#17誕生日-後編
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#17誕生日-後編
6月29日。そう、姉の...
もういいな。
そんな訳で友達を家に招き、みんなで誕生日を祝う僕たち。
しかしその途中、あまりの出来事と人数の多さに
忘れてはいけない人たちのことを忘れ、夕食を迎えるという
大事態になってしまっていたのであった。その続きからである。
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僕の部屋で仲良く眠っている山村と幸佳。
「ど、どうする...これ...」
するとその様子が気になったこのはがついてきていたようで、
「あ...そろそろみんな...帰ったほうがいい...ですかね。
みんなに伝えます...
は、ハンバーグ置いていくのでこれ...あげてくださいね...」
さすが観察力の天才である。
何から何までありがとう、このは...!!
...と、そんな訳で一旦2人を寝かせたまま、他のみんなに挨拶して
解散することになった。
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「そ、そうですね。今日は遅くまでありがとうございました。」
水野さんはすんなり受け入れてくれる。
「そうっすね、じゃあ帰るか。」
美歩も納得してくれた。
「いやあ、まさかこんな大人数の
誕生日会になるとは思わなかったなあ!」
優斗さんもまあ色々と楽しませてくれたしな...
色んな意味で。
「うん!みんな今日は本当にありがとう!!」
姉も気持ちよく感謝を述べる。
すると、下を向いたまま呟く美里愛。
「ケーキ...」
「えぇっ?」
その一言にみんなの視線が美里愛に向く。
「ケーキが食べれると思ってついて来たのにぃぃっ!!」
突然叫ぶような大声を出す美里愛。
まあまあ、とそれをなだめる兄の優斗さん。
「ははは、ごめんな...最後の最後まで...。
美里愛、帰りにコンビニでケーキ買ってあげるから...」
するとさっきまでのピリピリ感がなくなり、
すっかり別人のように礼儀正しく姉にお辞儀する美里愛。
...まったく現金なやつだ。
そう思った僕はわざと美歩のほうを見ると、
「ふ、フンッ!!」
それに気づいた美歩はそっぽを向く。
その横で、水野さんがくすっと笑っていた。
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こうして山村と幸佳以外解散した僕と姉の家。
すぐさま山村を呼びに行こうと思って僕の部屋に向かうが
その必要はなかった。
「あ...ありがとう、友...」
僕の部屋から山村が出てきた。
「い、いや...その...これは...」
すべてこのはのおかげである。
「...すまないねえ...誕生日会だというのに眠ってしまうなんて...
他のみんなは帰ったんだよな?」
静まり返ったリビングを見て、ほっとしたようにこちらへ振り向く山村。
「これで幸佳も安心してプレゼントを渡せるだろう、な☆」
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静かになったリビングで、姉と僕と山村と幸佳の4人は
ハンバーグを食べながら話しをする。
「2人とも、今日は私のために来てくれてありがとね。」
先に食べ終わった姉がそう伝える。
「いえいえ...こちらこそ...せっかくお邪魔させていただいたのに
眠ってしまって...本当申し訳ない。」
かなり謙虚な山村である。
「いやいや、全然大丈夫だよー!本当、来てくれただけで嬉しかったから...」
姉も負けじと謙虚に振る舞う。などとしていると、
「あ...あのっ!!」
ハンバーグを食べ終わった幸佳が姉に声をかける。
すると何かを察した様子で幸佳をフォローする山村。
「大丈夫だよ、ここはお兄ちゃんに任せて。」
そう言ってバッグからプレゼント用に包装された箱らしきものを取り出す。
「あの...これ。幸佳からのプレゼントです。
彼女は緊張すると...先ほどのように倒れてしまうので僕が代わりに...」
すぐに納得した姉は、ありがとう!と言って受け取る。
「開けても...いいかな...?」
うん、うん、と頷く幸佳。
山村と僕も笑顔でその様子を見守る。
サラ...サラ....
プレゼント袋から出てきたのはなんと、
エーテルのフィギュアだった。これは...
...そう、僕が夕方壊してしまったエーテルのフィギュアと同じである。
「わぁ!!エーテルのフィギュアじゃん!!」
想像以上に喜ぶ姉。これは気を遣ってなのか、同じものがあるのを忘れて
いるだけなのか...どちらなのだろう。
するとプレゼントを渡した山村はそれに気づいて笑顔が引きつっていた。
そうか、山村も中身は知らなかったのか。
そして僕のほうを見て小声で話しかける。
「...これは...今言うしかないのではないか...?友...」
...?と首をかしげる姉に、僕は覚悟を決めて謝ることにした。
「ご、ごめん!姉ちゃん!!実は...」
そう言って壊れたエーテルフィギュアを姉に見せる僕。
すると姉は
「あ、前のやつ...壊しちゃった?
でもよかったじゃん!新しいフィギュアに生まれ変わって!」
笑顔でそのように言う。
やはり前のフィギュアの存在も忘れていなかった。
大好きなフィギュアが壊れても、貰ったフィギュアを喜ぶ姉。
姉は本当に...
「や、優しい...姉だなっ...!!」
幸佳の一言で僕たちは笑顔に包まれる。
そう、僕の姉は優しくて明るくて面白い...。自慢の姉である。
こうして僕たちの絆はさらに深まり、幸佳もすっかり姉と仲良くなっていた。
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気がつけば23時を過ぎるほどすっかり遅くなっていた。
さすがにそろそろ帰る2人。
「本日は誕生日おめでとうございました、お姉さん☆」
深々とお辞儀をしてそのように伝える山村。そうだ、今日は姉の誕生日だった。
「た...楽し....かった......また...な...」
兄の手をつないで恥ずかしそうに伝える幸佳。
「うん、ありがとう!エーテルフィギュア、大事にするね!」
笑顔でそう答える姉。
「こ、今度は絶対...壊したりしない...から...」
そう言った僕に山村と姉が笑う。
「ではまた。ありがとうございました!」
山村の合図でまたね、と手を振る僕と姉。
ガチャン、と扉を閉め、ようやく2人だけの部屋に戻る。すると...
「くあーーっ!疲れたぁぁ!明日が休みだったらいいのになぁーー!」
そう言って大きく伸びをする姉。
「...あ、壊したエーテルフィギュアは翔が直しといてよ?!
接着剤でも買ってきて...これの隣に飾るんだから!!」
...と、いつもの姉に戻っていた。
はいはい、ととりあえず返事をしておく僕。
そうして姉は台所へ行き冷蔵庫を開ける。
すると、驚いて立ちすくんでしまった。
「あ...それ。俺からの誕生日プレゼント...。」
冷蔵庫の中には誕生日おめでとう、と書かれた赤色の小さな箱がある。
「な、中身はケーキじゃなくてシュークリー...」
照れて説明していると、
「翔ぅぅ!!ありがとう、ありがとう!!私はその気持ちが嬉しいよぉっ!!」
冷蔵庫も閉めずに僕に飛びついてくる。
「閉めて、閉めて...冷蔵庫...」
あっ、と言わんばかりに冷蔵庫の扉を閉める姉。
しかし姉の喜ぶ姿に
なんだか自分の誕生日みたいに幸せを感じる僕なのであった。
続く...?
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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