#13 学級委員長
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#13 学級委員長
6月、僕らの住む首都圏の街はみんな梅雨の季節。
学校でのイベントや祝日もなく、すっかり気落ちするこの頃。
そんなある日の朝。
「それじゃ行ってくる」
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今日も雨か、と傘をさして歩く僕。すると突然、強い風が吹く。
「あ、ああああっ!!」
その強風で目の前を歩くメガネ少女の傘が僕のほうへ飛んでくる。
「す、すみま...って翔?!」
傘を拾ってあげ、すぐに濡れないよう広げてあげる僕。
「こ、このことは...みんなには内緒です、いいですね!!」
そう言って恥ずかしそうにさっさと歩いていく彼女。
...彼女の名前は佐加井美里愛。
同じクラスで学級委員長をしている。
しかしかなりの人見知りで、いつも教室の端でひとりスマホを見ている、
ちょっと不思議な人だ。
...するとさっき傘が落ちていた場所に美里愛のハンカチが落ちていた。
「やれやれ、あとで返すか...」
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休み時間になった。
僕は今朝拾ったハンカチを美里愛に返そうと思い、
いつものようにクラスの端でひとりスマホを見る彼女に話しかけた。
「あ、あのー...今朝...」
しかし美里愛はスマホの画像を見ながらニヤニヤし、まったくこちらに
気づいていない。
「お兄ちゃん...今日もカッコイイ...ふふ、ふふふ...」
見てはいけないものを見てしまったような気分だ。
しかしひとつ気になるものを見てしまった。
先ほどの画像に映る人(恐らく兄)を見たことがある。
それはそうと、早くハンカチを渡しておかなければ...。
「ど、どうも...美里愛...さん...」
名指しで呼ぶと、ようやく気がついてすぐにスマホを隠す。
「は、はいっ!なんでしょう...ってまた翔ですか。今度は何です?」
今度は、って...
僕は今朝拾ったハンカチを美里愛に渡す。
「あ....これは、....
失礼。私のハンカチです。はい、ありがとう...ございます...。」
ハンカチを渡したあとも先ほどの美里愛の兄のことが気になる僕。
ん...?待てよ、確か美里愛の苗字って佐加井...
すると僕の脳裏にこんな出来事が蘇る。
それはつい3か月ほど前。
僕がこの街に引っ越してきたばかりのことだった。
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ピンポーン
「あ、翔!!!久しぶり、久しぶり、久しぶり!!
2年ぶりかぁ、だいぶ背が高くなったねー!!」
孫に会うおばあちゃんか。
すると家の中から男性の声がする。
「おお、君が美月さんの弟くんか。遠いところひとりでよく来たなぁ。」
美月よりも身長が高い成人男性。
一緒に暮らすのは姉だけだと聞いていたのだが、まさか姉の彼氏...?!
...と戸惑う僕に、姉が説明をする。
「ん?ああごめんごめん。この人は会社の先輩の佐加井優斗さん。
...べ、別に彼氏とかじゃないよ...!!そのーなんていうか...」
「すまないすまない。昔引っ越し屋で働いていたものでね...
弟くんが来ると聞いて僕に手伝えることがあれば、と声をかけたんだ」
少なくとも彼(優斗さん)のほうは姉に好意がありそうだな。
まあ部屋の片付けは人数が多いほうがいい。
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そう、おかげで物置部屋の掃除や片付けはすぐに終わった。
やはりあのときの優斗さんが美里愛の兄だったか。
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一方ここは姉の働く都内のIT企業。
今日も姉はパソコンに向かってパチパチと仕事を進めている。
姉の仕事は資料の入力やファイルの管理。
優斗さんは姉が入力で必要な資料作りを担当している。
「あれ、ここの文章ってこれでいいんだっけ...」
ひとりで業務をこなしていると、資料の違和感に気づく。
「すみません、佐加井先輩。ここってこれで合ってます?」
「うーんと...ああ、本当だ、資料が間違えている...。
ありがとう、修正しておくよ。」
姉から資料を受け取り、何事もなかったように
自分の席に戻る優斗さん。
(...ああ、また仕事以外の話ができなかった...)
やはり今でも姉に好意があるらしい。
しかし当の姉はまったくその気がなかったのであった...。
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学園に戻って昼休み。
またしても教室の端でひとりスマホを見ている美里愛。
僕は山村と一緒にいたが、山村がトイレに行った隙に
美里愛のほうへと駆け寄り、声をかける。
用件はもちろん兄の優斗さんについて。
「美里愛さん...」
と、彼女に声をかける僕。すると、
「な、なんなんです?!今日は!!
レディのプライバシーエリアにずけずけと入ってくるなんて...
あなた、失礼という自覚はないの?!」
ただ名前を呼んだだけでそこまで言われるのはちょっと想定外だった。
「いや、まだ名前を呼んだだけ...」
「あら、本当...ごめんなさい。今日は何度も話しかけてくるから...つい...」
なぜそうなる。
「で...?用件は何ですか、翔。」
無理だ...この流れで
実は僕の姉と美里愛の兄が同じ会社の人で...
それが気になって声をかけただけ...
などとあまり深いことは言えない。
不快になるかもしれないからな、「ふかい」だけに...
...///。
意味のないダジャレを脳裏に浮かべたまま黙っている僕。すると、
「おやおやおや?そこで何をしているの か な☆」
トイレから戻ってきた山村が、僕の後ろから声をかける。
「おっと...お取込み中だったかな。失礼失礼。では僕は向こうで...」
と、この場を去ろうとする山村だったが
それを止め、助けを求める僕。
「...?彼女とお近づきになりたいんじゃないのかい?」
山村は美里愛にも聞こえるほどの声でそう言った。
しまった、余計なことを言うんじゃない、山村!!
しかしそのひと言で思いのほか
こちらに興味を示してくれた美里愛。
「そ、そうでしたの...それならそうと、言ってくれればいいですのに...」
なんだか照れた様子で僕に話しかける。
さっきまでの態度とは大違いだ。
まるで別人のような雰囲気で話を続ける。
「あ、あのですね?そういう...い、いやらしい話は...
こんな...場所でやめておきましょうよ...」
何を言っているのだ。まるで僕が教室で告白したみたいじゃないか!!
恥ずかしくなっておどおどしながら山村のほうを見ると、
「頑張って、友☆」
そう返ってきた。
だから違うっつーのーーー!!
そして興味本位から作り出した自らの拷問は、
昼休みが終わるまで続いたのであった...
続く...?
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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