#27 新たな出会い
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#27 新たな出会い
8月5日。
ちょうどこの日、台風で延期されていた奄美祭りの1日目が開催されていた。
せっかくなので姉と街に出てみると、そこにはパレードを眺める人や
パレードと一緒に練り歩く人などで賑わっていた。
「へえー、すごい賑わってる...」
人混みのさらに後ろ、遠くからパレードを眺める僕と姉。すると...
「ちょっ...ねえお手洗い行きたいんだけど...」
すぐ近くには公衆トイレがある。
しかしそこは人が多くて入りにくい。そこで...
「コンビニならあっち...空いてるかも...」
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コンビニのある辺りは人混みも減り、入りやすかった。
待っている間、コンビニでウロウロしている僕。すると...
「...あ、これ...」
見つけたのは、音月由珠羽の期間限定コラボシール。
島のコンビニでも販売しているのか...!
せっかくなので飲み物と一緒にシールを買った僕。
そのまま店の外の日陰で姉を待っていると...
「あのー、すみません....」
突然女性に声をかけられる。道にでも迷ったのかな...
そう思ってはい、と返事をする僕。すると...
「そ、それって由珠羽姉の...ああっ、、」
言いかけて口を塞ぐ彼女。
「い、いきなりすみません...今のは忘れてください、では...」
そう言ってこの場を去っていこうとする彼女。するとそこに、姉が現れた。
「待って。翔の彼女さん。確かに翔は不器用で面倒くさい所もあるけど....!」
ちょいちょいちょい、と姉の口を抑える僕。
勝手に別れる前の彼女にするなー!!
「...あ、いや、これは...その...私がシールを見つけてしまったばっかりに...」
僕と姉の喧嘩(じゃれ合い)を気まずそうに見る彼女。そして...
「ご、ごめんなさい!!あの...!
厚かましいかもしれないですけどここは一旦カフェでお話を...!」
そう言って頭を下げている。
「...?」
喧嘩を止め、ピタッと彼女のほうを見る僕。
最初、姉は困惑していたが、彼女のほうを見た途端
ピシッと姿勢がよくなって...
「わわわかりましたわ、お姉さま。おほほほほ...」
そのまま彼女の手を繋いで走り出した。
放置され戸惑う僕のそばに、人が寄ってくる。
「あ...大丈夫...です...はは、ははは...」
引きつった笑顔のまま姉を追う。
コンビニの前で戯れていたせいで、色んな人に見られているようだった...。
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なんとか振り切り、近くのカフェまでやってきた僕ら。
さっそく彼女が話しかけてくる。
「先ほどはごめんなさい...」
謝罪をする彼女。どう見ても悪い人ではなさそうだ。
「ま、待って待って。謝るのはこっちだよ...」
姉が慌ててそれを抑える。まったくその通りだ。
「そう、だよ...これくらいのじゃれ合いはしょっちゅうだから...」
僕も彼女をフォローしようと言葉を繋ぐ。
「し、しかし...」
なかなか話が進まない。
するとふう、というため息が聞こえ、
「私は春野美月。あなたは?」
突然自己紹介をはじめる姉。
「わ、私は...音月かずはです...」
姉の自己紹介に流され、すんなりと自己紹介をするかずは。
...音月...かずは...?
「お...俺....僕は春野翔、、美月の弟です...」
ひとまず空気を読んで自己紹介をする僕。すると...
「俺でも僕でもどっちでもいいじゃん!」
笑顔で僕にツッコむ姉。
その様子にかずはもすっかり笑顔になっていた...。
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「ねえ、かず...は?」
アイスを食べながら、姉がかずはに問う。
「そういえばさっき、シールがどうこうって...」
やはり気になっていたか。
「いや、私の勘違いだったら申し訳ないんだけど、、君のお姉さんって
もしかして...」
僕の言いたかったことをすべて代弁してくれる姉。助かる...!
するとかずはは、飲んでいたコーヒーを置き、こう答える。
「...そうですね...音月由珠羽は私の姉...
正確には(私の)おばの娘、つまり従姉なんですがね。」
やはり由珠羽との繋がりがあったのか。
「一人っ子だった由珠羽姉と私は、小さい頃から本当の姉妹のように
一緒に遊んでいました。ですが...」
何やら語りはじめた。
「あの日、私と由珠羽姉で一緒にonetubeをはじめたときから、
由珠羽姉さんは遠い人になっていった...」
コーヒーを挟み、話を続ける。
「ええ、私のチャンネルはまったく伸びていかなかったのに、
由珠羽姉のチャンネルはどんどんと人気になっていって...」
さらに続く。
「もちろんそのときは嬉しかったです。
けれど登録者数が10万人、20万人と増え、
今ではもう100万人が望むトップonetuberだと思うと...」
そこまで言うと、かずはの目には段々と涙が溢れだしていた。
「つまり、かずは...あなたは...」
アイスを食べる手を止め、かずはをじっと見つめる。
「本当の姉のように慕っていた従姉に
見捨てられたと感じて寂しくて悔しかった...。
けれど姉のグッズを持っている翔を見て
やはりもう一度姉の近くにいたい、と感じ
無意識のうちに声をかけていた...
こういうことかしら...?」
理解が早いな、姉ちゃん。
そしてこの話を聞いたかずはが返事する。
「まったくその通りですが...」
下を向いて呟くかずは。
そして姉のほうを見て再び口を開く。
「その通りすぎて怖いです...!」
そりゃあそうだろうな。
初対面の人が、いきなりこんな深い話をすぐ理解したんだから...
「...私も同じだったから。」
...?、と姉を見つめる僕とかずは。
そのことは僕も知らない。
「私も、翔が生まれる前...由珠羽姉と同じような人がいた。
ずっと一緒で、ずっと慕っていた人が...」
今度は姉の話に入る。
「その子は私と同じ幼稚園で幼なじみなんだけどね。
彼は本当の兄のように私を連れまわした。けれど...」
真剣に話を聞くかずは。
「あの日、子役タレントとして上京することになってから
彼は遠い人になっていった...」
確かにかずはと同じ流れである。
「それからというものの、テレビに出演する彼を見て最初は嬉しかった。
でも、段々と世間に望まれるようになった彼に、
悔しかったし、寂しかった...」
そこまで言うと、姉の顔にも涙が溢れだしていた。すると...
「あなたと出会ったのは,,,偶然ではなかったのかもしれませんね...!」
そう言って席を立ち上がり、
「私、決めました。あなたとお友達になる...!!
そして...必ずずっと一緒にいます!!」
姉の手を握って涙ながらに宣言するかずは。
たったひとつのシールが繋いだ奇跡。
この出来事は僕にとっても忘れられないものになるのであった...。
続く...?
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、
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