#50
ついに反対都市に着いた。
我々革命軍は前夜に中央の時計台の所で大々的に宣言をした効果で100人に近くの大所帯となった。
最初の方に配属された人達はそれを見て一安心と言ったところと思ったら、残念ながら最初のその他大勢に配属されるとの事だがそこには何故か入ってきた元最強チームのリーダーであるカリー・シュミットが来てその他大勢に配属された事とメルト、ゼロが一応緊急時の為にその他大勢に加勢する事となったので、かなり安心のできる状態が整った。
もしかしたら最初からこの状態にする予定だったのかもしれない。
「よし!皆、最初の敵が来る。数は30数的有利で押し込むぞ」
「頑張って!君達なら必ず勝てるから」
メルトの一言はその他大勢を一気にやる気にさせる。メルトの言葉には人を奮い立たせる不思議な力があるのではと思ってしまうほどにみんなが必死になって動き始める。
メルト自身も最初なのに全力で戦っている、援護と言っていたのに自分から最前線で、どうして、、、
最初の方俺達は暇になる。
ガルファーも同じく暇を持て余している所だった。
「メルトの指示だから待つしかねえけどやっぱ、何も出来ないって嫌だよな」
「出来るなら俺だって全部やりたいけど俺じゃそんなの出来ないし、言われた事くらいは頑張るけど…」
「モリアお前俺より歳上なのに弱気なとこ見せやがって俺らの隊長さんも困った顔してるで」
「いや…そうじゃない、けどモンスターがあまりにも弱すぎやしないと思わない?順調に事が運びすぎてる」
「それは良い事だろ?メルトさんがいるから心配無いんだよ」
それはそうだ。
メルトは紛れも無く強い、そして誰よりも魔王討伐の強い意思を持っている。あの人は自分の人生全てを賭けてでも仲間の想いを胸に今を生きている。その姿はとても美しく見えた。
最初いたモンスターが全て討伐され一度ひと段落着いた所でメルトとゼロは後列に戻り、休憩に入った。
「お疲れ様、メルトまだ最初なのに消耗しすぎ…最後までもたないよ」
「……分かってるし、そんなん言ってる余裕は今の俺には無い。もう既に17人もやられてる、、戦ってくれてる全員を守るのは出来ねえ、けど…俺がいる事で頑張ってくれるんなら安いもんだろ」
そう…俺達からは全く見えなかったが、前線で戦っている人達は既に全うした人が何人もいるとの事でそれが古くからの友人、恋人とかで戦意喪失している人が数人。そうなると数的有利が失われる。そんな時精神的支柱がいると諦めていた人もまた立ち上がる事ができる。それが出来るのは他でも無いメルトだけだった。
「カリーのおかげで今の前線は安泰だがそろそろ王宮に向かって進むとなると今以上に厳しい戦いになるだろう。優先順位なんてもう言ってる余裕が無くなっている、ここからは総力戦で行こう!俺も死人を増やしたく無いし、前にいる人も必ず役に立つしな」
「私も隊長について行きますっ!!!」
休憩したのはものの数分、ほぼ休む事なんて出来ずに動き出す。体力的にしんどいのは間違い無いが魔力自体の消費は抑えていると言っていたから戦闘面での問題は少なそうだ。
メルトが行くと言ったらゼロはノータイムでついていくと言う。こんな時でも積極的だがまあ反応は無く、戦力として感謝されている。
それでもとびきり嬉しそうな顔をする。満足そうだ。
「はあ、私も行く流れになってるけど行かないからね今は、2人はどうする」
1番隊の残り2人のAランク隊員に話しかけると、2人は行くと宣言をし、メルトの前と後ろを護衛する様に配置についたのを見て更に深いため息をついて、
「仕方ない私も行く、けど魔力だけは温存、最前線は行かないのと援護だけをする約束をして」
「…分かったよ、すまんなレイ1番隊は前に向かうから後ろの指揮を任せるわ」
俺は親指を立てて「任せろ」と合図を送る。
入って一月しか経ってない男にここまでの信頼…されたら応えなかったら男じゃ無いだろ!!
やってやるよ。
1番隊が前に進んだタイミングで包囲する形で俺達、後列に強そうなモンスターが現れ始める、数も多い。
少しまずくなってきたな…それでも新入りのAランクもいるし数も互角、連携さえ取れれば問題は無いはず!2〜5番隊の24名の上位層の冒険者を俺がどう指揮を取るか。
敵はおよそ30程、見た目ヤバそうなのは10って所、俺達は主戦力だから魔力は温存した方がいい。俺の新たに手に入れた力なら俺だけで15はイケる。後はいかに仲間を減らさないかを考えろ。
(今俺らは背後以外囲まれているしかも前線とは分断されているせいで気づいていないここにタンクはガルファーともう1人だけか…魔術師よりは剣を持っている人の方が多いなら……)
「この場の指揮を取るレイだ!今は俺の指示に従ってくれ、まだ皆んなの実力を把握していない…そして我々は革命軍の主戦力だ。ここで力を出し切るのは間違いだと判断した。
よって今から指示を言い渡す!剣を使った近接戦闘の人、タンク、守備型の人がモンスターと戦い、魔術師は仲間の回復に専念。
魔力は極力温存して、ここでは誰も死者を出さずに乗り切るぞ!!」
俺の掛け声にぞろぞろと動き出す。
メルト程の発言力を持ってはいないが、この場で最適だと思った事を言ったのは伝わった様で言われた通りの配置に皆んなついてくれた。
俺もここからやっていける!
「行くぞおおお!!」
俺も今回は勇気を出して近接戦闘をやる魔力は有り余っているとはいえ味方に誤発する可能性を考慮して使わない事にした。
俺の対面は強そうなモンスターと雑魚モンスター。
強そうな方に意識を割きつつ先に雑魚からやっていこう。師匠に教えてもらった受け流して少しずつ削って一瞬の隙を作る戦術、最近は依頼をサボったり魔術ばっかやっていて鈍ってないか心配だったけどあの2年間で俺の身体には動きが染み付いていた。
軽々と雑魚モンスターから倒して次は強敵に集中っと。
すると横にガルファーが来た。自分の所が終わったとのことで俺に加勢してくれたと。
「俺のとこのモンスターは雑魚だった。他の奴らも順調に倒している。新入りとも魔術師とも割と連携が取れてていい感じだ」
俺と違ってガルファーは周りを見る余裕まであった。雑魚モンスターしかいなかったと言っていたが、自分も戦いながら周りの気配りも出来るとは俺よりリーダーに向いているのではと思ってしまうほどだった。
(敵の数は順調に減って、こっちは誰も失っていない。かなり余裕もできたな、、そしたら次を考えるんだ)
「魔剣士も内側に入って休憩!残りは俺達剣士が斬る!」
後は強そうなモンスター8体に対し剣士15人圧倒的な人数差これならゴリ押しでも多少何とかなりそうだ。
俺が先陣を切って突撃をして軽やかに一体を斬ると他も続いて突撃し始める。
乱戦となったが、必ず1体2の状況を常に作れている為こちらの隙はカバー、魔物の隙は命取りになると言う、圧倒的な人数差で魔術師の魔力も温存して魔物を倒し切る事に成功。
「気は抜くなよ敵はまだこれで終わりじゃないかもしれんから」
俺は喜んで気を抜いてる奴らを一蹴。
気を引き締める。
「流石リーダーだぜ
発言に重みがあるねえ」
「うるせえなガルファーお前も集中しろ」
「なあなあ、休憩は大事だぜ?」
「………そう、だな」
ガルファーが俺にちょっかいをかけてくる、鬱陶しいけど俺を一度冷静にさせてくれていると考えるとありがたいな。
気の引き締めすぎでは疲れてしまう、長期戦も考慮して楽にして良いと合図を送る。
こっちは順調、メルトの方はまあSランクが4人もいれば問題ないだろう。
と思ったが、明らかに立っている人数が少なかった。
何があったんだ?




