表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/65

#1優柔不断

土豆(どず)まる~

20代くらいの青年。

イラスト、小説、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね...?


僕の姉は優柔不断だ。

いつも優柔不断すぎて、僕を困らせている。

今日も今日とてまたあの優柔不断な姉との毎日が始まる...


#1 優柔不断


「おはよう!!(かける)!!さあ、今日から学校が始まるよーっ!!」

布団を被ろうとする僕から無理やり布団を外そうとした姉。


「んー、、大丈夫だって...着替えくらい5分で終わるってばぁ...」

僕はまだ眠そうな表情で姉に向かってつぶやいた。


「...あ、そうだったの、じゃあまだいいかしらね、まだあと30分もあるし...

あーとでまた起こしにくるからねー!!」


そう言って姉は、ドタバタと僕の部屋を出て行った...。


春野翔(はるのかける)。15歳。

この春から新球学園に通う高校1年生。

寮はなんだかむさ苦しくて嫌だったので、

近くに暮らす姉のところに暮らすことになった。

...というより、本当は姉とまた一緒に過ごしたい...

そう思っていたのかもしれない。

そんなことを考えているうちに、学校に行く時間が刻一刻と近づいていた。


「そろそろ起きるか...」

そう言ってゆっくりとベッドの上から立ち上がる。


---


「おはよう...」

リビングにいる姉に一言挨拶をしてから顔を洗いに行こうとした。

すると...


「あー、そうそう、今起こしに行こうと思ってたんだよねー、おはようっ!」

こちらに気が付いた姉が話しかけてきた。朝から元気がいい...


「えーっと、今日はいい天気だから傘はいらない...

ええっ?!午後からは雨が降るのー?!折り畳みでも持っていこうかしら...

でも折り畳み傘って重いんだよねー!!

翔っ!今日折り畳み傘持っていったほうがいいと思うー?!」


「そんなの自分で決めてくれよ...」


「そんなこといったってさぁー!どっちかわからないから聞いてるのにーっ!」

まったく面倒な姉だ。


「って!こんなことしている場合ではないっ!!早く着替えて...

あー、でも先にコーヒーを飲もうかなー!」

朝から騒がしい。


「ね、ねーちゃんっていつも...こんな感じなの?」

僕は制服に着替えながら荷物をまとめつつそう質問する。


「ええ?何言ってるの。いつもこんな感じだよー。ま、翔を起こしに行くのは

今日が初めてだったけどねっ」


「ふーん、じゃ、もう時間だから...行ってきまーす」

「ちょっ、ええ?!早くない?!もうそんな時間?!」

姉はまだコーヒーを飲みながら慌てふためいている。


「昨日のうちに準備を済ましておくんだよ...じゃぁっ」

ドタン、と扉を閉め、足早に家を出て行った...。


---


まったく、、あのまま姉と一緒にいれば僕は初日から遅刻確定だろう。

そんなことを思いながら、学校へと歩を進める。


----------------------------------------------------


キーンコーンカーンコーン...


入学式が終わり、クラスでのLHRがはじまる。


「えー、皆の者!!

今日から同じクラスとして3年間勉学に励んでもらう!いいな!」

「おっす!!」


なんだこれ...


「さて!!私の名前はこのクラスの担任の教師の熱血の...」


「先生ー、"の"が多いでーす」

僕の前隣にいたボーイッシュな生徒が声をあげる。


「なんだとー失敬な!!私はこの学園一(いち)の熱血の教師のー...

厚木浩人(あつぎひろと)だぞ!!」

キャラの濃い先生だ...


「とにかくまずは自己紹介だぁ!!」


---


「み、皆さんこんにちは...!阿知良野(あちらの)中から来ました...

水野藍(みずのあい)です.....よ、よろしくお願いしますっ!!」

おとなしそうでかわいらしい声。そして綺麗に整った長い髪。

とても好印象な女の子だ。


「次!!」


「うーっす。自分も阿知良野(あちらの)中から来た

新井美歩(みほ)でーす、よろしくー」

先ほどの水野さんとは違い、

短髪の小顔で、サバサバした印象の女の子だ。

ボーイッシュな感じもあり、ぱっと見男の子と見間違えてしまいそう。


「次!!」


「はじめまして、みんな。

僕は夢河野(むこうの)中から来た山村優雅(やまむらゆうが)さ☆

ゆうくん、って呼んでもらっても構わな い よ☆」


キャーっ!!


突然女子たちの黄色い声があがる。まあそれくらい美少年なのは

間違いないのだが...

かなりのナルシスト系美男子登場である。


「次!!」


「........」


「おい!!大丈夫か!!!」


「こ.....こむにちわあっ!!」


そう言って突然倒れてしまった。


「お、、おい...大丈夫かよ...わ、、悪かったな、緊張させっちまって...

代わりに紹介する!!こいつは梶原幸佳(かじわらさちか)!!

緊張すると...気絶してしまうみたいだから...皆優しくするように!!

じゃあ次!!」


この熱血野郎(先生なのだが...)、ほんとはすごく優しいんだな...

...と、幸佳に気を取られているうち、僕の番になった。


「こ、こんにちは...。

遠井(とおい)中から来ました、春野翔(かける)です...よろしく...。」


「遠井中から来たのはこいつだけだ!!仲良くしてやれよ!!」

情に厚い先生だ。


「....では自己紹介も終わったことだし、今日はこれで終わり!!

また明日もちゃんと来いよ!!解散!!」

けれど相変わらず暑苦しい先生だ...。


---


家に帰る途中...


「お疲れ様ー☆」

先ほどのナルシスト系美男子が声をかけてきた。


「お、お疲れ...さま...

えっと、、山村くん...だっけ。」

初日から声をかけられるとは思っておらず、タジタジになっている僕。


「いいんだよ、そんな気を使わなくたって☆

同じクラスじゃないかーー!」


「そ、そうだね...えっと...き、君もこっちなの?」


山村は気にせずうん、とうなずき勝手についてくる。


--歩き始めて数分。


笑顔で黙っていた山村が、再び話しかける。


「ところで君、名前はなんていうのかな?」

...は?、と思わず口に出しそうになったが、それを抑えてこう答えた。


春野翔(かける)だよ。学校で自己紹介したでしょ、、、」


「おお、春をかけるくん!」

微妙に間違ってるのだが...


「翔くん!今日から僕のお友達にならないかい?

友達の印に、はい、これ...!」


一方的に何か渡された。

それは電話番号が書かれた小さなメモ用紙だった。

いまどき電話番号の紙なんて...


「僕の連絡先だよー☆よかったらいつでも連絡してねぇー」

そう言い残すと、僕を取り残したまま

通りから外れた路地のほうへと去っていった...。


「なんだよ、あいつ...俺なんかと友達って...」


----------------------------------------------------


家に帰ってきた。


「ただいまー.....

って言ってもまだ誰もいないか。」


今日は入学式とHR(ホームルーム)のみだったので、昼のうちに帰ってきた。

自分の部屋に荷物をまとめ、着替えをしてリビングでくつろぐ。


...しかし、不思議だ。

姉である春野美月の家にやってきたのはほんの数週間前。

姉の家は賃貸住宅で、部屋はリビングとは別に2つある。

ひとつは寝室、もうひとつは物置部屋だった。

その物置部屋を掃除してもらったのが僕の部屋だ。

...それからわずか半月。

もはや実家のような安心感がある。

しばらくそんなことを考えながら横になっていたら、そのまま眠ってしまった。


----------------------------------------------------


目が覚めると目の前には姉が帰ってきていた。


「あ、起きた?おはようー!もうすぐご飯ができるからねー!」

外はすっかり日が暮れ、時計の針はやがて7時を指そうとしていた。

僕はすぐに手を洗い、夕食の準備を手伝った。


---


「いただきますっ」

昼も食べずに寝ていた僕は、いつもよりお腹が空いていた。


「もぐもぐ...あ、ねえ、ちょっとそこの醤油をとってくれない?あと

ソースとケチャップも...!」

「んんっ」


仕事で忙しい姉は、いつも自炊はしているがあまり手の凝った料理はしない。

今日はご飯と味噌汁に、目玉焼き乗せ野菜炒めだった。


「んーっ!この目玉焼き、最後はやっぱりソースで食べようかなぁ..

いや、むしろ何もかけなくても野菜の甘味で充分おいしい!!.

でもこの醤油との相性も抜群!!

やはり最後まで同じ味でいくべきか...

んぁー!!究極の選択だあ!!」


究極のレベルが低い。


「ねえ!!翔は?!翔はこの目玉焼きに何かけて食べた?!」


僕は既に食べ終えた皿を見返す。


「えっと...なんだっけ....」


特に気にしていなかった。


ががーん、というような表情の姉。


「ご、ごちそうさま...」

仕方ないので醤油以外の調味料を

皿と一緒に持って行った僕であった。



続く...?


はじめまして、土豆まるです。


クスッと笑える日常系作品を作りたくて、楽しみながら文章を書いています。


作品を投稿することは初めてなので気軽に見てもらえると嬉しいです(^^♪


少しでも楽しんでいただける作品を目指して作品を書いていきます、

どうかよろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ