#9 テスト勉強
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#9 テスト勉強
山村の話を聞いてから数日経ち、
気つけば中間テストの前日になっていた。
その日の放課後。
「明日からテストだねぇ。勉強のほうは進んだかい?」
いつものように僕のところへやってくる山村。
「ああ、なんとか...赤点回避できるくらいには...。」
「それではダメだよ...
ちゃんと、100点を取れるくらいの勉強をしておかないと、ね☆
そうだ!今日は僕の家でお勉強会でも開こう。我ながら名案だな!」
そういうことはテスト数日前にするのでは...
何はともあれ、一緒に勉強すれば点数が上がる可能性も低くはない。
「それと...家で一緒に勉強をすれば、きっと妹とも仲良くなれるはずさ☆」
なるほど、そういう理由もあったのか。なおさら断る理由がない。
「わかった、じゃあ今から行くわ。」
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そんなわけで、山村の家にやってきた僕。
友達の家に遊びに行くのはかなり久しぶりかもしれない。
山村の家は、2階建ての戸建て住宅だった。
ガラガラ...
「お、お邪魔、します...」
引き戸の玄関をくぐり、挨拶をする僕。
あまり人の家に遊びに行くことがなかったので
少し緊張気味だった。
「大丈夫だよ。気楽にね☆」
そうはいってもやはり初めてくる他人の家はまだ落ち着かない。
...って、お前も初めて家に来たときは緊張気味だったけどな!!
「今日はここで勉強しよう。待ってておくれ、今妹も呼んでくるから。」
そう言って山村は僕に部屋を案内したあと、2階のほうへと歩いていった。
...案内されたのは、畳の真ん中に机が置かれ
窓際にテレビがある、いかにもリビングという感じの部屋だ。
奥にはタンスや棚が置いてあり、とても綺麗に整えられている。
...そういえば今も父親と住んでいるんだっけな。
この前の話を思い出しながら、そんなことを考えていた。
すると階段のほうから2人が降りてくる音が聞こえ、
部屋にいる僕のほうへやってきた。
「大丈夫だよ、幸佳。ほら、同じクラスの翔くんだよ。僕の友さ。」
山村の後ろに隠れ、恐る恐るこちらを覗く彼女。すると...
「か、翔!!この前は...!!心配させて...ごめん......」
突然僕に話しかけてきたのだった。
緊張気味な声だったので、また倒れてしまうのではないかと心配したが、
気絶はしていないようだった。
驚きを隠せない兄の山村。
一方で幸佳の顔には安心したような笑顔があった。
やっと気絶せずにお話できた、というような。
「どうも、幸佳...ちゃん...?
僕のこと覚えててくれてありがとう。」
と、幸佳を怯えさせないようにいつも以上の笑顔で近づくと、
「な、なんだいその笑顔は。僕と一緒の時には
見せてくれなかったじゃないかあ...!」
するとふふっ、と笑いだす幸佳。
僕と山村は一瞬顔をあわせてたが、一緒に笑いだした。
「さてと、幸佳の緊張も解けたみたいだし、、3人で勉強だ ね☆」
そうだな、と僕はノートを広げ、勉強をはじめた。
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意外にも早く時間が過ぎた。
あっという間に18時を過ぎ、勉強のほうも楽しくできた気がする。
するとガラガラと、玄関の入口が開く音がした。
「お帰り、お父さん☆」
僕がいてもまったく動じず勉強を続ける山村。
廊下のほうから足音が聞こえたのでそちらのほうに目をやると、
「...お、、」
こちらを見て何か言いたげな山村の(義理の)お父さんと
目があってしまった僕。
「お、お邪魔して、ます!えっと...
山村くんと幸佳ちゃんのクラスメイトの春野...」
と、たじたじになりながら挨拶しようとする僕に対し、
お父さんが口を開く。
「おお、君が噂の春をかけるくんか。
いつもこいつと仲良くしてくれてありがとな。」
笑顔で頭を下げるお父さん。
見た目はいかついが、思っていた以上に温厚な人だ。
ってか山村のヤツ、僕の名前...春を、で教えたのか...。
「こ、こちらこそ...どうも...」
名前の訂正もできず、そのままおどおどしている僕。すると...
「か、かけ...っ!」
僕の名前を呼ぼうとした幸佳だったが、そのまま気絶してしまった。
やっぱりまだ普通に話しかけられる状態ではないみたいだ。
「大丈夫か、幸佳...ごめん...」
気絶してしまった幸佳を見て僕も心配する。
「いや、友よ。君は悪くない。だから...幸佳のことは僕に任せるんだ。」
わかった、と言った僕はせめて2人の傍にいてあげることにした。
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しばらくすると、幸佳がゆっくりと起き上がった。
「わたし...また気絶したの...?」
悲しそうに、そして申し訳なさそうにそう呟いた。
「大丈夫。ほら、ずっとそばで待っていたからね。」
優しい口調で妹に話しかける兄とそれを見守る僕。
そうこうしているうちに、
山村のお父さんがやってきた。
「おお、翔くん、まだ帰ってなかったか。
...そうだ、よかったら一緒に夕食でも食べていかないか?」
ふと時計を見ると19時を過ぎていた。
いいえそろそろ帰ります、と席を立とうとした僕だったが、
「待って...!一緒に...食べよ?」
幸佳に止められてしまった僕は、断ることもできずにおどおどしていた。
「だははは!珍しいなあ、幸佳が優雅以外の人を引き止めるなんて...
もしかして彼のことが...?」
「お父さんっ!!」
顔が熱くなっている幸佳。
しかし先ほど気絶したばかりだからなのか
再び気絶はしなかった。
「ちょっと...また気絶しちゃったらどうするのさ...」
冷静に注意する山村。
「ああ、すまんすまん。
...で、料理は一緒に食べるってことでいいんだな。了解!」
流れ的に結局一緒に食べることになった。
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「いただきます。」
久しぶりに姉以外の人達と食べる夕食。
幸佳は嬉しそうな顔で食事をしている。
「すごいじゃないか、友。やはり僕の目に狂いはなかったねえ☆」
何が、と聞こうと思ったがその必要はなかった。
「ああ、幸佳がこんなに嬉しそうな顔をするのは久しぶりだからな。
よっぽどお前さんが気に入ったらしい。」
...と、笑顔のお父さんにそう言われ、なんだか少し照れくさくなった僕。
「いや、僕は何も...」
本当に僕は何もしていないのに...と、再びたじたじになっていると、
「翔は...!....はじめて......お話...できた...他人...だから...。」
幸佳にそう言われ、僕はとても嬉しかった。
そうか、学校でもずっとひとりで...
兄や父以外誰とも話したことがなかったのか。
そんな彼女のことを、これからも兄と一緒に守ってあげたいと...
そう強く思った僕なのであった。
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「今日は呼んでくれてありがとう。また明日。」
「うん、また明日。グッドラック☆」
さて、すっかり遅くなってしまった、と歩き出す僕。
...あれ。そういえば姉に連絡はしたっけな........
---その頃、姉は...
「翔はまだ?!ああ、一体何時になったら帰ってくるんだろう?!
今日は夕飯友達と食べてくるのかなぁ...
だったら連絡くらいしてーーーっ!!」
姉に連絡するのをすっかり忘れていた僕のせいで、すっかり
慌てふためいていたのであった...
続く...?
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、
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