#12 日常
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#12 日常
6月になった。
テストが返却され、みんなの結果が気になる頃。
そんなある日の朝。
「おはよう、友☆」
「うん、おはよう。」
廊下を歩く僕にいつものように話しかけてくる山村。
すると、僕の視線の先にこのはの顔が映った。
「おはよう、このは。」
はわっ!と驚いておどおどするこのは。
「お、おは...ありがとう、です...」
なんだよそれ、と少し照れる僕。
「おやおや?彼...友達かい?」
気になって話に入ってきた山村。
「まあな。この前...友達になったばかりだけど。」
すると今度は山村がこのはに声をかける。
「はじめまして、友の友。僕は...」
...と名前を言おうとすると、
「や、山村さん...ですよね、どうもはじめまして...」
既に山村のことも知っていた。
さすがはこのは。観察力の天才か、お前は...
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朝の時間。この日はこの前のテストの
総合結果と自分の順位が記された紙が配られる。
どうやら全教科(5科目)で100点未満だと追試、補習が行われるらしい。
「さあ、お前たち!!この前のテストの結果だ!!
全教科のうちの一つの教科の点数の合計の...」
「先生ー早く結果渡してくださーい」
さすが美歩である。
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テスト結果表が配られた。
僕の順位は...38人中14位。
悪くはない。中の上といったところか。
合計点数も332点とそこそこである。
くそー!あと1点で333点だったのに!!
...と、自分の結果を確認し終わると、すぐにみんなの結果も気になる。
--山村
(よし、余裕だったな。まあこんな簡単な問題では
僕を止められないよ。なんせ中学時代もほぼトップだったからね...☆)
さすがの優等生っぷり。あとで結果を聞かせてもらおう。
--水野さん
(わああ、よかったー。これで安心して皆さんと過ごせますね...
本当に良かった...)
この反応は...どうだったんだ、水野さん!!
--美歩
(んーーー......んーーー.....マズイかも。)
そりゃあ堂々と寝るから...
--幸佳
(あれ...おかしいわね。なんでこの点数と結果なのかしら...)
幸佳って意外と自信家だったのか...?
--誠
(ふん、当たり前だな、この結果は。)
相変わらずあっさりしているなぁ...。
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昼休みになった。
さっそく山村がテストの話を持ち掛ける。
「やあやあ友。テストのほうはうまくいったかい?」
ちょっと誠っぽいからやめろ。
「ま、まあな。それなりに...」
「ちなみに僕は全教科100点。もちろん1位だったよ☆」
やっぱりお前もそっち側だろ!!
...悪気はないのだろうが、少し距離を感じてしまった。すると...
「おやおや。君も1位でしたか...」
君も...だと?!
声のするほうを向くと、案の定誠がそこにいた。
「せっかく満点自慢をしようと思ったのになあ。
ま、さすが我がライバルといったところか。」
く、くそっ...こいつらにはテストではついていけない...
すると僕のほうを見た誠がこんな嫌味を言い出した。
「まさかまさかまさか。こんな簡単な問題で100点を取れないやつが
ライバルの友達だなんてねえ...
僕のライバル(彼)の点数が下がったらどうしてくれるんですか?」
くそっ、こいつ...!!
言われっぱなしだが何も言い返すことができない僕。
すると下を向いて黙っていた山村が誠に言い返す。
「何度も言わすんじゃねえ....人を結果で判断するなぁっ!!!」
教室の中、突然大声で叫ぶ山村。
びくっとなった教室中から声が消えた。
「や、山村くん...?!」
教室にいた女の子たちが騒ぎはじめる。
「ふ、ふん...僕はただ、ライバルの点数が下がることを心配したまでだよ。
次こそは決着をつけてやるからな...!!」
そう言ってそそくさと教室を後にする誠。
「すまなかったね、友...あんな奴を巻き込んでしまって...」
いいんだよ、と山村を慰める僕。
「いや...むしろ、何も言い返せなかった俺の代わりに叫んでくれた...
ありがとう...。」
そう伝えると、
「うう、本当にいいやつだなぁ、友!!はーはははは!」
友(僕)に慰められ、すっかり元気になった山村。
勉強では距離(差)があっても心では距離(差)はない。
そう思う僕なのであった。
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放課後。
「さて、友。帰ろうか☆」
「うん。」
今日も山村と教室を出ようとしたそのとき、
水野さんがこちらにやってきた。
「あ、あの...っ!」
珍しく水野さんが山村に声をかける。
「山村さん...テスト1位だったんですよね...その...」
もじもじと恥ずかしそうに話を続ける。
「も、もしお時間大丈夫なら...!あの...その....」
...と、教室の入口で水野さんの話を聞いていると、廊下のほうから足音がして、
「おーっす。なあ今からここのみんなでテストの反省会でもしないっすかー?」
水野さんよりも先に、伝えたいことを伝える美歩が現れた。
「わかったわかった。僕は構わないよ。友も付き合ってはくれるかな?」
すると僕が返事をするよりも前に美歩がこう言い出した。
「みんな、なんだからアンタも強制参加だよ。」
ふふふと笑いだす水野さん。
まあ放課後は特に何もないし...いいだろう。
どちらにしても一緒に参加するつもりでいた僕だった。
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放課後の教室。
教室には僕ら4人のほかには誰もいなかった。
さっそく美歩に勉強を教える山村。
「ここは...ほら、aの4乗とbの3乗は別物だから...」
「はあ?aとかbとか何なんっすかー?」
そこからか...
「美歩...昔から勉強は苦手でしたからね...」
美歩を見て苦笑いしながら勉強を続ける水野さん。
少し顔をあげた僕は、水野さん側の机上にあったテスト結果の紙が
見えてしまった。
そこには38人中34位、合計点数105点と書かれていた...。
「...!!翔くん?!」
チラ見えのはずだったがいつの間にか前のめりになってしまっていた僕。
さすがに気づかれた。
「や、やめてくださいよ...人のテスト結果を見たって...
何もならないですよ...?」
ごめんごめん、と謝る僕。すると水野さんは
いつもの笑顔からは想像もつかないほどの真顔でそれに続ける。
「...今、水野さんがこんな点数なんて意外、とか思いましたよね...?」
図星である。
「...私だって、、勉強、苦手ですよ...!でも...」
と、今度は山村と美歩のほうを見て話を続ける。
「だけどせめて美歩に教えられるくらいには、って頑張ったのに...私...」
そう言って泣きそうな顔でうつむく彼女に、僕は
「大丈夫、水野さん。人は見た目や結果ですべてが決まるわけじゃない。
もちろん僕もそう。だから...」
と、昼休みの件も踏まえて真剣にアドバイスをする。
「だから、水野、さん...
自分を...責めないで...あげて...」
えっ、とこちらを見て顔を上げる彼女の目には涙がこぼれていた。
その様子に気づいた山村。
シンとした空気の中、水野さんに話しかける。
「そうだよ水野さん。元気出して。
100点を超えたなら補習はないよ。良かったじゃないかー☆」
すると引き締まったように空気が明るくなり、
水野さんにも安心した笑顔が戻っていた。
...ところでなんで水野さんの点数を知っているんだ?と僕が聞き返す。
「え?ああ先ほど美歩が教えてくれてねぇ。」
み、美歩ーー!!と顔を赤くしてポコポコと
美歩を叩く水野さん。
それをハハハと笑いながら見守る山村と僕。
これからもこんな毎日が続くといいな...
そう思う僕だった。
続く...?
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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