#29 お土産
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#29 お土産
8月6日。
姉の仕事の関係で、今日が滞在最後の日である。
朝、荷物を持って玄関で最後の挨拶を交わす。
「それじゃあまたね...!」
そう言って笑顔で振る舞う姉だが、
僕には少し涙をこらえているようにも見えた。
「ええ、気をつけてね。今度またお菓子でも送るわ。」
母もそう言って姉の手を優しく握る
「翔も無理したらダメよ?美月が嫌になったらすぐ帰ってきなさい?」
ちょっとちょっとー!と姉が割り込んでくる。
それを見てだはは、と笑う父。
「うむ。別れの挨拶をしているところ悪いが、父さんはもう仕事なのだ。
また来いよ!!」
僕と姉にタッチし、そのまま外へ出て行ってしまった。
「おやまあ今日で帰るんかい?」
家の中からおばあちゃんがやってくる。
「おばあちゃんもありがとう!またね!」
姉の一言のあと、笑顔で手を振るおばあちゃん。
「ま、また来るから...!その...」
僕も最後に何か言いたくて口を開いたが、照れて
なかなかうまく言えなかった。すると...
「ありがとう。」
そう言って母が寄ってきてくれた。
「こ、こちら...こそ...ありが...とう」
その瞬間、恥ずかしくなった僕は
母の手を振り切って車に乗ってしまった。
驚く母だったが、こちらを見るその顔には笑顔と涙があった...。
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空港に着いた。
出発の手続き終了までまだ時間があったので、
軽くお土産屋さんを覗いてみる。
「これ優雅に似合いそうじゃない?!」
持っているのはアマミノクロウサギのネックレス。
「いやー、やっぱり優雅にはこっちかなぁ...」
今度はアオウミガメのネックレス
「んーーこれも優雅なら似合いそう...!」
今度は...
「って、いつまでひとりに対して悩んでるんだよ。
これじゃあ飛行機に乗り遅れるぞ。」
今は優柔不断になっている時間はない。
そんなわけでとりあえず全部買う(買わせた?)ことになった...
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「東京、成田空港行の搭乗を開始します!」
飛行機に搭乗する。
「いろいろあったね...」
窓の外を眺め、そう呟く姉。
父や母、おばあちゃんと再会したり、海で遊んで星を眺めたり。
台風が来たりマングローブに行ったりもしたな。
そしてかずはと友達になって花火を見たり...
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
帰ったらまたみんなにいろいろと教えてあげたいな。
そう思っている間に飛行機は空へと飛び立った...。
---それから約1時間半。
飛行機は無事、成田空港に着いた。
「うわ、あっつ!!」
その通りだった。
この日の気温は34℃。奄美大島よりやや高めである。
そして何より、コンクリートの熱が乾いた風に吹かれてさらに暑く感じる。
早いところターミナルビルへと入り、そのまま電車を使って家へと向かった...。
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「はぁー、ただいまー...」
家に帰ってきた。
冷房のついていない部屋はとてつもなく暑かった。
「小窓だけは空けてきたけど...にしても暑いわねー...」
一旦すべての部屋の窓を開ける僕ら。
扇風機とカーテンを利用し、
なんとか空気の入れ替えに成功する。
そうしてしばらく。
着替えと片付けを済ませてエアコンをつけるのであった。
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あっという間に夜になった。
僕は相変わらずリビングでお土産を眺めながら写真を見ている。
「今日はさすがにお弁当でいいよね...ちょっと、買ってくる...」
そう言って外に出ようとする姉は、旅の疲れが出ているようだった。
「疲れてるだろ。俺が行ってくる。」
姉よりは元気のある僕。
「ありがと...」
そう言って部屋に戻ると、そのまま眠ってしまった。
やれやれ、と弁当を買いに出かける僕の顔には
優しい笑みがこぼれていた....。
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翌日。
なんとか元気になった姉は、仕事に出かけていた。
僕は僕で家でゆっくりしている。
すると突然、僕のスマホに電話がかかってきた。
「おお、友!!もう帰ってきたのかい?!」
電話の相手はそう、山村だ。
「早く君に会いたくてうずうずしているところだよ。
今から家に遊びに行っても...」
それはまだ困る。
「ちょっと待って。気持ちはわかるけど...まだ休ませてくれてもいいだろ...」
そう思って一旦落ち着かせようとする僕。すると...
「...何を言っているんだい、友。今から家に遊びに行ってもいいかい?
って水野さんと美歩が言うからさあ...
よかったら君もあとで合流してほしいなーと思って☆」
家に...って山村、お前の家かーい!!
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夕方。
少し休むことができた僕は、さっそくお土産を持って山村の家へ向かう。
ガラガラ、と戸を開けると、山村がちょうどやってきたところだった。
「や、やあ...」
そういう僕を見て笑顔で僕の手を引いて中へと案内する山村。
「あ、うーっす。久しぶり。」
リビングにいたのは、水野さん、美歩、そして幸佳。
「ど、どうも翔くん...疲れているのに来てくれてありがとうございます...!」
水野さんが僕のことを気遣ってくれた...だと?!
「いやいや...大丈夫だよ水野さん。僕は山村に呼ばれて...」
僕は慌ててそう返す。
「はい...ですが山村さんと一緒に翔くんを待っていたのは事実なので...」
やっぱり僕の話が聞きたかったんだな。
すると突然、袖が右側に引っ張られる。
僕の袖を引っ張っていたのは幸佳だった。
何も言わず、僕が持ってきた袋と僕を交互に見ながらアピールしている。
「わかってるって...。お土産...待ってたんだよな...?」
そうしてさっそくお土産を広げる僕。
「おお...これがクロウサギクッキーか...!」
山村も興味津々でお土産を見る。
「これが水野さんので、これが美歩の。それでこれが...」
...と、山村の分を取ろうとしたら、ネックレスが3つあったことに気づく。
そう、空港で姉が山村のために選んだものだ。
「あれ...結局どれを渡すつもりだったんだ...?」
すると山村は僕が持っていた3つのネックレスを取り、こう言いだす。
「ありがとう、友...!父さんと幸佳の分まで...!」
え...と思った僕だったが、
山村の眩しい笑顔にすべてのネックレスを渡すことにした。
ま、まあ...いいか。
こうして僕のお土産とお土産話を楽しむみんなは、
また一段と仲が深まったのであった...。
続く...?
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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