#52
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「はあぁ…せっかくカリーとなら新たな時代を作れると思ったのだが、敵になってしまったかゼロも殺せてなかったし結局は人って訳だ
残念だ、期待していたのに」
後列の俺とメルトは合流する。
人数の減少は分かってはいたが、知っている人がどんどんと亡くなってしまうのは気が狂ってしまいそうだ。
取り敢えず、夜なので付近で身を隠し3人組になってバラバラで寝る。
その夜カリーはメルトに魔王の情報を伝える。
魔王はドルファングではなく俺たちと同じ人間よ姿をしている子供らしい。
力はドルファングの比にならない程強く、ゼロがいても勝てるか分からない、いなかったら確実に全滅と言った所の力があるらしい。
朝になり、全員が集まった所で指示を伝える
「もう王宮が見えてきた、恐らくここに魔王はいる、その前にドルファングともう一体、ガルフィーンが出てくる
ドルファングに何も知らない当時の俺達は手も足も出なかった。当然こいつらも一筋縄では倒せない、総力を上げて戦うべき相手だ」
「分かった、皆んな!今から王宮の前に行く、ここからは休憩も一切ないだろう、しんどいと思うがついてきてくれ」
もうここまできたからには誰も引く様子は無い!
俺たちは革命軍の一員だ!
森林を掻き分け出口が見えた所で言われた通りに待っていましたと言わんばかり2体の魔物がいた。
「左は前衛と1番隊、右は後列の人が戦え、ここからは全開戦闘だ!!」
メルトの一言で全員動き出し始める。
思ったよりも簡単に2体を分断する事に成功。
俺の方は精鋭24人これまでの戦闘では1人も犠牲者を出していない。
俺たちの相手はガルフィーン、ドルファングと違い情報が全く無い、まずは全体に待機命令を出し、様子を伺う。
メルト達は既に戦いを始めている。
かなり順調そうに見えるが、何人かはもう倒れていた。その中には実力派の1番隊の人がいた。
やはり、相当な魔物と言うわけだ、気を抜いては一気にやられる。俺も頑張らんとな。
「動くぞ!タンクが前衛にその他は後衛に下がれ、まずは」
「ここまで来たんだ、後は俺がみんなを守ってやるぜ」
俺は手を掲げ、力の限り仲間を奮い立たせる。
メルトには遠く及ばないが、俺もリーダーとしてできる事を精一杯やる。
ガルファーも遂に大役が来たかと腕を鳴らす。
一斉に俺達は進みだし近接は剣でガルフィーンの足元から崩しにかかる。
しかし───
ガルアアッ!!
こいつ、対話能力が無いのか、本能で俺達の攻撃を回避しやがる。
ガルフィーンの戦闘感が俺たちの攻撃を見事なまでに受けている。弱攻撃は正面から受け、強い攻撃は硬い装甲に当てる又は躱して被ダメージを最小限にまで抑えている。
攻撃自体はそこまでして来ないおかげでこちらの傷は殆どない。
ドルファングの方は動きが荒い、
恐らくドルファングが攻撃タイプでガルフィーンが防御タイプって訳か。たまにガルフィーンがドルファングを意識するタイミングがある、なんとか合流しようと考えているのか。
「そうはさせない、アイスヴェール」
後衛にいる俺は合流を防ぐ為、2体の間に壁を作り、合流の妨害をする。
「ガルフィーンは攻撃タイプじゃない!もう一体と合流させる前に倒しきるぞ!」
しかし、俺のこの判断は間違っていた。
2体の魔物を本気にさせてしまったのだ。
2体が俺が壁を作り見えなくしたと同時に叫びを上げる、その声は俺達が動けなくなるほどの雄叫びだった。
さっきまで穏やかで攻撃の少なかったガルフィーンが一気に凶暴化した。
攻撃は魔法じゃ無い、大丈夫だ、、、
ガルフィーンの攻撃はここにいる全ての人間の想定を大幅に超えていた。
「危ない!!」
前衛にいた剣士、タンク、全員が吹っ飛ばされる。
2人以外は即死だった。
(駄目だ近距離戦闘は奴の攻撃力では危険すぎる魔法攻撃を主体にして……それでも駄目だ、間違いなく火力不足、じゃあどうすれば…まだ逃げれば生き残れるか、)
「おいおい、リーダーさんよ判断が遅いんじゃねえの?」
「サルド…!」
サルドは生きていた。あんなに防御に無頓着で動きの鈍かった奴がどうやって、
「サルド大丈夫なのか?」
「ああガルファーが助けてくれた、」
「ガルファーが?」
「さっきの魔物の攻撃、前衛の中で唯一ガルファーだけが反応出来てた。
「あんたはまだレイの力になれる俺の役目はここで終わった後は頼んだ」ってな…最後までかっこいい漢だったぜ
俺もだせーな、歳下に命救われるなんてよ、
それでもな!今のぐだぐだしてるお前の方が何倍もだせーぞ!
ここにいる全員、死ぬ覚悟を持ってる奴らだ!リーダーが最初に諦めてどうすんだよ!!」
そうだった、俺は最後までメルトについて行くと言ったのにピンチになったら逃げる事を頭の中で考えてしまっていた。俺はまだ変われてなかった。
今、この時間に何人の剣士が死んだ、判断が遅くて何人の魔術師が死んだんだ…
今俺は勇敢に戦った人たちも思いを踏み躙ろうとした。
ガルファーが死んでまで俺に望みを託したのにそれに応えられなくてどうすんだ俺!
「もう逃げない、絶対俺が倒す!」
「良い覚悟だ、リーダー!」
俺は勇敢に戦った戦士の杖を拾い、杖をガルフィーンの前に掲げる。
ここで倒さなくて、何が勇者だ!今逃げて後で何になるんだ!
勇者はその背中で、その一撃で仲間全体にもう一度立ち上がる力を与える存在だ!!
「行くぞ!核爆発
魔術師全員、防御を固めろ!!」
上空に魔法陣が展開され、刹那、地上に着弾し爆発する。
俺は生き残ってる魔術師全体に防御魔法の指示を出す。
その言葉はメルトにも届いた。
王宮は半壊、ガルフィーンは一撃、ドルファングも攻撃が届き、瀕死まで持っていった。
これが超級爆発魔法、味方にも甚大な影響をもたらすがとんでもない威力範囲だ。
ドルファングも瀕死の所をメルトの魔法でトドメを刺した。
ドルファングと戦った人間は、死んでる人を除けば傷を負ってる人はおらず疲れている様子もあまり見られなかった。
これがSランク冒険者の力か、
「助かったぜリーダー、そんな技あんなら最初から使ってくれよな」
「ありがとうレイ、」
「………ごめん皆、俺のせいで、俺の判断が遅くて仲間を見殺しにしてしまった…」
「気にすんなレイ、俺もここにいる奴も死んだ仲間の奴らも今のお前を誰も怒ってなんかいねえよ」
俺はその言葉を聞いて、楽になれたのか倒れ込んでしまった。
もう俺は充分に頑張った。後は託し…
「まだ死んじゃだめだよっレイ、戦いはこれから」
ゼロが走って俺の所に来て、急いで回復をしてくれた。
あんなに痛くて魔力も切れて死にそうだったのにもう動けるくらいには回復している。
……助かった。
「今の衝撃、ドルファングかと思ったが、違うみたいだ
まだ人間に俺の脅威となるのが人間にいたとはな
面白い!!!」
半壊された、王宮の中から1人の男が出てきた。




