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【完結】腐人に葬る最期の時  作者: モ虐
第Ⅰ章 決意

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Episode 9 誓い 20480825

 記憶がない。確実に解毒はした。腐人化が解かれた今、記憶障害の原因が腐人化による一時的なものというのはあり得ない。そして解毒が済んだ人たちも記憶が消えたりはしていない。


 だがしかしそれだとしたら誰かに記憶を消されたくらいしか残らない。

「そうか。記憶がない。なら君…冬美さんだったかな?一番古い記憶は何だい?どんな些細なことでも構わない。一番古い記憶を教えてくれないか?」と我儘を2体も一人で倒し人外っぷりを見せつけてきた梅雨川は冷静に彼女の記憶をもとに何かをつかもうとしている。冬美は、

「確か、変な山奥みたいなところで、仮面をつけた人がいて、その人のことは仮面をつけていたことと言っていてことしか覚えてなくて、思い出そうとすると頭が痛くなるんです。確か“日本ですごく活躍している腐人の手下になってもらうー”みたいなこと言っていた気がします。」

「それ本当か?」と春央は思わず聞き返した。


 梅雨川はその仮面の男は夏斗を救う手掛かりになるといった。


 そして冬美の最初の記憶はその仮面の男から始まっている。とにかくその男を捕まえたら冬美の記憶の奪還にも、夏斗を救うことにもつながる可能性が高まるということだ。

「よし、千秋。」そう言いかけた直後、

「いや俺は全然よくねぇよ。また〈四肢〉と戦うのかよ?まぁ俺が嫌だつっても拒否権はもうないんだろ?」と千秋が笑いながら言う。


 担架を持ってきた清掃員と援軍としてやってきた公安狩人には申し訳ないですがやっぱり大丈夫ですとだけ言って去ってもらった。


 冬美本人は体調に問題はないと言っていたもののやはり念のためと冬美は検査を受けることになった。2時間後、

「検査の結果おおむね普通の人間に戻ったと言っていいと思います。」と検査が終わった後ナースの人が教えてくれた。だが、「ただ…」と何か言いたげにしていたので、何ですかと聞いてみたら、「公安が10日前に行ったテストでも同じことが確認されているのですが、全身に力を入れるとゾンビとほぼ同じ体に戻るんです。勇気ある方が自分で自分の腕をとってみたり、心臓を刺してみたりしてくださったのですが…もちろん自主的にですよ?こちらはお願いしてませんよ?腕は近づけたら引っ付きましたし、心臓は刺しても灰にはならず人間に戻るだけで…我々はこれを獣化現象(ビースト)と呼んでいますが、これでは腐人の上位互換としか言いようがありません。」


 と一部怪しい部分もあったが「わかりました。あざっす。」春央はと返しておいた。


 冬美が返ってきた後も春央は話をしてみたが全く春央のことを覚えていないらしい。


 なら、と春央は言った。「俺は親友の夏斗を救うために旅に出たんだ。そしたら冬美は言ってた仮面の男に俺もであった。総監は夏斗を救うためのカギになるのは仮面の男って言ってた。そして冬美の記憶で一番古いのは仮面の男の話を聞いたこと。それなら仮面の男と冬美の記憶に関係がないとは思えない。だったら俺は仮面の男を倒してみせる。そして俺は冬美、君に誓うよ。絶対に君の記憶を取り戻す。そしてあの日々の記憶を思い出してもらう。」


そして春央は一呼吸おいてから、


「俺の夢についてきてくれないか?」と問いかけた。

「はい。」と春央のことを覚えていない冬美の固い返事を聞きながら春央は誓った。そして決意した。仮面の男を倒すと。


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