋に落ちたらしい」


そのときから幸佳のことが好きだったのか。


「空手の大会で優勝して、幸佳にカッコイイところを見せられる

絶好のチャンスだった矢先、、一緒に帰る僕を見つけてしまったわけだな。」


な、なるほど...

それは確かにショックかも...


「そしてそのショックで空手の大会は力を発揮出来ず、予選落ち...」


だからあんなに幸佳への執着があるというわけか...


「つまり、池戸のやつが幸佳への執着をやめ、話を聞いてくれない限り

どうにもならないってことさ☆」


そんな明るく言えることではないよ...


けれどこのまま何度も襲われるわけにもいかない...

するとガラガラと保健室の扉が開き、池戸と副担の先生、

さらに研修でいなくなったはずの厚木が現れた。


---


「おう!山村!春野!研修の途中だったが

副担の福岡先生の連絡のおかげで走って戻ってきた!」

研修ってそんな走って戻れる距離だったのかよ。

それはともかく...


「...ほら、まずは彼に謝るのです!」


「.....」


黙ったままの池戸に対し、懸命に謝るよう促す副担の福岡先生。


「ああ、池戸。お前のせいで大事な研修日が1日ずれた!!」


「厚木先生はちょっと黙ってもらえます?」


「は、はい...」


厚木の話をすぐに打ち切る福岡先生。まったく、空気を読め、空気を...!

すると黙っていた池戸がついに声を出す。


「ご...ごめん...」


おお、と驚く山村だったがすぐにこう返した。


「ありがとう、謝ってくれて...そして僕も君に謝るよ...

勘違いさせて...君から空手の道を奪って...すまなかった...!」


そう言うと池戸に向かって深々と頭を下げる山村。

それを見た池戸は、


「なぜ、だ...俺は....お前のことを恨んでいたのに...っ!!」

そう言いながら、涙を流して崩れ落ちた。


「よかったわ...これで仲直りできたかしら...」

そう言った保健室の先生の目には涙がこぼれていた。


---


放課後。

僕と山村、幸佳の3人で帰ろうとすると、池戸が話しかけてきた。


「山村。幸佳。今まで本当にすまなかった。」

申し訳なさそうに近づく彼に、戸惑っている幸佳。


それもそのはず、幸佳は昼休み、気絶で休んでいたため事情を知らない。

池戸を見て少し怯えている幸佳。しかし...


「今日、福岡先生に戸籍を見せてもらうまで

お前と幸佳は本当に兄妹だと思っていなかった...」

話す口調が柔らかくなった池戸に、幸佳は緊張していなかった。


「な、なあ...お願いだ、、幸佳を...俺に...」

やはりその執着は変わっていないのか。すると山村は...


「いちど怯えた彼女が君に安心して近づくのは難しい。

それでもなお近づきたいというのかい?」

池戸の動きを探っている様子。


「もう絶対に力づくで解決しようとしない!!だから...!」


そう叫ぶ池戸の口を押さえ、山村はこう続ける。


「わかったわかった。それでは今から僕の家で

幸佳と僕と父さんに君の本気を詳しく聞かせてしてもらう、よ☆」


「な、なんだよ!それ!!」


こうして山村に連れられていった池戸。

池戸が反省してくれてよかった...そう思う僕だった。


続く...?


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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