#49
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当日となっていざ向かうぞとなったが、人数は最初の45人から減って40人となってしまった。
1週間前に逃げ出して、こっそり昨日になって戻ってきた奴もいて、少しは人数を持ち直したが1部隊分の人数がいなくなってしまったとの事で、メルトの策を使う事にした。
「今日俺はゾーラ街の中心、ギルドがたくさんある場所で魔王討伐の宣言をし、同じ心を持つ仲間を増やすことにする
悪いが、開戦は明日になりそうだ」
この作戦に多数が賛成し、この意見は可決される。
俺も流石に40では少なすぎると思ったのでこの演説案は良いと思った。
それでも懸念点はいくつかある。
1.内通者の侵入
新たに無作為に増やすとなると、入隊が簡単で魔王側の人間が入りやすい事、それはあらかじめ一人一人に話し合いを通すとの事で皆んな納得した。
2.魔物に目をつけられる
これはそこまで問題ではなく、武力行使をすれば良いが、目をつけられた事で魔王が王宮から離れてしまう可能性が予想されるが王宮から退いてくれるなら戦わずに権力を手に出来るから逆に好都合。
「そちらの王は戦いから逃げた」となれば幅を利かせてる魔物が黙るには十分だ。
代表して、メルトとアシェリーさん、ゼロちゃんと俺革命軍TOP3と謎の人間1人が演説に顔を出す事になった。
他は教会待機の指示が出た。
1番人の出入りが多いギルド前で宣言通り、メルトは喋り始める。
マイクもない為、声を張っている。
「ここにいる人間達!よく聞け!」
メルトの挑発的にも思える、「人間達」そして、「よく聞け」と願ってもないのに命令語と言う特殊な宣言で周りの人をメルトに注目させる事に成功。
後は演説次第、これの良し悪しで人員が増えるかが決まる。
メルト以外の3人はついて行くが、話はしないし、いざとなった時の護衛と戦略の誇示させる為だ。
「私は革命軍総大将のメルトだ
我々は今日、魔王を倒しに向かう!」
聴衆は「何バカなこと言ってんだ」とそこらから笑い声が聞こえるが、メルトは至って真剣な表情なこと、
メルトとゼロは有数の冒険者であることはかなり知られている事もあってか思った程、聞いてくれる人はいる。
それでも反対意見は多い。
「やめとけーいくらメルトとゼロがいても無駄死にだっ
大人しく護衛の依頼でもやってくれよ」
「じゃあ君はそのまま何もしなければ良い
あんたには俺も興味が無いので失せてくれ!」
目の前にいる人に心無い言葉を浴びるが全く動じない、そこからは他の人の言葉を一切聞き入れず自分の事を話し続ける。
「先程、私に罵倒した人と同じ考えの人はその考えのままで良い!そんな奴は必要ない。
それでは本題に入る
今、この世界が不自由だと思っている人間、貧困で生活が苦しい人間、魔族に家族や友人を殺され、強い恨みを持っている人間、私と共に新たな世界の一歩目を歩き出さないか?
我々は魔王に倒す力を手に入れた
ここにいる3人は魔王を倒す力を持った最高の冒険者だ!」
私はこの中では数段劣るAランク冒険者ですがね。
それでも全体では優れてる方でしょ。
「選択は君たちに任せる、危険な目に合わせるのは分かっているからこそ、それを実現させる勇気ある人間の原動力が必要だ
君達はどちらが良い?
魔族に怯え支配される世界か人間が統治する平和な世界
どっちが良いかなんて考えなくても分かるだろう
共に力を合わせこの腐り切った世界を変えようじゃ無いか!!」
「………レイ」
師匠がこの演説を見ていたらしい、俺はもちろん気づいていた。
演説なんかより心配そうな顔で俺を見ている。
(ごめんなさい師匠、俺はもう決めたんです諦めないって、だから心配しないで下さい。)
俺は師匠を心配させまいと急に背筋を伸ばし、堂々とする。さっきまで師匠ばかり見ていたが、それだと変なので師匠には極力目を合わせないようにした。
まあ、自分逃げたくなってしまうのもあるんだけどね。
メルトの全てを出し切った演説は終わった。
挑発的過ぎたかも知れないが、ここら辺にいる人全員には恐らく聞こえただろう。
少なくとも魔物に恨みを持っている人間は冒険者ならいるはずだ、後は彼らの行動を信じるしか無い。
メルトは目を瞑り目を開けた時に人がいる事を信じた。
目を開けると、想像よりも多い人数がメルトの前に立っていた。
しかもその全員が冷やかしではなく、革命軍に参加したいと言った冒険者だった。
「ありがとう、本当にありがとう」
昨日と二日連続でメルトは涙を流す。
場所を移し、教会に皆を連れて行き、冒険者の証明書としてカードを見せてもらった。
「私達もメルトさんと同じ、魔族に大切な人を奪われた人しかいないです。
私達のためにも力を合わせましょう!」
一人一人にもう一度覚悟を問うが、1人たりとも逃げ出す者はいなかった。同じく魔王を倒そうと立ち上がった大きなチームがメルトの下に来たからかほぼの人が魔物に恨みを持った人間だった。
そして最後の1人のカードを見ようとした時、ゼロちゃんが何やら驚いている、メルトもその顔を見て何やら見覚えがあるみたいだ。
「ねえ、もしかしてあんたカリーよね?
どうしてここに」
「俺もドルファングにはメンバーの殺されている力を貸して欲しい」
「カリーがいれば頼りになるよっ嬉しい
でも足は大丈夫?」
「それは大丈夫、治してもらったからもう完全に動ける」
まさかの最後の1人はあのゼロちゃんがいた最強パーティーのリーダー、カリーだった。
合計100人と言う、想像もしなかった人数となりついに魔王討伐に動きを始める。
「みんな行くぞ!」




