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EP.ゼロ

^^




 帰ったら案の定先にガルファー達が帰ってきていて、座って休憩していた。当然のように疲れ切っている俺達を見て呆れた顔をしている。


 「モリア、熱くなりすぎだろいつぶりだ?

  すぐ休めよ本番は近いんだからよ」

 

 疲れ切ってるモリアはベッドに戻りながら着替えるギリギリの声量で、

 「いつぶりだろうね。ガルファー、やけに優しいな。なんかいい事でもあった?」

 「や、優しくなんかねえよ。ほら!早く寝ろ!」


 ガルファーは疲れているモリアを見て何だか嬉しそうだ。

 モリアの実力は認めているからあそこまで本気になって話しているんだ。

 

 「なあどうしてモリアはどうして自分を低く見てるんだ?モリアは間違いなくトップクラスの冒険者だと思うんだけど…自分のせいで本来の力を出せてない気がするんだ」


 俺はこの革命軍に入り、人間(特にメルトさん)を知りたいと思うようになっていった。アシェリーさんもガルファーもメルトさんの事を強く信頼している。それは人間性だけではそこまで行かないと思う、メルトさんの事が俺はずっと気になっていた。


 「それは後で話す。後ろ、ゼロが来た。」



 「えっ」

 「お疲れっレイ!怪我してるね治したげるっ」

 「痛っ…」


 後ろから勢いよくゼロちゃんが抱きついてくる。痛い。

 しかし、回復魔法で簡単に痛みが取れてしまった。疲労は取れないから痛いより重く、反射的に言いそうになってしまったが女性に向かって言うのは男としてあり得ない、何とかして口を塞ぐ。


 「重…」


 やべ、痛みを堪えるのが消え油断した。疲労のせいでゼロちゃんを支える力が無くガクッと膝を崩したと同時「重…」と口にしてしまった。

 頼む気づいていないでくれ────


 なにやら後ろからかなりやばい冷たい空気がする。


 「今、なんて言った?」


 あ、バレてる。どうしよう。

 素直に謝るか、誤魔化すか。考えろ考えろ


 「ねえ、今私に向かって何て言ったの?」


 怖い怖い怖い、疲れているはずなのに背筋がピンとなったのが分かる。まじで殺されるかもしれない。

 何とか誤魔化して乗り切るしか…


 「いや、何も……」

 「ねえねえ、それ嘘だよね。

  さっきレイ、私に「重い」って言ったよね」

 

 終わった────

 誘い出されてた。大人しく弁明するべきだった、どうして乗り切れるとでも思ってしまったのか。


 って今反省何かしてもダメだ。今はそんな事考えてる場合じゃねえ。まさに俺が殺されそうになってる。

 謝って命だけはどうにか


 「はいぃ重いと言ってしまいましたあぁ許して下さい」

 「本当に私が重い女なの?」

 「いえいえそんな事ありませんゼロちゃんは重く無いです。可愛いです。」


 頼むよ。許してくれよ。せっかくこんなに可愛いのにこんな二面性があったらメルトさんにも引かれてしまうぞ。

 俺はメルトさんじゃ無いから別にいいのか。


 「分かってくれれば問題なーし。

  私もごめんね疲れてるのにいきなり飛び付いちゃって」

 「そうですよゼロちゃんは…」

 「今口答えしていいと思ってるの?」

 「はい!駄目です!すいませんでした!」



 最後は優しい笑顔で返してくれた。

 このタイミングで話しかけるのも怖いけど、俺は革命軍に入り、確かめたい事がある。その為に人の事を知りたい。

 勇気を振り絞り、再び話しかける。


 「ゼロちゃんはどうして革命軍に入ったんです?」

 「簡単だよー

  メルトを見て、お近づきになりたいって思ったから」


 はあ…大方想定していたけど、想像を遥かに超える浅はかさだ。少しはまともな回答が欲しい。何か彼女にも過去があったはず……

 俺は何か閃いたように、


 「前にいたチームは何で解散したんでしょうか

  問題が無ければ話して欲しいです」

 「別に問題は無いよ。

  けどどうしてそんなに私の事が気になるの?あ!もしかして私の事、、好き?」

 

 その言葉に少しでもドキッとしてしまった俺を悔いたい。


 「いや、そんなんじゃ無いですよどのようにして今のゼロちゃんがあるのかそれが知りたいのです」

 「ふーん、そんな趣味があるんだ変だね」

 「別に何とでも言ってください」


 俺はもう今更逃げることはしない。


 「私が元々Sランクパーティーのヒーラーとして入っているのは知ってるよね」

 「ええもちろんです」


 「私は貴族階級の次女だった、罪人を剣で処刑したり、剣士として王の護衛をしたりする一族で、私は魔術、しかも回復魔術に興味を持ったの。でもこの家では剣で人を斬り落とすが当たり前。魔術なんて物は人体を害すると言って私のしたい事をさせてもらえなかった。

  それで私が剣を持つ年齢になった時、私が人を殺めたら私でいられなくなっちゃうって思って家を出たの………」



  ちょっと嫌な昔を思い出して言葉が上手く出ない。少し申し訳なさを感じる。


 「大丈夫です。思い出したく無い過去を俺のせいで…」

 「いいの!だまっててくれないかな」


  いつになく真剣な声で話すゼロちゃんに驚きながらも俺が聞きたいと言ったから真剣に最後まで聞く



 「家出した私は周りから見たら回復魔術がちょっと使えるだけのか弱い少女だったから、チームに入れてくれる人はいなかった。それでも入れてくれたのはその時Aランクパーティーのリーダー、カリーだったの。私はそこで自分の魔術師として他の人より優れてる事が分かって順調にSランクまで上がったの、それで私達は最強と言われるまでになった。それでも勝てなかったのは今では魔王と呼ばれているドルファング、そこで私のパーティーのタンクは即死、タンクの恋人だった魔術師も愛人を失った事でノイローゼになって私達は逃げる事になった。

  カリーも私ではどうにも出来ない重症を負い、チームは解散となった。

  私はまた1人だった。寂しかった。

  そんな時にメルトが私を誘ってくれたの

  「俺が魔王を倒して誰も争わない平和な世界を作る為に力を貸してくれ」って…その時に私はこの人の為に尽くそうってなったの!カッコいいし、考えてる事も一致してるしこれって運命!ってなって今に至るよっ!」

 


 最初の方の辛そうな表情とは打って変わって最後にはユーモアも含んで話を終えた。


 「なんですか最後の方は」

 「いいの気にしないで

  悲しい話は私に似合わないでしょ」

 

 メルトさんの言葉の所は声を低くしてカッコよく話して、人生楽しそうだ。

 それにしてもゼロちゃんがモンスターも含めて誰も傷つけないのには生まれ育った家庭に影響されてなのか…恐らく最強の強化魔術と透明魔術もそこで覚えたのだろう。



 「そうですね…ありがとうございますこの恩は本番で返しますので一緒に平和な世界にしましょう!!」

 「うん!バイバーイおやすみー」



 最後は笑顔で笑って手を振った。

 

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