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私個人の表現が適切か…判断が難しい文面があります。
重い話が続きますが、ご理解よろしくお願い申し上げます。
そもそも剣道は1人では出来ない武道だ。相手がいて打ち合ってこそ稽古になる。素振りや筋トレだけなら可能かもしれないが、基本的には2人以上で行う。稽古の相手を敬うからこそ【礼に始まり礼に終わる】指導者だからとか、年長者だからとか……有段者だからとか……
稽古の相手に対して絶対的なマウントを取る必要性はないと思う。
人一倍の努力も才能も時間もお金も費やして、その地位を勝ち取ったかもしれないが、段位の上の人が何をしてもいいとは考え方が間違えてる。
まして、そのような考え方の大人が審判をしている。
相手への礼儀より反則ギリギリの激しい剣道をしないと試合で勝てないとか、結局剣道も武道とか相手を敬うとかを捨てていると思う。なのに試合中に接戦の末ようやく一本取れた喜びに、ガッツポーズをすると反則になり取り消されたりする。
『人が審判をしているのだから、時に判断を間違えても仕方がない』とも言う。『文句を言われないキレイな一打が出来ないお前の方が悪い』とも。
あんなに【剣道はスポーツには成り下がらない!剣道にオリンピックなんていらない!】とか言ってる市の連盟の会長のおじいちゃんがいたのを思い出した。
世界大会はあるのに、何をどう思っているのか理解が追い付かなかった。
ただの負け惜しみにしか聞こえなかった。そんな古い体制だから、剣道の人工が増えない原因なんだとも思う。
恵が卒業後、竹刀を握りたくない。
剣道を毛嫌いしている闇は奥が深い。
練習内容や部長の件も含めて何度か齋藤先生とは話をしたが、全く噛み合わなかった。そのうち柔道部の顧問の先生まで出てきて話がごちゃごちゃになっていった。
齋藤先生は物理の教科で嫌でも顔を合わせるし、柔道部の江戸先生は女子の体育だから逃げるところが無かった。
江戸先生には、わざと物理の授業前に生徒指導室に呼びつけられていた。
「部長のおまえの助けになってやる」
「俺が齋藤先生と話をしてやる」
「頼る相手を間違えるな」
今、思うと他の先生方は何とも思わなかったのだろうか?物理の授業前に幾度となく呼び出されては指導室で泣かされた。
勝手に恵が授業をサボっていると思われていたのか、今になっては分からない。
ただ救いなのは、サボらされていた授業のノートを見せてくれる友人がいた事だった。
そんな日々でも、なんとか辛い部活が終わり防具を外し棚に戻して、部室で着替える前にも江戸先生に呼び出されたりもした。
「加藤!ちょっと来い。この後、少し残れ。……帰りは家まで送ってやる」
あの日は帰る方向が同じだからと、何故か先生の車で帰ることになってしまった。その車中で、生徒指導と言いながらも、だいぶプライベートまで質問された。
『今、彼氏はいるのか? 』
『一線越えたら女子は体型が変わるから一目でわかる』
終いには……
『俺の家とは5分も離れていないが、おまえは朝、何時に家を出ている? 』
など訳が分からなかった。
このまま家を知られるのも嫌だったし、地元の最寄り駅に自転車もある理由から地元の駅近くまで送ってもらった。
学校から地元の駅までの20分の道のりが、永遠に続くのでは無いかと不安になった車内だった。
あの時は、もう家を特定されていたのだと今ならわかる。入学時に提出する書類に書かれている、家族や家までの地図など個人情報なんて簡単に見れているだろうから。
手を出されたりとか泣かされたりとかは無かったが、江戸先生に対しては人間的に気持ち悪く近づくのも嫌になった。結局その一回で恵は、柔道部からも変な目で見られるようになっていった。
そもそも、恵が部長に指名されてからおかしくなった。
三浦くんも和田野健くんも友美ちゃんも経験者だ。知恵ちゃんは初心者だから仕方ないとしてもだ。
任命の時に齋藤先生から『剣道の経験は関係なく選んだ』と言われたが納得はいかなかった。前部長の水戸先輩を廊下で捕まえて問いただしても『恵ちゃんなら大丈夫』としか答えて頂けなかった。
何が大丈夫なのか不明だった。
精神的に崩壊したまま夏休みに入った。
ありがとうございました。




