#26 お出かけその2
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#26 お出かけその2
8月4日。
無事に台風は日本列島を通り過ぎ、
島を含めてさほど大きな被害は出なかった様子。
台風から1夜明け、外はすっかり穏やかに戻っていた。
「それじゃあ、行ってくる。」
父も今日から仕事を再開し、家には4人が残される。
そんなこの日。
昼食を終え、リビングで4人くつろいでいると...
「そういえば美月。あなた仕事はいつまで休みなの?」
母が唐突に問いかける。
父には連絡していたが母は帰ってくると思っていなかったため
帰る日を伝えていないままであった。
「えっとー...明後日6日には帰らないとだから...」
「つまり実質明日までなのね?!」
そういうことになる。
「そっか...あっという間ね...」
少しうつむいて呟く母。その様子を見た姉が、
「だったら今から遊びに行こうよ!!」
と提案する。
「それは素敵な親孝行じゃのう。玲奈も行っておいで。」
おばあちゃんも笑顔でその提案を後押ししてくれた。
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そんなわけで姉の(借りた)車に乗り込む僕と母、そして姉。
「ありがとうございます、お義母さん。行ってきます...!」
そうして車は大通りへと向かう。
「ねえねえ、どこ行く?!」
運転をしながら嬉しそうに話しかける姉。
「この前海行ったからな...」
と僕が呟くと、
「マングローブは行った?せっかくだからカヌーに乗るのもいいわね!」
母がマングローブを提案する。
「分かった!そうしよう!」
迷うことなくすんなり決まった。
僕は(色んな意味で)安心していた。
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マングローブパークに着いた。
奄美大島の南に位置するマングローブは、
西表島に次いで日本で2番目に大きいマングローブ原生林である。
入口付近は整備され、駐車場やショップなどが併設されている。
マングローブはこの建物の奥に存在し、遊歩道が整備されているという感じだ。
さっそくマングローブへと向かう僕ら。
「あった!これがマングローブね!」
説明しよう!マングローブとは熱帯や亜熱帯地域に存在する
海水と淡水の混ざりあった場所で生育する植物たちの総称で、
日本では主に沖縄....
「何ボーっとしてんの?」
...と、(謎に)説明している僕は(また)心配されていた。
失礼失礼。
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ここから先はカヌーに乗ってマングローブの中を散策。
ガイドの人や観光客の人達と一緒になって進んでいく。
「おおー!テレビで見たことがある場所ー!」
カヌーの漕ぎ方にも慣れてさっさと進んでいる姉。
一方の母は、
「あ...皆さん待って...」
漕ぎ方がおぼつかず、なかなか進めずにいた。
「ゆっくりで大丈夫ですよ。一緒に行きましょうね。」
ガイドの人が母を優しく見守ってくれている。
それを見て僕は安心して先に進んでいくのであった...。
パシャ、パシャ...
マングローブ内はスマホなどでの撮影もできる。
僕は東京に帰ってみんなに見せるための写真を撮っていた。
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しばらくするとマングローブ林の広めの場所に出た。
するとそこでガイドの人が僕たちに声をかける。
「皆さん散策は楽しんでおられますでしょうか。」
「はーい!」
「えー、このマングローブというのは植物の総称なのですが、
具体的にどんな植物があるか知ってる人?」
ガイドさんの質問に、
マングローブを見渡しながらざわついる観光客のみんな。すると、
「はいはい!オヒルギとメヒルギ!!」
姉が元気よく答える。
「おお、よく知っているね。そうです、オヒルギやメヒルギです。
これらの植物はここ奄美大島より南の暖かい地域で見られ....」
ガイドさんの説明が続く。そして...
「...では、せっかくなので個別での写真撮影を受け付けたいと思います。
写真を撮って欲しいよー、って方は我々にカメラを渡してくださいね。」
おお、と次々にガイドさんにカメラを渡す人々。
「ねえ!私たちも3人で撮ってもらおうよ!」
姉が僕のほうにやってきてそう言う。
「...あれ...母さんは...?」
あれっ、と姉も改めて周囲を見渡す。そして...
「あ、いたいた!おーい!」
最初にサポートしてくれたガイドさんと一緒にこちらのほうへやってくる母。
「こんにちは、皆さん。...こちら、お子さんたちですか?」
ガイドさんが笑顔で母に問う。
「ええ、そうです。...と言っても上の子はもう成人しているのですけどね。」
そうなんですか、と笑顔のまま僕と姉の近くに誘導するガイドさん。
「それでは3人で写真を撮ってあげます!カメラをお渡しできますか?」
はい、と笑顔でカメラを渡す母。この人とってもいい人だな。
「いきますよ、はい、チーズ!」
パシャ...
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こうしておよそ1時間のカヌー体験を終えた僕ら。
「ありがとうございました!また来てくださいね!」
母と一緒に行動してくれたガイドさんは最後まで優しかった。
「すっかり夕方になったわねえ。」
歩きながら空を見ている母。
僕も空を見上げると、ゆっくり広がるオレンジ色の雲がそこにあった。
すると...
「あ、あの!!お客様...!忘れものです...!」
先ほどのガイドさんが小さなバッグを持ってこちらにやってきた。
カヌー体験の前に荷物を預けることができるのだが、母はそのまま
忘れてしまっていたみたいだった。
「ご、ごめんなさい...!ありがとう...ござい、ます...!」
ガイドさんにお礼を言い、深く頭を下げる母。
すると空を見上げている姉を見たガイドさんがこう言う。
「...空...綺麗ですよね。あの、展望台にはもう登られましたか?」
そうして向こうのほうを指す。
「これだけいい天気だときっと綺麗に眺められると思いますので、
よかったらぜひ...」
そう言っていると、
「おーい!何をしている!次のツアーの準備をするぞー!」
彼を呼ぶ声がした。
「すみません。では僕はこれで...」
そう言って最後まで笑顔のまま帰っていく彼。
僕もあんな風になれたらな...すると母は、
「なんて素敵な青年なの...!もっと若かったら彼と結婚してたのに...!!」
目を輝かせて彼を見ている。おいおい、不倫はよくないぞ。
...ところで姉はさっきから静かだな。そう思って姉のほうを見ると...
「...ねえやっぱりさっきの彼、
声をかけるべきだったのかなぁ!!ねえ、ねえ!!」
姉が泣きながら僕の肩を揺さぶってきた。
短時間で2人の女性を釘付けにする彼(あの人)...なんと恐るべし。
...その後、展望台に行ってマングローブと共に空を眺め、
入口でお土産を購入してから無事に帰宅したのであった...。
続く...?
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、
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