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#48

^^




 ついに討伐前日の夕方、昨日はサルドとのゴタゴタで疲れてしまい、メルトさんと話せなかったが今日こそはと意気込み、今、俺はメルトさんの後ろにいる。話しかけてはいないストーカーをして、絶賛話しかけるか悩み中ってとこだ。


 「……」


 何やら4基の墓の前で何やら話しているが何を喋っているかは聞こえなかった。

 話しかけていいタイミングなのかと俺は長考していると



 「何してんだ、レイ用か?」


 気づかれていた、恥ずかしい。

 用があるのは事実だからここは「そうです」と言って近づいて行く。


 「明日ですね」

 「ああ!そうだな、どうだ?緊張でもすんのか?」

 「いえ、不思議な事に今までの長い人生の中で1番落ち着いています、不安もあるでしょうがそれ以上に安心感もあります」

 「そうか、それは良い事だな

  因みに俺は緊張で今にも吐きそうだ

  それでもここに来るたび自分を奮い立たせてるよ」


 このタイミングで俺は気になる墓について聞いてみる事にした。



 「この墓は誰のですか」


 俺は失礼を承知で聞いてみる。

 メルトさんは少し下を向き、すぐに上を向く。そしてゆっくりと口を開いた。


 「これは……俺の親友の墓、革命軍最初のメンバーの墓」


 上手く喋れていない。聞くのはやはり良くなかったか

 それでも、メルトさんは少しまた下を向き、墓の周りを歩きながら再び喋り出す。



 「これは俺が16の時か?

  最初は前にレイが言ったように完全遊びで魔王倒すとか言ってた時期だ。

  そん時の俺達は才能なんて一切無かったが何故か魔王を倒せるなんて妄想をしていた行動に移したかは別として

  ある日、5人で遊んでる時に1人が魔物とぶつかってしまってな、深刻な顔をしていたからちゃんと謝って許してくれた。そんでそいつに背を向けて走り出そうとした瞬間にぶつかった俺の親友の心臓を刺したんだ。」


 「え?」

 


 俺は声が上手く出なかった、前に言っていた気に食わなかったら容赦無く殺すと言うのはメルトさんの経験談だったのか。


 「その一撃で間違い無く致命傷だった

  それでも魔物は…炎で更に苦しみを与えた!謝って、抵抗をしていない人間を!!容赦無く、焼き殺した……

  それを見て俺達は真剣に親友を殺した魔物をこの手で殺し、殺しのない平和な世界を作ると4人で決心したんだ」


 恐らく今の話で殺されたであろう人の墓の前に腰を下ろし、涙を流し、声を荒げながら話しを続ける。


 「でも俺達には行動力だけで力がなかった

  魔王を倒す前の護衛の魔物に俺だけを逃してみんな死んじまった…

  最後、1人に言われた「魔族を絶対に許さない」って、俺はその言葉だけを原動力に生きてる

  悪いな、レイ嘘ついてよ本気で魔王倒すって

  本当はよ全部俺のエゴだ。復讐だ。それに、こんな大勢の人を巻き込んでいるだけ…聞いて幻滅したか

  レイの事は聞いてる、俺のことを知りたいんだってな…この通りだ

  俺は英雄でも勇者でもないただの過去に囚われただけの人間なんだよ、俺はレイやガルファーが思ってるほど凄くない、人は簡単に変わらないんだよ」



 俺は今気になっていたメルトさんの全てを知った。

 本当は誰よりも弱く脆い人間であると言う事、そして…誰よりも情に厚く仲間の事を思い続けることのできる人間だと言う事が。


 「いいえ違います。

  話を聞いてよりメルトさんについて行こうと思いました

  メルトさんは勇者ですよ他人の為、自分を犠牲にする事ができる、だからこそ、その姿を見て俺もガルファーもモリアもアシェリーさんも、ゼロちゃんもついていきたいと思ったんです

  だから明日からもついて行きますよ!リーダー!!」



 俺はメルトさんが近いのに大声で「リーダー!!」と言う。

 それを聞いて、涙を拭き、心の中を整理して、いつものようにリーダーらしく振る舞った。

 その立ち振る舞いに俺はまた見惚れてしまっていた。

 やはり不思議力をメルトさんは持っている。



 「リーダーとか「さん」で呼ぶのガルファーにもやめてくれって言っておいてくれ

  こいつらも俺の事を必ず見てくれてるから恥ずかしいから呼び捨てで「メルト」と言ってくれたらありがたい」

 


 リーダーにそんな事を言っても良いのだろうか。

 でも本人がいいって言ってるからいいんだよな。


 

 「頑張ろうなメルト!」

 「ああ、互いになレイ」



 その後俺も革命軍創設メンバーの墓1人ずつにしっかりと挨拶、お話をして教会の中に戻った。




 ついに明日、俺の人生の大きな分岐点となる。

 


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